赤裸々な内容すぎて、読んだ人に嫌われないか心配
――初のエッセイ『ひねくれぼうず』を出すことが決まった時の感想をお聞かせください。
岡田結実(以下、岡田) めちゃくちゃうれしかったです。モデルのお仕事でお世話になっているファッション雑誌『JELLY』の編集の方から「本を出しませんか?」とお声がけいただき、2017年からずっと書き続けているメモのことを思い出しました。メモは日常に感じたことを携帯に書き留めたもので、「これを元にしていつか小説を出せたらいいな」と思っていたこともあり、「小説を出す前に、自分がどれだけできるのか確認してみたい」と、編集の方にメモの中身をお見せすることにしました。編集さんから「全部出しちゃおう!」と言われ戸惑いましたが……。
――もともと誰かに見せるのを前提に書いたものではないですしね。
岡田 ただ自分自身をさらけ出すことは、バラエティでも演技のお仕事でも、なかなかできないことだし、初めてのエッセイはそういう本が作りたいと思ったので覚悟しました。うれしさと同時に、「赤裸々すぎて読んだ人に嫌われちゃうんじゃないかな」と心配な気持ちにもなりました(笑)。
――メモはどんな時に書くことが多いですか?
岡田 うまくいかなかった仕事の帰り道、お風呂の中、ドラマや映画の撮影が終わった日、好きな人ができて恋している時とかですね。なんだかんだで、ほぼ毎日書いてます(笑)。
――過去に書いたメモを読み返すことはありますか?
岡田 あります。ふと「2020年の今日は何をしていたかな?」と思って、過去を遡ってみることもありますし、今回エッセイを出すにあたっても、過去に書いた内容を確認するためにすべて読み返しました。「こういうことを書いていたんだな」としみじみしましたね。
――本書には、岡田さんの日常を切り取ったような写真がたくさん掲載されています。写真はどんなものを撮影することが多いですか?
岡田 バラエティやドラマなど、芸能のお仕事は自分を着飾ることが多いので、写真はありのままの日常生活を撮るように意識しています。たとえば、母が洗濯物を干す途中でやり残したハンガーや、飼っているペット、家族の写真とか。ここに載っているのも、プライベート感満載の写真だらけです(笑)。
――子ども時代のお兄さん(岡田隆之介)と一緒に写った写真も掲載されていました。
岡田 あの兄の写真は父か母のどちらかが撮ったもので、お気に入りの1枚です。私は兄が大好きなんです。好きすぎて、兄に彼女ができたら審査させてほしいくらい(笑)。芸能界に入ったのもお兄ちゃんの影響が大きかったし、私を語るには欠かせない人物なので、昔使っていた携帯電話からデータを引っ張り出して掲載しました。
――デジタルの写真ではないですよね?
岡田 はい。フィルムカメラで撮って現像したものを携帯で撮りました。結構キレイに撮れたので使えるなと思って。