アニメーションの制作経験が役立ち、入社1年目からCM制作を任される

――それまでずっとアニメーションの世界を目指していたのに、いきなりCMの世界に進まれていかがでしたか?

大森 CMの世界では、制作プロダクションの監督ってまず企画をたくさん書くことから始まります。広告会社と一緒に案件を進めながら学ぶというやり方だったので、自分への不安以上に、人の書いたコンテを読むのがおもしろくて、楽しかったです。働いている方たちも、それまで映像をやったことのなかった人が多くて、広告が好きというストレートな理由で入ってきた人ばかりでした。

――プレゼン能力やコミュニケーション能力も求められましたか?

大森 コミュニケーション能力って後からついてくるものだと思います。美大の頃からアイディアや表現に勝るものはないと教えられてきたので、私はAOI Pro.で新卒採用も担当していたのですが、コミュ症の方でも全然大丈夫なのかなと思います。職種にもよりますが、面白いことを考えているかどうかで採用していく部分が大きいので。コミュニケーション能力や「サークルでこんなことしてきました!」みたいなものは関係ないと思っています。

――CMを任されるようになったのはいつ頃でしょうか?

大森 意外にすぐでした。入社1年目で、超低予算でCMを作る仕事があって、私は実写が未経験だったのでアニメで全部やらなければいけない。大学時代、イラストでアニメを描いたりコマ撮りをしたりという作業は一通りやっていたので「全然やります!」みたいな感じで引き受けました。実写は3年目になってからなんですけど、1〜2年目からアニメやコマ撮りのCMはたくさんやっていましたね。