ソロの自分に慣れなくて、初ステージでソワソワ
――アーティストデビューが決まった時のお気持ちを教えてください。
前田佳織里(以下、前田) 事務所の人たちが考えてくれたサプライズ企画で、ソロデビューが決まったことを知りました。「やったー!」と思ったのと同時に、みんなが喜んでくれている姿を見て喜びが倍増しました。高校時代にガールズバンドで、ボーカルをしていたこともあり、歌いたいという気持ちはずっと持ち続けていたと思います。
――収録されている4曲は多彩な表現力を駆使しているなと感じました。歌い方はどのように意識されましたか?
前田 本番のレコーディング前に、楽曲のキーやテンポを決める事前準備を行ったのですが、その際に言われたアドバイスを噛み砕くようにしました。そのために、ボイストレーニング(※以下、ボイトレ)にも通い始めました。
――ボイトレで新たな発見はありましたか?
前田 具体的に分かりやすく教えてくださる先生で、「なるほど」と思うことがたくさんありました。たとえば、音楽業界で使われている「グルーヴ感」という言葉も、私は意味がよく分からなかったので、どんな意味を持つのか解説していただき、体の動かし方も教えてもらいました。声の仕組みや喉の使い方、さらに発声のための姿勢について学べたのも大きいです。私は猫背気味なので、身体の歪みも整えてもらっています。ボイトレに行くたびに少しずつ変化を感じられているので、「これから本格的にトレーニングを始めたらどれだけ変わるんだろう」と私自身も楽しみです。
――変化を感じられるのは面白いですね。
前田 本当によかったと思っています。
――キャラクターソングを歌っている時と比べて、歌への向き合い方は違いましたか?
前田 どちらも思いを伝えるというところは同じですが、キャラクターソングの場合は役になりきることが大事なので、自分が自分じゃなくなるような感覚があります。先日、FM FUKUOKAあにぺろの公開録音「新春CANAL FES」で、アーティストとして初めて人前で歌ったのですが、むきだしの自分に慣れなくてソワソワしてしまいました(笑)。キャラクターソングを歌う時はキャラクターがそばにいてくれる感覚があるけれど、1人になるのはガールズバンド以来で不思議な感じでした。
――周囲の人やファンの方からはどんな反応がありましたか?
前田 「こんなに力強い声だと思わなかった」と、前向きな意見をたくさんいただきました。声優の時は、かわいい声のキャラクターを演じることが多かったので、余計にそう思われたのかもしれません。スタッフさんには「エッジが効いている声で、突き抜けるような力強さがいいね」と言われました。