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「誰かに向けてこういうことを伝えたい」という気持ちを前面に出した新曲

――7月5日に東京での初ライブを下北沢MOSAiCで行いましたが、いかがでしたか?

しおり 楽しかったです!

ミサ 初めてだったので、会場に着く前からずっと3人でそわそわしていたんですけど(笑)。思っていたよりもすごく楽しめたかなと思います。お客さんの眼差しも温かかったので、「そんなに緊張しなくていいんだ」って安心しました。

――声を出せない代わりに拳を挙げているお客さんもいらっしゃって、メンバーと一緒にライブを盛り上げていましたね。

ミサ 嬉しかったですね。私も最初は「おー!」って驚きました(笑)。

――ライブ前のSEでは、THE BLUE HEARTSの「情熱の薔薇」が流れましたが、あれは定番なんですか?

しおり 最初から変わってないよね?

ミサ 何の曲にしようか話し合ったときに、やっぱり気合が入るやつがいいってことになって。

深原 みんな知っているけど、最近の曲じゃないっていうのも視野に入れていて。それで決めましたね。

――3人のライブには欠かせない曲なんですね。東京でのライブに限らず、ステージに立つ上で心がけていることはなんでしょうか?

深原 やっぱりライブはその日しかない、やり直しがきかないものなので、ありきたりですけど、とにかく全力を出し切ろうと心がけています。

ミサ 私はいつもめっちゃ緊張するんですけど、「とにかく楽しむ」っていうことがずっと頭にあって。でも、浮かれすぎるとフワフワしちゃうから、緊張と楽しさのバランスには気を配っています。

しおり 最初のころのライブは緊張でカチコチだったんですけど、お客さんが楽しそうな顔で私たちを見てくださるから、私たちもそれに応えなきゃと思って。今は緊張を乗り越えて楽しむことを意識しています。

――今回の東京ライブに先立ち、4月から3カ月連続で新曲を配信しました。第1弾が「空白」、第2弾が「世界が終わるまで」、そして第3弾が「線香花火」という、どれも異なる個性が際立つ楽曲です。特に「空白」の歌詞はsnootyとして新たな世界観が表現されているように感じます。

深原 これまでは「自分に対する曲」というような感じだったんですけど、「空白」は今のご時勢を反映しているというか。自分のことじゃなくて、「誰かに向けてこういうことを伝えたい」ということを前面に出した曲になったと思います。サウンドはシンプルに、淡々としつつも重さのある音を意識して作りました。

――やはりコロナ禍での自粛などが楽曲制作に影響を与えているのでしょうか?

深原 大きかったですね。「空白」を作ったときは自殺などのニュースが多くて、どうして自分から命を投げ出したいと思ってしまうのか考えていたんです。そのとき、物理的な攻撃だけではなく、誰かから言われた一言で深く傷ついてしまうことがあったり、それがどんどん積み重なっていった結果、そうなってしまうのかなと思って。「空白」は「誰しも加害者になることがあるんだ」「あなたの一言で誰かが傷ついているかもしれない」っていうことを伝えたかったです。

MVで大勢の人にライブ演奏を見てもらえるのが嬉しかった

――楽曲制作についてお聞きしたいんですが、基本的には深原さんが歌詞とメロディを作り、その後にメンバーのみなさんとアレンジをしていく流れですか?

深原 そうです。もう私のやりたい放題やっちゃっていますね。

ミサ でも、私たちもそれがいいなと思っているので。明らかに「これはちょっと……」って思ったら言うけど、今のところはないです。

しおり 毎回いいよね。

ミサ 「できましたー!」って持ってきたら、「めっちゃいいー!」って。一番のファンなので(笑)。

深原 だからちょっと落ち込んでいるときも、そこで元気をもらってます。歌詞が書けたときは、すぐにメンバーと共有するんですけど、本当に書けないときはまったく音沙汰なしみたいな感じで(笑)。

――歌詞とメロディだと、どちらの方が先にできますか?

深原 メロディの方が先かもしれないです。普段生活しているときでも、「あ、このメロディはいい」ってなったら、ボイスメモに電話をするふりをして鼻歌を吹き込みます。それで家に帰ってから曲を作るときに歌詞を当てはめてみたり。

――『世界が終わるまで』は今までのMVにはないバンド演奏も織り交ぜた仕上がりとなっています。初めて見たときはどう思いましたか?

しおり 自分たちで言うのもあれやけど演奏シーンがかっこいい!

