自分の意見を持つことが人間の人間たる所以
――仕事と学業の両立はいかがでしたか?
トラウデン 学校の授業は真剣に受けて、家での勉強は軽い復習程度でしたので、それほど大変ではなかったです。やっぱり仕事があったりすると、なかなか家でゆっくり時間が取れないんです。休憩は大事ですし、勉強も睡眠時間を削ってまでやることじゃないと思っていました。どうせ学校に行って授業を聞くんだから、1回で全部頭に入れてしまおうと。わりと私の周りには、そういう考え方が多かったので、お昼の休憩時間もゴハンを食べながら授業の復習ができたのも良かったです。
――塾や予備校には通われていたんですか?
トラウデン 大学受験の直前に小論文のために少しだけ塾に通ったぐらいです。崖っぷちの方が力を発揮できるかなと思って、早い段階から志望校は1つに絞っていました。
――コロナ禍にも関わらず、昨年からトラウデンさんのテレビ出演は格段に増えましたよね。
トラウデン ありがたいことに、たくさんのお仕事をさせていただけるようになりました。そのタイミングで大学もオンライン授業に切り替わったので、すごく活動しやすかったです。例年通りの授業だったら、もっとお仕事をセーブしなきゃいけなかったと思います。とはいえ今も学校がメインという姿勢は変わっていません。
――コメント力にも磨きがかかっているなと感じます。
トラウデン ありがとうございます。いまだにテレビでしゃべるのは必死ですし、不安もあります。コメントを求められた時にあわあわすると、見ている方に不安を与えてしまうので、慌てず自信を持って発言できるようにトレーニングしています。わからないことがあったら知ったかぶりをせずに、素直にわからないって言うようにしています。
――最初からためらいなく自分の意見は言えましたか?
トラウデン はい。意見を持つことって人間の人間たる所以ですし、思っていることを言えない社会にはしたくないので、しっかりと意見を言うことに抵抗はありません。
――去年あたりからトラウデンさん以外にも、テレビのコメンテーターに若い女性が増えています。
トラウデン 確かに出始めの頃よりも、「女性だから」「若いから」という取り上げられ方をされなくなりましたが、それが逆にプレッシャーでもあります。そのアドバンテージがない分、ちゃんと自分で考えて、自分の意見を言わないといけないなと思っています。
――現役高校生にメッセージをお願いいたします。
トラウデン 高校生ってすごくパワフルですし、高校生にしか考えられないことはたくさんあると思うんです。流行り言葉も高校生から生まれることが多いじゃないですか。大人たちは一過性の若者言葉だと言うかもしれないですけど、新しいものを生み出していることには変わりなくて。それが面白いと思って広げられる力ってすごいと思うんです。だから高校生のときに思ったことや、目指したいなって思ったことは大事にしてほしいです。私は今、環境問題、人権問題、男女平等など、いろんなことに興味があります。その土台は高校で作られたものだったので、高校生のときに興味を持ったことは侮れないなと感じます。どうしても大学に入ったり、社会人になったりすると、ちょっと大人になる分、自分で制御し始める部分があるんですよね。良い意味で高校生にはそれがないから自由ですし、その時期を大切にしてほしいです。
――最後に進路に悩む読者にアドバイスをお願いします。
トラウデン 高校生には無限の可能性があります。周りからは「大学に行っといたほうがいいよ」と言われるかもしれないですが、大学に行かなくても実現できることでやりたいことがあるのであれば、そっちに突き進んでもいいと思います。大学は大学で、私はすごく楽しいですし、たくさんのことを学べたと思っています。まだ何になりたいか決まってない人は、まず大学に行く選択も良いと思います。大学選びも、入ってから何を学ぶか、どんなことをしたいか、どんな自分になりたいかというビジョンを持つことが大事なので、志望校に入ることだけを目標にしないでほしいです。大学を目標にしてしまうと、ダメだったときに心が折れて目標を失いがちなので、どんな勉強がしたいのか、大学だけじゃない目標をちゃんと立てておくのも大切ではないでしょうか。
Information
第33回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2021 AUTUMN/WINTER
2021年9月4日(土)13:00〜19:30(予定)
LINE LIVEにてライブ配信!
YouTubeでは再ライブ配信も!

トラウデン直美
モデル
1999年4月21日生まれ。京都府出身。「2013ミス・ティーン・ジャパン」でグランプリを受賞。13歳で小学館『CanCam』の史上最年少専属モデルとしてデビュー。同年10月号で連載を開始する。TGCや神戸コレクションなどファッションショーにも多数出演。慶應義塾大学在学中の知性派モデルとして報道や情報番組でコメンテーターとしても活躍中。また、2021年1月より「環境省サステナビリティ広報大使」を務め、同年2月からは厚生労働省「コロナ禍の雇用・女性支援プロジェクトチーム」メンバーの一員としても活躍している。
Photographer:GENKI(IIZUMI OFFICE),Interviewer:Takahiro Iguchi, Stylist:Chiharu Suzuki, Hair&Make:MAKI
衣装協力
CASA FLINE(03-6447-5758),EQUALAND(03-6805-0904),enchanted(03-6231-7361),Jouete(0120-10-6616),Fumiku(info@fumiku.Tokyo),MEMENTO PATTERN. (@memento_pattern)