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100万円の大赤字を計上したYouTube企画

――いまやお笑い芸人で公式YouTubeチャンネルをやっている方は珍しくないですが、さらばさんは早くから始めて、ほかにはない独自の企画が光ります。どういうきっかけでYouTubeを始めたのでしょうか?

森田 もともとは、事務所の家賃が払えるぐらいのお金になればいいなと始めて、最初は単独ライブのネタだけ上げていたんです。その流れで単独ライブツアーの幕間のVTR(※『相方のバイクを勝手に金ピカに塗ってみた』)を上げたら反響が良くて、撮りおろしの動画も撮り始めました。そしたら評判も良いし、僕たち自身も楽しいので、週1ぐらいのペースで上げるようになりました。

――森田さんが「五反田ガレージ」、東ブクロさんが「さらば青春の光東ブクロのゴルフ学校 ~芸能界No.1目指します~」と、それぞれサブチャンネルを持っていますが、メインチャンネルで動画を制作するにあたってこだわりを教えてください。

森田 俺、作家、ディレクター、マネージャーの4人で企画を考えているんですが、メインチャンネルはなんとなく自分が面白いと思う企画ができればええかなと思ってます。

――さらばさんのYouTubeは高校生にも人気ですが、ティーンを意識して動画制作することはありますか?

森田 全く意識して作ってないので、たまに「YouTube観てます!」って言ってくるティーンがいたら「観ないほうがいいよ」と言うようにしてます(笑)。

――これまで配信されてきた動画の中で手応えがあった作品や苦労した作品を教えてください。

森田 手応えがあった作品は「クソコメに負けるな!!花田優一イントロドン!!」です。いつもどの動画が伸びるかの予想ってはずれるんですが、この回は撮り終わった後、けっこういけるんちゃうかと思いました。苦労したのは「【GPS大追跡】新型風俗店『ザ・ゲリラ』完全実写化!!」です。ゲリラ嬢の手配や、普段YouTubeレベルでは絶対使えないような技術さんを呼んでモニタリングとかもしながらとにかくむちゃくちゃお金を費やして撮影しました。ところが内容的に18禁だし、広告つかないし、この動画だけで100万円ぐらいの大赤字になりました。ただ内容はめちゃくちゃ面白いので18歳になったら見てください。

――今年5月から新チャンネル「裏さらば」も開設しました。

森田 いろいろあってブクロが暇になったので、売上を出してくれと(笑)。大変ですけど、逞しく生きないと。

――どのぐらいの頻度で動画を上げていくんですか?

森田 「裏さらば」は週1です。メインチャンネルも週1なんですけど、あのクオリティーを週2週3で保つのは無理なので、「裏さらば」は緩くていいかなと。ブクロが出て、僕も出られるときは出るぐらいの感じでやっています。

――東ブクロさんは以前インタビューしたとき、YouTubeに消極的でしたよね。

東ブクロ そうだったんですけど、今はYouTubeに助けてもらっている感はあるんでね。ずっとテレビが好きでやってましたけど、生きる道ではあるのかなと思います。

――今後、実施していきたいYouTubeでの企画があれば教えてください。

森田 内容はほぼ言えないですが、自分たちも視聴者もワクワクできるような動画を今後も撮り続けたいです。

高校2年で留年するも担任への復讐心で卒業

――学生時代の話をお聞きしたいんですが、森田さんは高校生のときに留年されたとか?

森田 本当に勉強ができなくて、出席日数が足りてんのに留年しました。

――学校自体は楽しかったですか?

森田 めっちゃ楽しかったです。留年するまでは……。高校2年のときに留年したんですけど、俺以外にも20人ぐらい留年したんですよ。学校の偏差値的には中の中ぐらいだったんですけど、そういう中ぐらいの高校が一番留年するんですって。

――1人2人の留年だと恥ずかしいですけど20人もいると、まだ心強いですね。

森田 まあ、そのまま18人は辞めましたけどね、俺と一番仲良かった奴と、俺だけが学校に残ったんですよ。

――よく耐えられましたね!