ミサ 普段とのギャップを見せたいなっていう思いはありました。

深原 やっぱりライブに行かないと演奏しているところは見られないので。そこを見ていただけるのが嬉しかったです。あとは軽トラに乗ったシーン。あそこは楽しかった。

大学で知り合った先輩後輩でバンド結成

――バンド結成までの経緯をお聞きしたいんですが、皆さんが音楽を始めたきっかけは?

深原 物心ついたころからです。私の父が昔から弾き語りみたいなことをしていて、家にもアコースティックギターがある環境で育ってきたのでギターに触れたのは早かったです。そのときから音楽に関わる仕事がしたいと思っていました。明確に歌手になりたいと思ったのはYUIさんがきっかけで。小学6年生くらいからアコースティックギターで弾き語りをして、高校に入ってからは軽音楽部でバンドを始めました。plentyやきのこ帝国とか好きなバンドに出会ったのもそのときです。

ミサ 私も似ているんですけど、父が音楽大好きでギターをやっていたり、音楽が身近にあるのが当たり前だったのでその影響は大きかったかなと思います。バンドに興味を持ったのは小学校の低学年のときにUVERworldを見てからです。当時はボーカルにすごく惹かれていて、私も高校のときは軽音部だったんですけど、実はギターとボーカルをやっていたんです。

――今の深原さんと同じだったんですね。

ミサ バンドを組むなら本当はボーカルが一番したかったんですけど、(深原と)大学のサークルで会って歌を聴いたときに「あ、もう無理だ」と思って。

深原 本当に?初めて聞いたよ。

ミサ 本当。大学に入って自分のパートを決めなきゃいけなかったんだけど、ぽたちゃんの歌とギターを聴いて、「別のものを探さなきゃ」ってなった。それでせっかくなら新しいことをやりたいなと思って、ベースを触ったのが大学1年生のときです。

――深原さんの歌の影響力がすごかったんですね。

ミサ 「私にはボーカルが合ってる!」って思っていたんですけど、そんなことはないなって。

深原 いやいや!じゃあ今度、ミサがボーカルの曲を作るよ(笑)。

しおり それは楽しみ(笑)。

ミサ そうなったらどきどきする(笑)。でも今はボーカルを支える立場もいいなと思って、ベースはすごく気に入っています。

――素敵なお話ですね。しおりさんはどうでしょうか?

しおり 私も両親が音楽をすごく好きで、しおりって名前も本名なんですけど、サザンオールスターズの『栞のテーマ』から取ってるんですよ。小学校のときに、母がSPEEDのライブに連れて行ってくれたんです。小さい私には爆音でよくわからなかったんですけど、盛り上がっていたのがすごく楽しくて。それからは学校から帰ったら音楽をずーっと聞いてるくらい音楽が好きで、部活もずっと音楽系の部活に入っていました。

――ドラムはいつから始めたんですか?

しおり 中学生のときにパーカッションをやっていました。ちゃんとドラムをやったのは高校生になってからです。高校は軽音楽部があるところを狙って行ったんですけど、そのときは本当はベースがやりたかった。でも、「パーカッションやってました!」って言ったら、やっぱり経験のある人が少なかったので私がドラムをやることになりました。

――3人は大学で出会われたわけですが、現在のスリーピースでのバンドの構想は深原さんからだったんですか?

深原 もともと私がスリーピースバンドが好きで、やってみたいという思いはありました。その当時、私は4人組バンドを組んでいたんですけど、活動が難しくなってしまって…。それでも私の中でバンドをやっていきたい気持ちは強くあったので、私の周りでベースとドラムができるこの2人に新しくバンドを組まないかと声を掛けました。

ミサ 弾き語りのライブを観に行ったり音源を聴いたりとか、普通にファンだったから。「好きな人とバンドができちゃうの…?」みたいな感じで大丈夫かなとは思っていました。私もバンドをやっていたんですけど、それもちょうど活動ができなくなっていて。そのタイミングでお互いに何かしたいねっていう話になったんです。

――その後、しおりさんも合流して今の形になられたわけですね。バンド名をsnootyにした理由はありますか?

深原 ゲーム実況を見るのが好きなのですが、ゲームの中にsnootyという名前のキャラクターが出てきたんです。言葉の響きが可愛いし、つい言いたくなるなと思って、意味を調べてみると、俗物とか横柄とか悪い意味も含まれた単語だったんですけど、その中に“うぬぼれた”っていう意味があったんです。三人とも控えめな性格の集まりなので、「バンドをやるからにはそういう気持ちもないとだめだ」と思って、バンド名だけでもオラオラ系でいこうと思ってつけました。

ライブを楽しめるようになったことが一番の成長

――現在の活動拠点は地元・福岡が中心ですが、同世代も含めてたくさんのバンドがいると思います。そうした中で他にはない、自分たちの強みは何だと思いますか?

