僕たちにとってさらなるステップアップのチャンス
――待望のメジャー1stシングル『雨が始まりの合図/SUMMER様様』がリリースされました。「雨が始まりの合図」はもともと昨年7月の安井さんの誕生日にメンバーのみなさんから送られた楽曲ということですが、この楽曲を選んだ理由を教えてください。
安井 そもそもこの時期にシングルをリリースすることだけが確定していて、曲を何にするかまでは決まってなかったんですけど、今年1月の武道館ライブで初めてお客さんの前で「雨が始まりの合図」を披露させていただいたときに、みなさんからたくさんの感想をいただいたんです。曲自体も発売時期にマッチするということもあり、そういった自然な流れで決まっていきました。
――レコーディングするにあたって、難しかったところはありますか?
長妻 僕のパートでストリングスのみになる部分があるんですけど、テンポを合わせるのが難しかったですね。BPMも早い曲なので、雰囲気に任せて歌うとテンポが遅れてしまいそうになるんです。
安井 この曲はいい意味でみんなのパートが分かれていて、声質が変化するから退屈しないんです。だからこそ、その退屈しないニュアンスをつけるのが難しかったかなと思います。あとは言葉が詰まっている曲なので、一音一音を丁寧に歌うことを意識しました。
――「雨が始まりの合図」のMVは7人の活動の軌跡を描いているような仕上がりです。監督の三石直和さんが各メンバーと直接対話して聞き出したエピソードを元に作り上げたとのことですが、撮影はいかがでしたか?
長妻 MVの中で僕は看板に絵を描いてるんですけど、それも僕自身が実際に一人旅をしたときに看板に絵を描いたことがあるからなんです。撮影自体もそういうフィクションとノンフィクションが入り混じったような、ドラマを撮ってるような感覚でしたね。そんなドラマ、撮ったことないんですけど(笑)。
安井 撮影期間は2日間と長い時間を取っていたんです。一つのシーンごとに映画を撮るみたいにカットをいろいろ切り替えて撮影を進めていったので、映像素材はかなりあったんじゃないかな。結果的に完成したMVはいい意味で使われている絵がかなり厳選されていたんですけど、おそらく三石さんから見て一番いいものを印象的にMVの中に落とし込んでくれたんだろうなと思いました。
長妻 三石さんは衣装に対しても場所や角度、表情についてもこだわりが強かったです。
安井 そもそもですけど、この「雨が始まりの合図」のMVも最初は僕らが出演しないという、まったく違う形で提案していたんです。分かりやすい直接的な表現は自分たちではあまりやろうとは思っていなかったから。でも三石さんから現在のMVの形を提案していただきました。三石さんがいなかったらこの映像はできなかったと思います。だからこそ、そこは三石さんの熱意に応えたいという気持ちになりました。
――三石さんの提案があったおかげで、これまでの自分たちとは違った表現やアプローチができたということでしょうか?
安井 コロムビアさんと組ませていただいたおかげだと思います。インディーズでやっていたら全部自分たちで決めてしまうので、ここまでのものはできなかったと思うから、すごくありがたいです。主観じゃない部分で7ORDERを見ていただいて、「こういうふうにした方がいいよ」って言っていただける人がいるのは、僕たちにとってさらなるステップアップのチャンスになるんじゃないかって、今回のMV撮影で改めて思いました。