生まれる前から続くシリーズだからこそのプレッシャー
――作品出演のオファーを受けたときのお気持ちを教えてください。
畠中 オーディションの結果は純粋にすごくうれしかったです。「宇宙戦艦ヤマト」シリーズは僕の生まれる前の旧シリーズからものすごく歴史のある長い作品。しかも僕が演じる新クルーの土門は旧シリーズにも出ていたキャラクターですし、どういう風にもう一度土門像をつくりあげていったらいいのかというプレッシャーは感じました。
――過去の作品を見返しましたか?
畠中 『宇宙戦艦ヤマト2199』から『宇宙戦艦ヤマト2202』、『ヤマトという時代』といった、新シリーズはチェックしましたが、旧作は敢えて見ないようにしていました。そのときの土門と、今回描かれる土門は全く違う人物だとオーディション資料を読んでいるときに感じたので、以前の土門をなぞる様に演じることはしたくなかったんです。
――今回出演が決まってから初めて『宇宙戦艦ヤマト』をご覧になったということで、観る前はどういうイメージを持っていましたか?
畠中 『宇宙戦艦ヤマト』は、1970年代からスタートしていて、アニメに革新的な影響を及ぼしていて、アニメの歴史に残る作品だということは知っていました。『機動戦士ガンダム』よりは固くないイメージがあったものの、宇宙戦争ものというか、SFだし、簡単には踏み込めない距離感、重みを感じていましたね。
――実際にご覧になっていかがでしたか?
畠中 新シリーズを見る限り、テーマ性は時代を超えて少しずつ変われども、軸になるところはきっと同じだと感じました。かなり“骨太”だなと。重要な選択を前に「あなたはどちらを選ぶ?どういう風に何かを愛していく?」など、大人になって考えてもまだまだ答えがでない問題を提示してくれるし、そこに真正面からぶつかっていく作品ですごいなと思いました。1970年代は大人も子どもも一緒に観ていたわけで。「ヤマトすげーな」って純粋に思いました。
――そうですよね、子どもから大人まで観ていたんですものね。アニメ作品を楽しめながら、そういった問いかけをしてくれるすごい作品だなと思います。
畠中 正直、今までヤマトを好きだった人たちからしたら僕みたいな新参者っていうのは『宇宙戦艦ヤマト』のことをたいして知らないわけです。でも、初心者で細かいところは拾えていないのかもしれないけど、根幹にしているテーマが普遍的なものだから、胸を打ったり熱くなったりできて。観ておかなければいけない作品だなと思いました。実際僕もすごく影響を受けました。