前作のことを気にせずに新しい作品として臨んだ

――今回、鈴鹿さんが主演した映画『星空のむこうの国』は、小中和哉監督のセルフリメイク作品ですが、オリジナルの1986年版はご覧になられましたか?

鈴鹿 撮影前に拝見させていただきました。

――リメイク作品は前作と比較されることも多いですが、プレッシャーはありましたでしょうか?

鈴鹿 小中監督とお話しさせていただいたときに、「リメイクではあるけど時代も変わっているし、前作のことを気にせずに、鈴鹿君の昭雄としてやりましょう」と言ってくださったので、新しい作品として撮影に臨むことができました。ただ本読みや衣装合わせのときに、前作でヒロインを演じた有森也実さんや小中監督から当時のお話を聞いて、作品に対する愛情がひしひしと伝わってきました。

――本作は現実の世界と、別の世界を行き交うパラレルワールドを描いた複雑な構成ですが、脚本を読んでどんな印象を受けましたか?

鈴鹿 「地球と地球が混ざり合って」とかスケールが大きくて、説明するのが難しいことが台本に描かれていたので、どんな撮り方をするんだろうと不思議な気持ちでした。その印象はクランクインしてからも変わらずで、どういう画になるのか楽しみな気持ちで撮影をしていました。

――撮影は順撮りだったんですか?

鈴鹿 ほぼ映画の流れに沿って撮影しました。順撮りではないシーンや、場面ごとの細かいところは、小中監督から「このシーンの前にこういうことがあって、昭雄がこういう行動をして、前のシーンの気持ちはこうだから」みたいな感じで設定の説明があったので、シーンの繋がりは理解しやすかったです。

――同じ昭雄というキャラクターを演じるとはいえ、二つの世界を行き交うということで、演じ分ける意識はあったのでしょうか?

鈴鹿 どちらの世界でも置かれている環境は変わらないのですが、人との関わり方が違ってきます。演じ分けるというよりも、こっちの世界の昭雄はどういう人間に育ったんだろうとか背景を考えて演じました。

――共演者は同世代の方が多いですが、撮影現場はどんな雰囲気でしたか?

鈴鹿 共演者とは仲良くさせていただいて、佐藤友祐(lol)君とはゲームの趣味が一緒で、撮影期間が終わってからも同じゲームをやっていました。秋田汐梨さんは『Seventeen』の専属モデルをやられていて、僕が『MEN’S NON-NO』の専属モデルをやっているので、モデルの話題などで盛り上がりました。

――坂道を自転車で全力疾走したり、走ってくる車の前に飛び出したりとアクションシーンもありました。

鈴鹿 スタントの方もいらっしゃいましたが、自転車を漕ぐシーンなどは自分でやることも多かったので、かなりギリギリのシーンもありました。カメラレンズのピントを合わせるタイミングなどもあるので、そこを気にしながらやるのは大変でした。自転車で追いかけるシーンは、長い距離を走っていて体力勝負でした。

―様々なシーンでCGが効果的に使われていますが、撮影したときの印象と、完成した作品を見たときの印象はいかがでしたか?

鈴鹿 映像で見るからこそ分かる温度があって、色味とかも撮影中に僕が見ているものとは違いました。撮影は11月半ばで寒い季節でしたが、仕上がった作品からは温かみを感じました。モノクロのシーンもあるのですが、モノクロで撮るのは初めての経験だったので仕上がりが楽しみでした。実際に作品を見た時には、とても美しいなと感じました。

――『ドラゴン桜』(TBS)にも出演されていましたが、映画とドラマで撮影に臨む意識に違いはありますか?

鈴鹿 演技面では特に変わらないです。ドラマはスピード感と言いますか、撮影してから世の中に出るまでの期間が短くて、すぐに見られるのが自分的に楽しいです。見てくださる方の母数も多くて、たくさんの人に届けられているという実感があります。映画はじっくり撮影をして、撮り終わってから公開するまで、こういう取材があったり、舞台挨拶があったり。さらに1か月とか長期にわたって映画館で公開されて、息の長いものだなと感じます。それぞれ異なるやりがいがあります。

―― 本作は高校が舞台ですが、高校生に向けて映画の見どころを教えてください。

鈴鹿 ファンタジーの物語で、自分の生きている世界では起こり得ないことが繰り広げられます。映画だからこそできる世界を堪能してほしいと思います。一方でラブストーリーでもあり、好きな人と過ごす時間の大切さも描かれているので、SF映画と構えずに楽しんでほしいです。