奇をてらって変な恰好をしているわけではない

――そもそもかてぃさんとしては、ファッションってどうあるべきだという考え方なんですか?

かてぃ 躊躇している場合じゃなくて、とにかくなんでも挑戦するべき!自分が絶対に似合わないと思うようなスタイルでも、あえてチャレンジして玉砕する。失敗したら、また次のところに行けばいい。よく勘違いされるんですけど、私自身は別に奇をてらって変な恰好をしているわけではないんです。好きなものにしか手を伸ばさなかったら、

周りから変わり者扱いされただけ。実際、地元の横須賀ではめちゃくちゃ馬鹿にされていましたから。

――独自のファッション道を突き進むかてぃさんですが、誰かのスタイルを参考にしたりすることもあるのですか?

かてぃ う~ん、どうだろうな。どちらかというと、昔から男の人に憧れていた部分はあるかもしれない。たとえば上半身を裸にした状態でサッカーするとか、女の人ができないじゃないですか。そういう姿は単純に憧れていた。私は男兄妹に囲まれて育ったし、わりとそれも荒々しい感じだったから。

――かてぃさんのお兄さん、典型的な神奈川のヤンキーですよね。

かてぃ そうそう!小さい頃に女の子っぽい恰好をしていたら、「お前、恋してんの?」ってお兄ちゃんにからかわれたことがあるんです。それがわりとトラウマみたいになっていて、典型的な女の子っぽい恰好をしなくなったのかもしれない。

――「女の子っぽい恰好が苦手」ということですが、本の中ではロリータファッションも披露されています。

かてぃ 映画『下妻物語』を観て吸収したものなのです。でも私もこういうキャラだから、やっぱりロリータは似合わないなと封印していたんです。それで最近になってまた着るようになったんですけど、こんな女の子っぽい恰好をしたのは山田くんに夢中になっていたとき以来(笑)。なぜロリータというか女の子っぽい恰好をするようになったかというと、以前所属していたアイドルグループではあまりにも私を応援してくれる男性ファンが少なかったから!

――かてぃさんの場合は同性からの支持が多いですが、他の女性からするとうらやましい話だと思います。

かてぃ 1回のライブにつき男の人が5人くらいで、あとは全員女の子。もちろんありがたいし、すごくうれしかったです。だけどグループとしてもっと上に行くためには、男性ファンが絶対に必要だというのもすごく感じていました。私が男性ファンを獲得する方向にいくべきではなかったのかもしれないけど、武道館に行くためにはこうするしかないっていう気持ちがあったのも事実です。なんというか、コスプレ感覚で女装していました。

――異性に媚びていたような感覚は一切なかったですが。

かてぃ スカートを履くようになった時点で、私的にはめっちゃ意識しています!リボンつけたり、髪も伸ばしたりしていましたしね。だいぶ「女子」していたつもりです。