濃厚な準備段階の時間があったから培われた精神力

――重いテーマを扱いながらも、前向きさがあって、色々なことを考えさせられる作品でした。

佐久間 ありがとうございます。実現するまでにかなり時間がかかったんですが、その間に台本をいただいて、原作も読ませていただきました。本当に素晴らしい小説だと思いました。すごく読みやすい文体で、どんどん先に読み進めていけるのですが、気がついたらとんでもないところに連れていかれるような、すごい引力がある作品で。実写化するには、丁寧に大切に演じないといけないという責任感がありました。

――演じるにあたって、役とはどのように向き合いましたか?

佐久間 ホリガイという人物像を、私一人だけでなくて、監督や共演者の皆さんと作っていきました。撮影に入る前に監督とプロデューサーさんに何度か時間を作ってもらって、ホリガイの人物像の内面、外見など、履歴書みたいなものを一緒に作っていったんです。そこから共演者の奈緒ちゃん、森田想さん、小日向星一君と一緒に話し合う機会を作っていただいて。作品に対する想いなどを伝えさせてもらううちに徐々に実感がわいて、役が立体的に見えてきた感じです。濃厚な準備段階の時間があったから、この作品に向き合えるだけの精神力がついたように思います。

――履歴書のようなものを作る、というのは面白いですね。どんなことが書かれているんですか?

佐久間 雨の日は長靴を履くか履かないか、水筒の中身は何か、お茶はティーバッグで出して入れているのか、部屋は散らかっているからマメじゃないのかも、など、細かいことをいっぱい話しました。私の幼少期の体験なども材料として出しながら、「でもホリガイだったらもっとこっちかな」みたいに提案させていただいて面白かったです。