森田 ちょっと復讐心もあったんです。留年したときの担任が、「俺の教師人生で、出席日数足りてて留年した奴は初めてや」「俺の顔に泥を塗りやがったな」って怒ってたんですよ。さらに「お前どうせ行くって言うても途中で辞めんねんから、それやったら今辞めろ」と言われたんです。それが悔しくて、絶対卒業しようと思ったんです。

――1歳下の後輩たちと残りの高校生活を過ごしたってことですよね。

森田 そうですね。絶妙な距離感、半敬語みたいな(笑)。

――そのとき、将来のことは考えてなかったんですか?

森田 全然考えてなかったですね。特にやりたい仕事もなかったです。

――東ブクロさんは、高校時代どんなタイプでしたか?

東ブクロ 僕は地元でイケてる奴が行く高校に通ってました。校則が緩くて、私服でOK、茶髪も金髪もOKみたいな。しかも学力的には学区の中で2番目なんですよ。学区で1番の学校も偏差値的には行けたんですけど、やっぱりイケてるとこに行きたいから、あえて下げて行って、茶髪デビューしました。

――見た目もチャラい方へとシフトしていったんですね。

東ブクロ ベタな高校デビューです。

森田 そんなとこ、高校デビューの集まりやろ!ガリ勉がいくところやねんから。

東ブクロ そこに行くためには勉強せなあかんのですけど、入ってしまうと遊ぶのが楽しくなって、みんな勉強せんようになるんですよ。

――不良はいなかったんですか?

東ブクロ いなかったですね。ある程度、常識があって、はっちゃけてる奴みたいなのが多いところやったから。森田みたいに留年する奴もおるし、僕もなんとかギリギリで単位を取れた、みたいな感じでしたね。

――完全に私服ですか?

東ブクロ 完全に私服です。野球部だけ制服に坊主でした。

――毎日私服というのも大変そうですね。

東ブクロ 大変でしたね。結局制服の方が楽やったなと思いました。ダサい奴は顕著に2軍3軍みたいな扱いを受けるから、服のことばっか考えてましたね。

――高校生だとそうそう服も買えないですよね?

東ブクロ だからイケてるやつから中古で買ったりしてました。そいつが着んようになった服を10着ぐらい持ってきて、個人フリマみたいに千円ぐらいで売るんですよ。それをサイズも合わへんのに買ってましたね。

――東ブクロさんは高校入学の時点で、大学進学は考えていたんですか?

東ブクロ 中学2年くらいからお笑いはやりたいと思ってたんですけど、親も大学までは行けってことだったので、一応大学は受けようって感じでしたね。

衣装協力

森田さん
ジャケット ¥19,800円~(参考価格)/FABRIC TOKYO
他/スタイリスト私物

東ブクロさん
パンツ ¥12,100円/NOLLEYS
他/スタイリスト私物

FABRIC TOKYO
03-6277-5536
渋谷区千駄ヶ谷5-23-13南新宿星野ビル6階
(全て税込)

高校の文化祭でやった漫才がウケて大学でお笑いサークルに所属

――お笑いをやりたいと思ったきっかけは?

東ブクロ 大阪で生まれ育ったので、身近に吉本新喜劇やら漫才やらっていう文化がありましたからね。あと地元の高校にナイナイ(ナインティナイン)さんが行ってはって、よくラジオで地元の話をしてたんです。ああ、いいなあってそこらへんから意識しだしました。

――森田さんはちっちゃい頃からお笑いは好きだったんですか?

森田 そうですね。志村けんから入って、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)、『ごっつ(ダウンタウンのごっつええ感じ)』(フジテレビ系)なんかを熱心に見てました。

――高校時代、お笑い芸人になろうとは思わなかったんですか?

森田 小学生のときは思ってましたけど、だんだん大人になってそんなもんは、なられへんやろって思うじゃないですか。だから「何しよっかなー」っていう感じでしたね。

――学校で他の人より笑いにうるさいみたいな実感はありましたか?

