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赤井英和のリアル実家をロケに使用

作品の舞台は大阪の新世界や西成。強烈な個性や人情が交錯する痛快アクション作品だ。若い頃にヤクザの組を潰して回った「勝吉」と、その弟分の「コオロギ」。この2人が再びタッグを組み、ひょんなことから知り合った少年を悪徳宗教団体から救い出していく。

赤井さんとW主演を務めるとともに監督・脚本も担当した上西雄大さんは「関西人の僕にとって赤井さんは憧れの存在。努力していれば報われることを実感しています」と感無量の面持ちで、「赤井さんの人間的な魅力を真ん中に置いて、昭和の匂いを感じさせる作品を意識して撮りました」と作品の魅力をアピールしていた。

▲赤井英和さんと上西雄大さん

一方、共演した古川藍さんは「ボクシングをするシーンがあるのですが、赤井さんから直々にフォームを教えてもらったのがうれしかったです」と“浪速のロッキー”から熱血指導を受けていたことを告白。赤井さんも「ちゃんと手取り足取り教えてね。いや、ボクシングだから足は取らんでいいわ」と豪快に笑う。

撮影では飛田新地にある赤井さんのリアルな実家も使用された。もともと遊郭だった店を改造して、漬物屋の店にしたのだという。「隣も向かいも商売をやっていた。人情味溢れる街です。主演映画は15年ぶりですが、実家をロケに使ったのはデビュー作の『どついたるねん』以来30年ぶり以上」と赤井さん。

徳竹未夏さんは「玄関を開けたら、赤井さんの大きな写真があった」と興奮冷めやらぬ様子で語り、古川さんも「まさか赤井さんの実家で撮影させてもらえるなんて……。たくさんのポスターやトロフィーがあったので、その様子を写真に撮らせていただきました」と特別なシチュエーションだったことを振り返った。

また赤井さんの妻でマネージャーも務める赤井佳子さんのツイッターが話題になっていることを司会者が口にすると、上西監督は「この作品で赤井さんはNGゼロ。だからプロ中のプロという印象なのですが……ずっとダジャレは言っていました」と舞台裏での赤井さんのひょうきんな一面を報告。徳竹さんも「すごく愛らしくて。ダジャレでみんなが和んでいました」と続けた。これを受けた赤井さんは「ダジャレは手数が勝負です!数撃ちゃ当たる!」と秘訣(!?)を熱弁して、参加者を爆笑させる。

新型コロナウイルスの影響で昨年の公開予定が延期となっていた『ねばぎば 新世界』。コロナで落ち込んだ人に対して「ネバー・ギブアップ!」と鼓舞するような力強い作品に仕上がっていることは間違いない。

“赤井英和の嫁”が語るツイッターと夫の関係

▲”赤井英和の嫁”こと赤井佳子さん

赤井さんが無防備にソファで寝ている様子などを撮影し、公開されるたびに大反響を呼んでいる赤井佳子さんのツイッター。動画や写真に添えられた淡々としたトーンの“名解説”も人気の理由となっている。そんな佳子さんから見た「普段の赤井さんとスクリーンでの姿の違い」とは?赤井さんとの結婚はどういう経緯で?なぜツイッターで赤井さんのことを発信しようと考えたのか?気になることをストレートにぶつけてみた。

──赤井さんが主演を務めた映画『ねばぎば 新世界』ですが、観た率直な感想からお聞かせください。

佳子 赤井と出会った頃の大阪を思い出しました。もともと私は東北出身なので、初めて訪れた西成や新世界の光景はすごくインパクトがあったんですね。知らない人も平気で話しかけてくるし、常に街中がガチャガチャしている。まるで外国に来たみたいなイメージでした。でも、当時は私も本当にいろんなことが重なっていて、赤井と知り合ったことで、押しかけ女房みたいに大阪に住むことになって。

──そんな馴れ初めがあったんですね。そもそもお2人はどういう経緯で出会ったんですか?

