原作に寄せながらも自分なりのヒロインを作っていった

中学時代に〝石〟と呼ばれていた自分を変えるため、自由な高校に入学した石森羽花。そこで出会ったのはレモン色の髪をした三浦界。実は彼こそが、その高校を選んだ理由だった。クールで自由奔放、基本塩対応なのに人気者の界。彼はなぜか自分を〝石森係〟と呼び、羽花の世話を焼いてくれるように。距離が近づいた二人は想いを伝え合い、幸せな毎日を送っていたが、実は界には羽花に伝えられていない秘密があった……。
そんな『ハニーレモンソーダ』で羽花を演じた吉川愛さんは、どういう気持ちで撮影に臨んだのだろうか。

――『ハニーレモンソーダ』で吉川愛さんが演じる「石森羽花」はどんな女の子でしょうか?

吉川 中学時代はいじめられていて、〝石〟というあだ名をつけられたために、ずっと自分を石だと思い込んでしまっている内気な女の子です。でも高校に入る前に、レモン色の髪をした界君に出会って、彼の通う高校を選びます。

――それまで内気だった女の子が、積極的な行動を取るんですね。

吉川 そうです。界君はクールで自由奔放なんですが、みんなの人気者で、羽花ちゃんとも仲良くなります。それをきっかけに初めてちゃんとした友達ができたり、恋愛したりと、いろいろな経験をしていくことによって、どんどん羽花ちゃんが変化していく物語です。

――羽花の変化を表現するために、どんな役作りを意識しましたか?

吉川 メイク、ヘアスタイル、制服など、見た目でも分かりやすく変わりますが、自分を石と思わなくなったり、いじめられた過去を忘れていったり、羽花ちゃんの中にある感情が少しずつ変わっていくのが伝わるように意識しました。

――吉川さん自身、羽花に共通する部分はありますか?

吉川 それが全くなくて(笑)。私とは正反対のキャラクターです。仲の良い友達も私のようなタイプが多いので、どちらかというと界君が仲の良い女友達に似ているかなと思います。原作のコミックと台本を読み込んで、羽花ちゃんのイメージを掴んでいきました。

――コミックのキャラクターを演じるのは、原作のイメージもあるので難しいのではないでしょうか。

吉川 そうですね。私自身、アニメが大好きなので、実写化する難しさはよく分かります。原作のファンの方もいらっしゃいますし、どこまで寄せていくかを監督やプロデューサーさんとお話ししました。もちろん羽花ちゃんに寄せるだけで、私らしさも出さないのは、実写化の意味がありません。そのバランスを考えながら自分なりの羽花ちゃんをつくっていきました。