森田 ありました。松本人志全盛期というか、ダウンタウンで育ってきてるんで、学生時代は「誰がおもろい」「誰がおもんない」ってとがった感じで見てました。だから、おもろい奴と遊びたいみたいなところはありましたね。

――東ブクロさんはいかがですか?

東ブクロ 中学・高校と僕ぐらいしかお笑い好きがいなかったんですよ。高校の文化祭で漫才をしたんですけど、友達に声をかけて、5人目ぐらいでやっとやってくれる奴が見つかって。頼み込んでOKをもらったんですけど、そいつも別にそんなキャラクターでもなかったんです。だからお笑いはずっとやりたかったけど、真面目な奴が多くて、お笑いの話をできる奴すらいなかったです。

森田 結局、偏差値が高いところやからな。

東ブクロ みんな音楽とかそっちの方に行くんですよね。僕は音楽を一切聴かずに、お笑いしか見てなかったんです。ただ、その文化祭でやった漫才はウケました。ネタはホンマに覚えてないですけど、学校のこととか、あとはアンパンマンがどうこう言うてた記憶があります。それで気持ちよくなって、そのまま大学行ってお笑いサークルに入ったんですよね。

――大学はどういう基準で選んだんですか?

東ブクロ 高校のときは一切勉強しなかったんで、どこも受からんって言われてたんですよ。関西だと「関関同立」「産近甲龍」って塾でもランク分けがあるんです。僕は産近甲龍コースすら危ないって言われてて、親には「一年浪人する」って言ってたんです。でも、とりあえず入試だけ受けたらええやん、ってことで、たまたま関関同立を4つぐらい受けたら、2つくらい受かって、ラッキーってことで同志社大学に行きました。

――大学に入る前からお笑いサークルについて調べていたんですか?

東ブクロ 入ってからでしたね。ネットで調べたら、まあまあ伝統あるとこがあるやんって。僕がいた時点で30〜40年続いていて、俳優の生瀬勝久さんもいらっしゃったんです。

――大学間でお笑いサークルの交流は活発でしたか?

東ブクロ 僕らの時代は閉鎖的な感じだったんで、早稲田の寄席演劇研究会と年2回ぐらい合同でやるぐらいで、あとはもう内々でした。同世代のやつに聞くと、大学お笑いサークル選手権みたいなものに出てたとかいうんですけど、僕らは自分らのとこだけでやってましたね。

――森田さんは高校卒業後は定職に就かなかったんですよね。

森田 バイトしてダラダラ過ごしてましたね。別に就職したいとかもなかったから、「バイトでええわ」って。まず俺は19歳で卒業してるんですけど、20歳までは「まあ、いけるか」って思うじゃないですか。20歳を超えたら、今度は「22歳までは行けるか」みたいな(笑)。それで22歳を超えたあたりから、ちょっと焦りだしましたね。そっから借金とか作るんで、それを返すためにバイトを掛け持ちしてました。

――長く続いたバイトは?

森田 パチンコ屋です。パチンコも好きだし、当時はパチンコが一番時給よかったし、居心地も良かったから、ずーっとやってました。

――東ブクロさんは大学でもお笑いに一番重点を置いていたんですか?

東ブクロ そうですね。そこでカズレーザー(メイプル超合金)とコンビを組んだりするんですけど、解散しちゃって。大学3年になった年に、同じ大学の同級生と松竹芸能に入ったんです。親には「たぶん忙しなるから1年休学させてくれ」と頼んだんですけど、一切仕事はなくて。解散したうえ、大学は5年行ってるんです。

200万円の借金を完済して残ったお金で養成所に

――森田さんはどういうきっかけでお笑いをやってみようと思ったんですか?

森田 借金が最大で200万円ぐらいあったんですけど、当時はバイトの掛け持ちで月40万円ぐらい稼いでたので1~2年で返したんですよ。それで、ちょうど20万円くらい余って、お笑いの養成所でも行こうかと。当時の学費が、松竹が20万円で、吉本40万円。あと作家の学校もあって、そっちも20万円。金額的に松竹と作家の学校で悩んで、「出る側のほうが金稼げるか。今後、金持ちになる可能性はこれしかないんだ」ってことで松竹を選びました。

――お笑いで売れる自信があったということでしょうか?