佳子 私が26歳くらいのときでした。最初は別にちゃんとつき合っていたわけではないんです。きっかけとなったのは、何人かで話していたときに赤井が「俺、親と一緒に住まれへんかったんや」ってポツリとつぶやいたこと。赤井にとって私は2回目の結婚相手にあたるんですけど、前の結婚のとき、ご両親と同居できなかったことが心残りだったらしいんですね。それを聞いていたら、なんだかいたたまれなくなりまして。「そうか。だったら私がこの人と結婚して、お父さんとお母さんも喜ばせてあげよう」と勝手に決めちゃったんです。今思えば完全に余計なお世話でしたが(笑)。

──普段は一緒に生活している関係ですが、役者としての赤井さんをどう見ているんですか?

佳子 正直、すごく不器用なタイプだと思います。台詞が全然覚えられなかったり、何度も何度もNGを出し、赤井のせいで撮影が止まってしまったり。周りのスタッフさんにも迷惑をかけっぱなしだから、私も「かずくん、しっかりしてよ~」とハラハラしっぱなしなんです。だけど蓋を開けてみると、作品の中ではすごく輝いているんですよね。これが本当に不思議で。撮影現場では足を引っ張ってばかりいるけど、結果オーライということに最後はなるから、私はまったく口を挟まないようにしています。

──監督やプロデューサーにしても、赤井さんならではの魅力があるからこそオファーするわけですね。

佳子 世の中的には豪傑なイメージがあるかもだけど、実際の赤井というのはとにかく腰が低いんですよね。現場に遅刻しないのは当然だとして、いろんな方に丁寧に挨拶しているし、仕事の文句を口にすることもない。そして何度もNGを出すたびに「申し訳ございません!」と超大声で謝るんです。そういう様子を見ていると、スタッフさんも「しょうがないな」と感じながら最後までつき合ってくれるんですよね。

──結局は仕事に対して真面目な姿勢が評価されるということかもしれません。

佳子 すごく真面目なのは間違いないです。本当に必死ですから。家でも朝4時とかから台本を読んでいるし、寝ていても「あそこ、どうなっていたっけ?」と起きだして台本を確認し始めたり。「次は大作だし気合を入れなきゃ」とか「この作品の監督は有名だから下手な真似はできない」とか計算は一切せず、毎回、目の前にある役を必死でこなすだけ。愚直と言ってもいいかもしれません。

──赤井さんのコミカルな日常をレポートする佳子さんのツイッターが大きな話題になっています。映画やテレビでの赤井さんしか知らなかった人が衝撃を受けています。

佳子 赤井って自分を客観視するのが苦手な人なんです。たとえばテレビ局での打ち合わせ中に「最近、何か変わったエピソードはありませんでした?」と尋ねられても、「いや、特にないです」みたいに答えている。私からすると、赤井の身の回りには面白い出来事がたくさん転がっているんですが、ツイッターで話題になっていても、なぜ自分がウケているのか意味がわかっていないんです。私としては、そういう赤井の魅力を一般の方にもわかるように伝えていけたらと思っています。もっとも最初は単に赤井の行動に腹が立ってツイートしていただけでしたが(笑)。

──赤井さん自身のSNSリテラシーはどの程度なんですか?

佳子 一応、スマートフォンは持っていて、LINEはできます。あとYouTubeの存在は知っています。それからどういうわけか、Siriという機能があることも知っているみたいです。この前、ギョッとしたのはテレビにYouTubeの画面を映しつつ、リモコンに向かって「赤井英和の嫁」と囁く姿を目撃しちゃったんです。おそらく本人的にはSiriに頼んで私のツイッターを見せてもらおうとしていたんでしょうね。細かい点がいろいろ残念でしたが(笑)。

──しかし、ここまでツイッターがバズるとは佳子さんも予想していなかったのでは?