深原 大きい音にこだわっていることだと思います。3人で5人分くらいの音を出したいっていう気持ちがあります。

ミサ メンバーを増やすとか、バックで流すとか、そういうことをせずに、音が足りないなら「どうやって出すか」を考える。自分がどうすれば、大きくなるかとか、楽曲がより膨らむかなとか。そこはこだわっているところです。

――しおりさんも小柄ながら、ものすごくパワフルにドラムを叩かれています。

深原 最初は「お利巧さんなドラム」って言われてたのに、だんだん「一番カッコイイ!」って周りから言われるようになったのがしおりさんです。ちょっと悔しくて、バンド内でもライバル視してます(笑)。

しおり やっぱり楽しまなきゃとか、大きい音を出したいっていう気持ちが強くなっていって、いつのまにか出せるようになりました。

――バンドとして今年で4年目に入り、連続配信リリースや初東京ライブなど能動的に活動を展開されています。結成当初から比べて成長したと感じることはありますか?

深原 私はずっと弾き語りをやっていたからか、最初はソロがまったく弾けなかったんです。それが思う存分に弾けるようになったのはすごく成長したところかな。まだまだ理想には到達していないですけど、胸を張ってギターを弾けるようになったと感じます。

――ミサさんはどうですか?

ミサ 心がけていることは楽しむことって言ったんですけど、そうやって楽しめるようになったことが一番の成長かなと思います。最初は人の前に立つとか、ベースを弾くっていうことにも慣れなさすぎて、ただ立って弾くだけの人だったんです。それが自分だけじゃなくて、周りの音を聴いたり、お客さんの表情を見たり、場の空気を感じることができるようになってきました。

深原 弾き方もね。

ミサ そう。「弾き方もカッコイイね」って言ってもらったことがあって。前のバンドでは直立不動系女子だったから、「ライブをしてる」っていう感じを出せるようになったのは成長ですね。じっとできなくて、動かないと弾けなくなっちゃいました。

しおり 私も2人と同じで、このバンドを組む前にちょっとだけバンドを組んでいたんですけど、そのときは楽しいよりも緊張の方が勝っていました。それがこのバンドに入って活動していくうちに、楽しい気持ちと私が好きな音楽をもっと知ってほしいという気持ちが大きくなっていったんです。その影響か、今では周りにも「叩き方が変わったね」と言ってもらえるようになったので、そういうふうに、ちゃんと感情を表に出せるようになったことが一番成長したことかなって思います。

――今後のさらなるご活躍も楽しみにしてます!

深原 グループとしても、これからはアニメの主題歌や映像作品のタイアップなどにも関わっていけたらと思っていますし、そのためにももっとたくさんの方に聴いていただけるよう頑張っていきます!

Information

3ヶ月連続配信リリース第3弾
「線香花火」
2021年6月30日(水)配信リリース
販売元:Happinet Media Marketing Co.
発売元:KURAMAE RECORDS

3 ヶ月連続配信リリースのラストを飾る「線香花火」は、3作品中最もアップテンポな楽曲ながら、切ない想い出が詰め込まれた歌詞は必聴。ライブでの披露も楽しみな 1 曲に仕上がった。

snooty

3ピースロックバンド

2018 年 3 月結成、Gt/Voの深原ぽた、Baのユトリミサ、 Drのしおりからなる福岡発の3ピースロックバンド。2020 年 11 月 25 日、ファーストミニアルバム『こぼれた』を配信リリース。ファースト・リリースにもかかわらずMV 曲「会いたい」が第一興商 DAM のいち推しアーティストに選出、地元福岡のラジオ局から今年 PUSH したい新人としてイベント出演のオファーを受けるなど、注目を集めている。また、国内のみならず海外の音楽リスナーも激増中。 MV の視聴数もグングン伸び続けている。2021 年 4 月 28 日、3 ヶ月連続配信リリース第1弾「空白」、5 月 29 日に第2弾「世界が終わるまで」をリリース。 日常で生まれる感情を、写真のように切り取ったソングライティングとストレートなバンドサウンド、優しくもエモーショナルなボーカルが混沌とした現実を描く。

Photographer:Toshimasa Takeda,Interviewer:Tetsu Takahashi