“勧善懲悪ではない世界”を描いているのが面白い

――「君と世界が終わる日に」に柄本さんが参加されるのは、今回放送されるスペシャルドラマが初めてです。もともと本作にどのような印象をお持ちでしたか?

柄本時生(以下、柄本) “新しいもの”という感じですね。日本のシーズン物のドラマで、若手俳優が主演で出続けるのは、竹内涼真くんが初めてくらいじゃないですか?なので、新しいなと思っていました。

――出演するにあたって、最初に台本を読んだ時の印象を教えてください。

柄本 まず「冒頭、僕から始まるんだ」っていうのは思いましたね(笑)。

――柄本さん演じるエースは、 “ヒーローに憧れる元オタクゲーマー”という役どころです。何か役作りで意識されたことはありますか?

柄本 普段から役作りというのはあまり意識しない人間なんですが、ストーリーが進むにつれて涼真くん演じる間宮響からいろいろと影響を受けるというか、人としてちょっとずつ変わっていく部分があるので、そこに対してどう演じるべきなのか?というのは考えました。

――ご自身は何かオタク的な要素をお持ちだとお思いですか?

柄本 漫画とか映画とか、収集癖はあるかと思います。

――ちなみに、ホラー系の映画も?

柄本 あります。ゾンビものだと『ショーン・オブ・ザ・デッド』にハマってまして。あとジョージ・A・ロメロ監督の作品は観てます。それ以外だと、『28日後…』も面白いですよね。あの辺りの時代からゾンビが走り出しますしね。『ゾンビランド』なんかも良かったですね。

――今回ドラマに出演されて、ゾンビの造形をご覧になった感想はいかがでしょうか?

柄本 いやー、びっくりしました。すごかったですよ。50〜60体のゾンビがわーっと出てきた時に、「これは大変だぞ」と思いました。

――現場の雰囲気はどうでしたか?

柄本 すごく明るい現場で良かったですね。特に、特機部(※大型クレーンなど、撮影用の特殊な機械を扱う部隊)のガテン系な感じが格好良くて。チームワークもいいし仕事も早いし。

――竹内涼真さんの印象について教えてください。

柄本 以前にもCMで共演したことがあって、もともと好青年な印象ではあったんですけど、今回とても優しい方なんだなと改めて感じました。現場のこともよく考えていて、しっかりされていました。

――レイナ役の泉里香さんの印象についてはいかがでしょう?

柄本 共演するのは初めてだったので、泉さんは佇まいとかも含めて大人な雰囲気を持っている方なんだろうなと勝手に思っていたんですけど、イメージ通りでしたね。仕事に対してもすごく真摯に向き合っていらっしゃる印象を受けました。

――ドラマの放送に先がけて、見どころや注目してほしいポイントがあれば、ぜひ教えてください。

柄本 まず作品全体について言うと、“勧善懲悪ではない世界”を描いているっていうのが、この作品の面白いところだと思います。あと、僕が出演したスペシャルドラマで言うと、今までとてもシリアスなお話が多かったと思うんですが、その中に最弱のハンター・エースという、少しコメディータッチの存在が入ることによって、気軽に観ていただける作品になったのではないでしょうか。