10年後の自分たちに向けた手紙
――3月8日にリリースするニューアルバム『X』は7枚目のオリジナルアルバムになります。新録曲を1曲ずつ紹介していただけますでしょうか。まずはリード曲の「ワンダーラスト」について。
白濱亜嵐(以下、白濱) GENERATIONSの10周年イヤーの開幕にふさわしい、明るくて景気のいい曲です。EXILE TRIBEの中でもGENERATIONSにしかできない楽曲だと思います。
――「NOW or NEVER」は白濱さんが作詞・作曲を手掛けています。
白濱 GENERATIONSのライブのギアを一段上げたくて、スカパンクに挑戦しました。気に入っているのは2番の「前がダメなら逆走するさ」という歌詞。これは僕が小さい時に「マリオカート」をやっていて、逆走して見つけた脇道を走ってみたら大逆転したというエピソードが元ネタなんです(笑)。「正面から競って無理そうでも、やり方を変えればいろんな勝ち方がある」というGENERATIONSっぽさが表現できたと思っています。
――スカパンクバンドのKEMURIが演奏に参加しているのもあって、曲にフェス感があります。
白濱 まさに夏フェスをかっさらえるような曲にしたいなと思ったので、スカバンドのレジェンドであるKEMURIさんに参加していただき、説得力のある仕上がりになりました。
――「Brand New You」は90年代のR&Bを彷彿とさせる曲で、アダルトな雰囲気が漂っています。
中務裕太(以下、中務) 僕の音楽のルーツはR&Bとヒップホップなので、聴いた瞬間に「これこれ!」と昔の感覚を思い出しました。
――「Fiction」は数原さんが作詞を手掛けていますが、佐野(玲於)さんとペアを組んだメロウな楽曲です。
数原龍友(以下、数原) 最初は一人で歌入れしていたのですが物足りなさを感じたので、玲於を誘ってラップをしてもらいました。歌詞は、女の子を口説こうと朝まで飲んでたのに、結局一人で帰るという、愚かな男のストーリーです(笑)。「男って馬鹿だな」と思って聴いてもらえれば……。玲於はこういうタイプのラップが初挑戦で、ボーカリストでも歌うのが難しい、少し後ろ気味に歌う感覚があるラップだから、グルーヴ感を掴むのに苦戦していたようです。でも彼はプロ意識が高いから、レコーディングでうまくいかなかった時は持ち帰って練習していたようで、歌が入ったものを聴いたら「おおっ」となりました。さすがです。
――「PICTURE PERFECT」は7人全員が歌やラップで参加しています。
中務 初めて7人全員が参加したパーティチューンです。レコーディングはすごく楽しかったですね。「PICTURE PERFECT」というタイトルにちなんでカメラのシャッター音も入っているので、写真を撮っている時に聴いてもらえるとうれしいです。
――「X ~未来への手紙~」も数原さんが作詞を手掛けています。
数原 自分たちの未来へ向けた手紙として書かせていただきました。10年後はどんな世の中になっていて、僕らもどんな活動をしているか、想像がつかないですけど、目標に向かって頑張っていくなかで、途中で立ち止まったりすることもあると思う。その時にこの歌詞を読んだら、みんなはどう感じるかなという、想いを込めました。歌詞に句読点が入っているのは、手紙を意識したからです。
――多彩なジャンルを包括した起伏に富んだアルバムになっていますね。
白濱 前回のアルバムはコンセプトアルバム風で、合間にインストゥルメンタルを入れたりしましたが、今回は聴きやすさを意識して流れを作りました。頭があって、見せ場があって、また上がっていって、最後はバラードで締めるというオーソドックスなEXILEスタイルに近いイメージです。
――このアルバムがリリースされる時期は卒業シーズンですが、卒業にまつわる思い出を一人ずつ教えてください。
白濱 高校2・3年生の時はクラスのメンバーがほぼ同じで、先生も含めてみんな仲が良かったんです。だから卒業式の前のホームルームで、「教師人生の中で一番のクラスを持てた!」と担任の先生が言った時は全員で号泣しました。僕が通っていた高校は芸能人がたくさんいたから、本当の学園ドラマみたいでしたね(笑)。
中務 小学校の卒業式は大号泣で、練習の時から泣いていました。泣きまくったせいで、頭が痛くなりましたが、そのままダンスの練習に行きました(笑)。その日の晩まで頭痛を引きずった記憶があります。
数原 僕の思い出は、中学校の卒業式前日の卒業イベントでバンドを組んで歌ったことです。大勢の前で歌うこと自体が人生で初めてで、即興で作ったバンドでバンド名すらなかったけど、FLOWさんの「贈る言葉」を歌いました。歌った後に、いつも進路指導でやいやい言われていた先生に「お前はこういうことがやりたかったんだな」と言われたことを覚えています。