揺れるペンライトの光に泣きそうなほど感動
猛暑日だったツアー最終日。夕暮れどきで西日がまぶしくなり始めた頃、中野サンプラザ周辺には開演を待ちわびる女子ファンの姿が目立った。会場のキャパシティは、コロナ対策のため半数以下に。声の出せない環境であっても、ファンたちはコレサワのキャラクター“れ子ちゃん”が描かれたペンライトを精一杯振り、彼女のパフォーマンスに応えていた。
開演は定刻の18時。一瞬暗くなった場内に流れたのは、ピアノや鉄琴の音色が耳に残るオープニングSE。そこへ、ライブタイトルをつぶやくコレサワの声が重なると、ステージ中央からのスポットライトで光が戻る。
ギターのひぐちけいをはじめ、キーボード、ドラム、ベースのバンドメンバーに続いて登場したコレサワ。温かい拍手を受けながら披露した1曲目は、恋人に対しての一途な思いをつぶやく『あたしが死んでも』。客席では、ピンク・青・黄・緑・赤のペンライトの光が揺れ、曲中のフレーズ<あたしがそばにいなきゃ困るでしょ>のフレーズに合わせて彼女のアコースティックギターが泣く。
続く『最後の彼女になりたかった』では、コレサワが「手拍子ください」と客席へ。タイトルと同じフレーズを繰り返し切なく歌い上げ、終盤へ向かうにつれて歌声の音圧も高まる。曲が終わり、MCで「ペンライトきれいすぎてさ、泣きそうやってんけど」とつぶやいた彼女。『バスタイム』では、曲中で<このバスタイムで帳消し>と楽しげに歌い上げるコレサワにつられて、ファンたちの声が聞こえてくるかと思えるほどの一体感に包まれていた。
軽快なドラムのリズムから始まる『ミッドナイトをかけぬけて』では、バンドメンバーの紹介をはさみ音圧はさらに高まる。ミラーボールの光が会場の壁を照らした『彼氏はいません今夜だけ』。アルペジオのメロディと共に語りかけるように歌い始めた『右耳のピアス』では、ピアニカの切ない音色にファンたちは静かに耳を傾けていた。