佳子 まったく想像していなかったです。本当は最初、鳥の鳴き声を撮影してツイッターに載せようとしたんですけど、「隣の家が映っちゃうから、それはマズいよ」と子どもたちからダメ出しをされました。だったら花の様子を撮影しようかと思ったら、「走っている人が入るかもしれない」と再びNGに。そう考えると、赤井というのはコンテンツ的に許可がいらないから便利なんですよね。少なくとも鳥や花よりも撮影しやすかった(笑)。

──しかし30年以上前に公開された赤井さんの自伝映画『どついたるねん』や現役ボクサー時代を知らない若者は、佳子さんのツイッターで初めて存在を知ったというケースも多いのではないでしょうか?

佳子 そうそう、驚くほど若い方たちからのリアクションが大きいんです。「なんだか可愛い」とか「うちのおじいちゃんも孫の手を使っていた」とか「ボクサーだったなんて知らなかった」とか。この『W online』さんも若い方たちが大勢読むそうですが、今回の映画『ねばぎば 新世界』を観たらすごく新鮮に感じると思うんですよ。昭和の大阪が醸し出していた空気感が色濃く映されていますから。今、一周回ってアナログのレコードやカセットテープが若い方たちから人気になっているじゃないですか。人情味溢れる古き良き世界を楽しんでいただけたらと思います。

Information

『ねばぎば 新世界』
7月10日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開

[CAST]
赤井英和 上西雄大 田中要次 菅田俊 有森也実 小沢仁志 西岡德馬
坂田聡 徳竹未夏 古川藍 金子昇 神戸浩 長原成樹 リー村山 堀田眞三 伴大介 谷しげる 剣持直明 
國本鍾建 上山勝也 柴山勝也 草刈健太郎
[STAFF]
●監督・脚本・プロデューサー:上西雄大 ●撮影:前田智広、川路哲也、下元哲 ●照明:小山田勝治 ●録音:廣木邦人 ●音楽:ナ・スンチョル ●編集:目見田健 ナ・スンチョル ●制作:徳竹未夏、中村秀哉 ●助監督:山中太郎、上林大地 ●題字:小林良二 ●アクション監修:リー村山 ●ヘアメイク:山畑里奈、南原彩 ●衣装:中谷昌代、西川莉子
●主題歌:吉村ビソー「comme ca de大阪」 ●制作:10ANTS ●配給:10ANTS 渋谷プロダクション
2020/JAPAN/Stereo/DCP/108min

舞台は大阪新世界。かつてヤクザの組を潰して廻っていた村上勝太郎(通称・勝吉=赤井英和)は、自身のボクシングジムを営んでいたが、練習生がジムで覚醒剤取り引きをし逮捕されたことでジムを畳む。その後、元犯罪者の更生プロジェクトを運営している幼馴染み・沢村源蔵の経営する串カツ屋で働き出す。ある日、勝吉は刑務所の慰問に誘われて訪れた刑務所で、かつて、共にヤクザを潰して廻った弟分・神木雄司(通称・コオロギ=上西雄大)と再会する。コオロギは悪い女に引っかかり、覚醒剤所持で服役していたが、間もなく沢村の協力で出所し、勝吉と共に串カツ屋で働き出す。勝吉はある日、少年・徳永武が逃げ出した宗教団体に捕まるところに居合わせ、武を助けるが、武は洗脳されており、また、母親が入信し、父親と別れさせられたショックから、口がきけなくなっていた。失読症で文字が読めないコオロギは、筆談で会話をしようとする武が書く文字が読めず、悔しい思いをする。また、その宗教団体には、かつて勝吉にボクシングと”Never give up(ねばぎば)”という言葉を教えた恩師・須賀田元(西岡德馬)の娘・琴音(有森也実)も入信していた。武と恩師の娘を助ける為、見返りを求めない人情の男・勝吉とコオロギは再びコンビで立ち上がる。

公式サイト

赤井佳子(あかい・よしこ)
青森県八戸市出身、血液型O型、赤井英和の嫁。

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Photographer:Toshimasa Takeda,Interviewer:Mamoru Onoda