ナポレオンに扮した自分の写真を見て「誰!?」

――濱さんは『ナポレオンと私』で、ゲームアプリから飛び出してきたキャラクター・ナポレオンを演じました。

濱 新型コロナの影響で撮影が延びてしまったんですけど、まずは公開を迎えられてうれしいです。ナポレオンという役は役者をしていてもなかなか演じる機会のないような役ですし、それこそ最初の衣装合わせより前の、衣装作りの段階から参加させてもらったので、単純に楽しかったですね。主人公・春子役の武田(梨奈)さんとの演技を通して生まれてくるものも多かったし、得られるものも多かったなと思います。

――ナポレオンはゲームアプリのキャラクターなので、やはりそれを参考にしながら役作りをされたんですよね?

濱 はい。ナポレオンがどんな人物なのかを掴むために実際にアプリをやってみたり。ただ最初は「現場に入ってみないと(※どう演じていいか)分からないな」という部分も大きかったです。原作のファンの方もいらっしゃるので、不安もありました。

――実際に撮影現場で役柄を掴んでいった、と。

濱 ナポレオンの雰囲気や所作、特に声は意識しながら演じました。そして、物語が進むにつれてナポレオンが徐々に人間っぽくなっていくんですけど、その加減もまた難しくて。人間味が出過ぎると頃安(祐良)監督に「ちょっとやり過ぎ。“濱”が出てる」って言われたり(笑)。そういう話をしながら現場でナポレオンを作っていった感じです。

――ナポレオンと濱さん自身は似ていますか?

濱 真逆とまではいかないけれど、違う部分のほうが多いと思います。「人に対してここまで尽くせるなんて、すごい」とナポレオンを見て思ったし、あと頭ポンポンとかも日常ではしたことがないし(笑)。ただ、ナポレオンは物語の中では1人だけ異質な存在でありながら、春子に対して言っていることは現実的で単純なんです。その点は、僕もリアリストな面があるので共感できるなと思いました。

――共演された武田梨奈さんの印象は?

濱 神様・仏様のような方です!いつも気を使ってくださるし、話し掛けてくださるし、現場の空気も明るくしてくれて。『ナポレオンと私』では悩む春子をナポレオンが手助けする構図ですけど、現場では逆というか、武田さんに引っ張っていただいた感じです。

――武田さんに濱さんの印象を伺ったところ、「最初はクール。でも撮影の現場に入るとすごくチャーミング」とおっしゃっていました。

濱 人見知りなので最初は話し掛けられなくて(笑)。ナポレオンと春子の関係性を考えて、最初から仲良くなり過ぎても良くないのかなとも思ったんですけど。ナポレオンと春子の最初のシーンと最後のシーンはそれぞれ最初と最後に撮ったので、武田さんと僕が撮影を通して打ち解けていった感じが映像にも出ていたらいいなと思います。ちなみに、物語中盤のナポレオンと春子が一緒に居酒屋に行ったりコンビニに行くシーンは完全にアドリブで。あれは相手が武田さんだったからこそ出せた空気感だったなと思っています。

――ちなみに、ナポレオンに扮した自分の姿を写真や映像で見て、どう感じましたか?

濱 「誰?」と(笑)。衣装作りから携わったので撮影中はナポレオンの姿に慣れていたんですけど、撮影が終わりしばらく経って、出来上がった映画のポスターを見たら「いや、誰なんだ」って思いました。友達にも言われたんですよ。(※ビジュアルが)解禁された後、友達に「で、どの役で出てるの?」と聞かれて、「ナポレオンだよ」と言ったら「えっ! これ!?」って(笑)。

――濱さんとしては、ナポレオンに扮した自分の姿は気に入っていますか?

濱 はい。撮影を通して愛着も湧いたしナポレオン自体を好きになったので、ナポレオンの姿の自分も気に入っています。

――では『ナポレオンと私』の見どころを聞かせてください。

濱 世の中には明るい映画っていろいろありますけど、その中でも『ナポレオンと私』はストレートな作品だと思います。考えさせられる映画というよりは、単純に明日一歩を踏み出せそうな前向きな気持ちになれる映画かな、と。きっと『ナポレオンと私』の“私”(春子)に共感してくれる人も多いと思いますし、あとはナポレオンを含め登場人物のキャラがみんな濃いので(笑)、ぜひご覧いただいて純粋に楽しんでもらえたらうれしいです。