頑張っている人を尊敬する校風に助けられた

――山田さんは10歳で芸能界入り、中学時代に演技のお仕事を始めていますが、高校生の頃には「この仕事1本でやっていこう」という強い気持ちがありましたか?

山田 私は高校3年の夏に通信制高校に転校して卒業しました。転校前の学校は普通の女子校で、周りはあっという間に大学進学を決めていました。私も仕事はしていましたけど、高校2年生までは大学進学すると思っていましたし、進路希望を提出するときもそう書いていました。でも、お仕事があると単位的に厳しくなってきました。そのタイミングで転校して、仕事1本でやっていこうと決断しました。

――高校3年生の頃は、次々と大きな役を演じられています。

山田 映画『小さな恋のうた』(19)のヒロイン役だったり、「幸色のワンルーム」で初めてドラマ主演をやらせてもらったりしたのが高校3年生でした。この時期に、高校に普通に通えて、卒業もできていたら、仕事1本でやるという決断はできなかったかもしれません。いろいろな役をいただけたタイミングだったからこそ、その選択をできたと思います。

――高校2年生まで大学進学を考えていたということは進学校だったんですか?

山田 そうです。中学のときにめちゃめちゃ勉強にハマって、頑張って受験して入った高校でした。ただ、小学校のときは習い事みたいな感覚で仕事をしていた部分があったんですけど、だんだん自分の中で仕事の比重が大きくなっていきました。母親は「選択肢は多いほうがいい。そのためにできる努力はしなさい」という人だったので、勉強も仕事も頑張っていました。だからこそ大学進学を辞めると言ったときも、母親はあれこれ言わずに「分かった」と受け入れてくれて本当に感謝しています。

――勉強と仕事の両立はいかがでしたか?

山田 高校に入ってからは仕事優先だったので、両立できていたかというと微妙なところです。学校のみんなは、部活と勉強を両立している人たちばかりで、私よりも忙しいだろうにすごいなと思っていました。その高校は頑張っている人を尊敬する校風だったので刺激になりましたし、お仕事に打ち込むことにも負い目を感じることなく頑張れたので、すごく環境に恵まれていました。

――印象に残っている学校行事は何でしょうか?

山田 転校前に修学旅行で台湾に行ったことです。すごく楽しかったです!私自身、初めての海外でしたし、それを学校のみんなと行けたのが今振り返ってみても良かったです。学校行事って修学旅行しかり、文化祭しかり、その時は大変だなと思うことが多かったとしても、なんだかんだ後になって、良かったなと思うんですよね。

――最後に進路を検討している高校生読者にメッセージをお願いします。

山田 もともと私は、こういう進路を考えていませんでした。それでもその環境に置かれたら、こうしていきたいという気持ちが生まれていくものです。高校時代は将来的に何がしたいと決まっている人の方が少ないと思います。私自身の経験で、選択肢を多く残しておいたことが大事だったなと思うので、一つに絞るのではなく、今やりたいことを何でもやっておくことがおすすめです。そうすれば、今後何かやりたいことが見つかったときに、「あ!これもできるじゃん」って心の余裕にも繋がるのではないでしょうか。何事もなるようになるんです!

Information

『ひらいて』
2021年10月22日(金)全国ロードショー

山田杏奈
作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズ Jr.) 芋生悠
山本浩司 河井青葉 木下あかり
板谷由夏 田中美佐子 萩原聖人

監督・脚本・編集:首藤凜
原作:綿矢りさ『ひらいて』(新潮文庫刊)
音楽:岩代太郎 主題歌:大森靖子「ひらいて」(avex trax)
プロデューサー:杉田浩光 中村優子 富田朋子
制作プロダクション:テレビマンユニオン 製作:「ひらいて」製作委員会
配給:ショウゲート
©綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会

高校3年生の木村愛(山田杏奈)は、クラスでも目立つ華やかな存在。常に友人に囲まれ男子にも不自由しない愛が、その姿を見ただけで胸を苦しくさせるほど恋焦がれているのは、同じクラスの西村たとえ(作間龍斗)。だが彼には誰にも知られていない“秘密の恋人”=新藤美雪(芋生悠)がいた。2人の揺るがない絆を知った愛は、美雪に急接近。いびつでエキセントリックな三角関係は、思いもよらない方向へ走り始める。

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山田杏奈

女優

2001年1月8日生まれ。埼玉県出身。2011年に開催された「ちゃおガール☆2011 オーディション」でグランプリを受賞しデビュー。『ミスミソウ』(18)で映画初主演を果たし、その後『小さな恋のうた』(19)で、第 41 回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。その他、ドラマ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」(W主演/20 /MBS・TBS)「書けないッ!?〜脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活〜」(21 /EX)、映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』(W主演/20)、『樹海村』(W主演/21)、『名も無き世界のエンドロール』(21)、『哀愁しんでれら』(21)今後の待機作に『彼女が好きなものは』(21年12月3日公開)など多数あり、話題作へ続々と出演する今注目の若手女優。

Photographer:Yuta Kono,Interviewer:Takahiro Iguchi