エッセイを書くのは戦いだった

――初エッセイ『これこそが後藤』が好評ですが、もともと文章を書くのは好きだったのでしょうか?

後藤 いや、ネタぐらいしか書いてなかったです。そもそも僕は本が読めないんですよ。

――『これこそが後藤』は『小説現代』の連載が元になっていますが、どうして引き受けようと思ったんですか?

後藤 マネージャーの押しに負けて書き始めました。ただ書くことに関して何の知識もなかったので、連載が始まった当初は自由に書けて、ちょっとだけ楽しかったです。

――ちょっとだけなんですね(笑)。

後藤 連載が続くうちに「書くことねーじゃねーか」と煮詰まって。編集の方に「何かありますかね?」と聞いて、「こういうのはどうですか」とお題をもらっていました。そっちの方が書きやすかったです。

――書いていて楽しかったエッセイはありますか?

後藤 「パン屋後藤」は超楽しかったですね。

――パン屋の店員さんに一目惚れしたエピソードですね。

後藤 あとは「バズり後藤」(※SNSでバズった自分の呟きを分析)、「草野球後藤」(※久しぶりの草野球で痛い目に遭った一部始終)も書いていて楽しかったです。

――逆に書くのに苦労したエッセイはありますか?

後藤 「ステイホーム後藤」(※ステイホーム中にやっていたことを紹介)という、『現代ビジネス』というウェブサイトに寄稿したエッセイです。連載の文字数は1200字前後だったんですけど、これは4000字ぐらい。泣きながら書きました。

――エッセイを書くのに、どれぐらいの時間がかかっていたんですか?

後藤 30分ぐらい。書き始めると、もういっちゃえいっちゃえっていう感じで早いんですよ。でも4000字のほうは集中力が続かなくて……。1日30分ずつ、3日間ぐらいかけて書いて、僕にとって戦いでした。

――エッセイは、ネタを書くのとは違う感覚ですか?

後藤 全然違いますね。エッセイはお笑いでいう間とかがないので、ネタよりは書きやすいです。

――後藤さんのエッセイは事前に内容を考えずに書いている印象で、いい意味での行き当たりばったり感が独特だなと思いました。

後藤 実際、何も構成とかせずに、とりあえず書き始めてました。

――連載中に反響はありましたか?

後藤 全くなかったです。いずれ本になるんだろうなと思ってたんで、それをモチベーションに書いてました。なので、地元の書店に行ったとき、『これこそが後藤』が置いてあって嬉しかったです。

――メンバーの反応はいかがでしたか?

後藤 メンバーの2人には、表紙だけが出来上がっていて、中は真っ白の(製本)サンプルを渡したんです。「面白かった」「斬新だね」と言ってくれました。そもそも連載中から読んでないと思います

――『これこそが後藤』に収録されている小説家・武田綾乃さんとの対談で、「今後もいろいろ書いていくんですか?」という質問に、「無言で首を横に振る」と書いてありましたが、実際に今後エッセイを書く気はないんでしょうか?

後藤 もう(書かなくて)大丈夫です。書くのがきついというよりも、ちょっと今はネタがない状態なんで。

――本は読まないと仰っていましたが、武田綾乃さんの小説『愛されなくても別に』は対談のために読んだんですよね。

後藤 ちゃんと小説を読んだのは生涯で2冊目です。子どもの頃に『かいけつゾロリ』なんかは読んでましたけど。

――1冊目の小説は何を読まれたんですか?

後藤 入院中、友達に差し入れていただいた、『十二人の死にたい子供たち』(冲方丁)という映画化もされた小説です。本を読まない僕に小説を差し入れするというのはいかがなものかと思ったんですが、「どんなもんかい?」って読んでみたら、面白くて止まらずで、オチも素晴らしかったです。

――『愛されなくても別に』はいかがでしたか?

後藤 本をいただいたときに、マネージャーから「1週間で読め」と言われて、嫌だなと思ったんです。でも面白くて2日で読み終わりました。