森田 今考えるとイタいんですけど、仲間内では「俺がこの辺で一番オモろいっしょ」って思ってたので、松竹やったら売れてる芸人も少ないし、「ごぼう抜きできるやろ」ってことで行きました。

――お笑い以外の選択肢はなかったんですね。

森田 なかったですね。この世界に入ってなかったら、おそらくトラックの運転手とかやってんのやろなと思います。とにかく怒られたくなかったんで、一人でできて、あんま誰からも怒られへん形態がいいなと。

――松竹でお二人は出会うわけですね。

森田 そうですね。でも2年くらいは別のコンビでやってました。

――まさに紆余曲折があって今に至るわけですね。最後に進路に悩む読者にアドバイスをお願いします!

東ブクロ 僕は今なんとか好きなことをやれてます。僕の周りにもいろんな夢を追って挑戦した奴らがいて、みんな夢が叶わなくても後悔してないんです。だから、親の説得とか大変でしょうけど、まずはチャレンジすることが大事なのかなと思います。

森田 なんか金儲けの手段を思いついたら、とりあえずやったほうがいいです。たとえば芸人になりたい奴も、大きな事務所に所属しなくても自分でできるでって。ザ・森東にも、めちゃめちゃ「入れてくれ」「社員にしてくれ」とか言ってくれる人がいるんですけど、何かやりたいことがあるなら自分でやったほうがいい。別に俺らの下に入らんでもいいやんって思います。今は自分でなんでもできる時代ですからね。

森田さん 
ベルト ¥10,780/NOLLEYS
他全て/スタイリスト私物

東ブクロさん
スタッズタキシード、ジャケット(参考商品) /LOVELESS(ラブレス青山)
ベルト ¥10,780/NOLLEYS   他/スタイリスト私物

NOLLEYS
03-3564-2052
中央区銀座1-4-5 4階   

ラブレス青山
03-3401-2301
新宿四谷本塩町6-14 三陽商会
(全て税込)

Information

さらば青春の光 メディア出演情報(2021年8月現在)

月曜
18:00〜YouTube『さらば青春の光東ブクロのゴルフ学校 〜芸能界No.1目指します〜』

火曜
18:00〜YouTube『裏さらば』

水曜
23:00〜有料生配信『さらば青春のBAR』

木曜
26:10〜TOKYO MX『らいコレTV』
26:36〜テレビ朝日『会心の1ゲー』

金曜
18:30〜TOKYO MX『キングオブモルックのGO!GO!モルック大作戦』
24:45〜静岡朝日テレビ『となりのスターさん』
25:55〜石川テレビ『猪又進と8人の喪女』

土曜
17:50〜NBCラジオ『青春デストロイヤー』
18:00〜YouTube『さらば青春の光オフィシャルチャンネル』
22:00〜ラジオ関西『さらば、ラジオ。』
24:00〜MBSラジオ『アッパレやってまーす!』
26:10〜テレビ東京 『今日からやる会議』
27:00〜TBSラジオ『さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ』

日曜
12:00〜YouTube『五反田ガレージ』
24:00〜ラジオ関西『さらば青春の光東ブクロの学生芸人YOAKEMAE』

さらば青春の光

お笑い芸人

森田哲矢、東ブクロによるお笑いコンビ。2008年結成。『キングオブコント2012』で決勝初進出で準優勝を飾り、一躍脚光を浴びる。以降、様々な賞レースで結果を残す一方、精力的に単独ライブを開催。2013年、個人事務所「ザ・森東」を設立。2018年10月1日、YouTubeチャンネルを開設。当初はコントのネタを中心に配信していたが、次第に独自の企画がウケて幅広い層から支持を集める。テレビ、ラジオ、ウェブテレビなどレギュラー多数。

Photographer:GENKI(IIZUMI OFFICE),Interviewer:Takahiro Iguchi, Stylist:Nozomi Shirota(KIND), Hair&Make:CHIE(KIND),Mikiyo Takeuchi(KIND)