火の中、水の中で体を張るゴーレムは、やっぱりすごかった
――「君と世界が終わる日に」は2021年にSeason1がスタートしてから長い間、人気を博しているドラマですが、泉さんはどんなイメージを抱いていましたか?
泉里香(以下、泉) 「海外作品のような壮大なゾンビドラマ」というイメージを持っていました。私も、3シリーズに渡り多くの人に愛されるこの作品のファンだったので、現場に入った時は「こういうところで撮影してるんだ」と感心しながら撮影を楽しんでいました。
――ゾンビ作品はよく観られますか?
泉 実は、怖いものやホラーものは苦手で、ゾンビも苦手です(笑)。けど、「きみセカ」(※「君と世界が終わる日に」の略称)は、日本で作ったゾンビドラマということで興味があったので観ていました。ただグロいシーンも多くて、目を覆ってしまうことも多かったですが、ストーリーの軸になるヒューマンドラマを楽しく観ていました。
――現場で実際のゴーレムを見て、どう思いましたか?
泉 初めて見たのは、ゴーレムがたくさん出るシーンでした。私がメイクルームに入った時には、もうすでに何体ものゴーレムがスタンバイされていたんです。ゴーレムの皆さんから「おはようございます!」と礼儀正しく声をかけられて一気に目が覚めました(笑)。衝撃的な出会いでしたね。皆さん、特殊メイクをされていて、血とかもついていて、すごくリアルで怖かったです。その状態で、お弁当を食べたり、携帯をいじったり、日常的に過ごしていらっしゃるのがシュールでした(笑)。
――ゾンビメイクには時間がかかりそうですね。
泉 特殊メイクなので、2~3時間近くかかるそうです。朝の入り時間がすごく早いみたいでゴーレムの皆さんたちは過酷だったと思います。
――泉さんは、ゴーレムに襲われているところを竹内涼真さん演じる主人公の響たちに助けられた生存者、レイナを演じていらっしゃいます。役作りにおいて意識したことはありますか?
泉 「この現実世界が、『きみセカ』のような世界になってしまったら、私は家族のためにどういう行動を取れるだろうか」と、自分自身をレイナに重ねて、想像しながら役を演じるようにしていました。
――ゴーレムハンターのエースを演じられた柄本(時生)さんの印象を教えてください。
泉 脚本上のエースも素敵ですが、柄本さんが演じたエースはそれ以上にカッコよかったです。芝居を受ける私自身も気持ちが盛り上がりました。初対面の柄本さんは、無口な方をイメージしていましたが、たくさん話しかけてくださって、とても気さくな方で、空き時間にお弁当を一緒に食べたりして、リラックスして楽しい時間が過ごせました。
――竹内さんの印象はいかがですか?
泉 主人公・響の衣装をまとった竹内さんにお会いした時に「うわ、本物だ!」と感激して、武器も少し触らせてもらいました(笑)。とても明るい方で、現場を盛り上げてくださったおかげで、新参者で緊張していた私も、気後れせずにスタッフの皆さんとコミュニケーションをとることができました。
――現場はとてもいい雰囲気だったのですね。
泉 緊張していたのですが、新しい私が入っても温かく迎えてくださる、最高の現場でした。
――印象的なシーンを教えてください。
泉 「きみセカ」といえばゴーレムですが、ゴーレムの皆さんの動きが印象的でした。撮影が始まると、投げられたり、真冬なのにプールに浸かったり、体を張っていらっしゃって感心しました。
――毎回、ゴーレムは動きが素晴らしいですよね。
泉 アクション部の方たちが演じているので、めちゃくちゃ俊敏で、まさにリアルゴーレムでした。
――スペシャルドラマは目を覆わずに観ることができそうですか?
泉 スペシャルドラマは地上波で放送するので、怖いシーンもソフトになっているようです(笑)。私みたいにゾンビドラマが苦手な方も楽しんでいただけると思います。
――改めてスペシャルドラマの見どころを教えてください。
泉 若者たちが集まるパリピのコミュニティを中心に物語が進みます。私が演じたレイナは、大切なものを守りながら一生懸命生きる、強くて面倒見がよい姉御のような存在ですが、エースと出会って変化する心の動きに注目してほしいです。もうひとつ、美術さんが作ったフェス感たっぷりのパリピの空間も見どころです。テントの中にDJブースがあったりするんですよ。