全ての登場人物が生き生きと描かれている
――現場での竹内さんの印象はいかがでしたか?
溝端 エネルギッシュでバイタリティに溢れていました。いい意味で古風で真っ直ぐなので、周りがその熱量に感化されていくんです。見事な座長っぷりに感心しました。役に対する気持ちも強くて、アクションシーンも鬼気迫るものがありました。響としてヒリヒリ、ジリジリする世界を率先して体現してくれたので、途中参加の僕もこの特殊な世界に自然に入り込むことができました。
――響と加州は敵対する役柄ですが、現場でも緊張感がありましたか?
溝端 現場では楽しくやっていましたが、カメラが回った時の竹内くんの切り替えは、すごいなと感じました。「何をしでかすのか分からない」「明日葉を殺してしまうんじゃないか」と思わせる空気感が全身から漂っていて、芯を食ったお芝居でした。
――玉城さんの印象はいかがですか?
溝端 明日葉の自分の信念を曲げない、山のようにどっしりした感じは、玉城さん自身に通ずる部分があると感じました。僕より8つ年下なんですけど、すごく大人な雰囲気を持っていらっしゃる方です。現場での居方も素敵ですし、気遣いもできて、基本は穏やかだけど、言葉にしっかりした意志を感じます。強さと優しさのバランスが素晴らしくて、現場を助けてくれる存在でした。
――改めて、Season4の見どころを教えてください。
溝端 普通はこれだけ登場人物がいると主人公にスポットが当たりがちになりますが、Season4は全てのキャラクターが立っているなと思いました。誰かを守るために生きる人、私利私欲のために生きる人、それぞれいろいろな思惑があって、その様子が丁寧に描かれています。キャラクターの個性が確立されていて、群像劇としてのクオリティーが高いと思うので、それぞれのキャラクターに注目して観ていただけるとうれしいです。
――ここからはキャリアについてお伺いします。溝端さんが芸能のお仕事をするきっかけになったのは、「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞されたことだと思いますが、もともと俳優のお仕事には興味があったのでしょうか?
溝端 映画が好きだったんです。でも、「俳優になりたい」と言ったら、母と姉に反対されて、高校2年生の春ぐらいに「このコンテストを受けてダメだったら諦めて進学、就職のことを考えなさい」と言われました。結果、コンテストでグランプリを受賞することができたので芸能の仕事をするようになりました。
――どんな映画が好きだったんですか?
溝端 子どもの頃は、金曜ロードショーや日曜洋画劇場で、ジャッキー・チェンや(アーノルド・)シュワルツェネッガー、シルベスター・スタローンの映画を観て、カッコいいアクションに憧れていました。衝撃を受けたのは、中学1年生の時に観た、行定勲監督の映画『GO』です。劇中で、山崎努さんが窪塚洋介さん演じる息子に放った「広い世界を見ろ、後は自分で考えろ」というセリフが自分ごととして心に刺さったんです。思春期の鬱屈したもの、自分の存在意義を描いた作品で、その時の僕の心情にリンクした「映画ってここまで人の気持ちを動かすことができるんだ。自分も画面の向こう側の人間になりたい」と俳優を目指すようになりました。