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メンズとレディースという概念がないブランドが増えている

――2021年秋冬のファッションの傾向を教えてください。

船橋 いろいろなセレクトショップ(『W magazine 9月号』では〈ビームス〉、〈ラブレス〉、〈フリークスストア〉、〈ジャーナルスタンダード〉、〈ストゥディオス〉、〈ランチキ〉をピックアップ)のコレクションを見ていたら、今季はアメカジが多いですね。また、全体的にファッションがユニセックス志向になってきていて、メンズとかレディースという概念がないブランドがどんどん増えている気がします。クロスオーバーしているんですよね。メンズのアイテムをレディースの子が、レディースのアイテムをメンズの子が着られるようになってきているので、ファッションの幅が広がっていると思います。

――アメカジはこれまでも流行時期がありましたが、どのあたりの年代を指すんでしょう?

船橋 年代というよりは、どこのブランドも「アメリカってこういう感じだよね」という、ふわっとした感じなんです。ちょっと前までは「1970年代のオーセンティックなデニムパンツの〇〇で、柄が××で」みたいなに言っていましたが、今はシルエットはヨーロッパ風で、ダメージの入り方がアメリカといったアイテムも、アメリカンテイストと言われます。いわゆる昔のデニムにスウェットがアメカジスタイルというわけではなく、全体的に見て「アメリカ」というキーワードが、ブームなのかなと思います。いわゆる「ザ・アメリカ」というスタイルで楽しむよりも、うまく自分のスタイルにミックスさせたような感じです。楽しみ方は人それぞれでいいんじゃないかなと思います。

――レディースでのアメリカ系の人気はどういうものですか?

船橋 メンズにも近いのですが、わりとダメージっぽいアイテムも多くて、それだけで「アメリカっぽいね」みたいな感じで言われたりしています。ただ、メンズと比べてレディースは素材もデザインもふわっとしているので、例えばシースルー、シアーっぽい素材をボックス型(アメカジトップスの代表的シルエット)にしてみたり。ひとつのアイテムの中に、さまざまな要素を全部ミックスさせているというか。そういうものが多いと思いますが、「流行のものはコレ!」っていう感じではない気がします。

華やかに見えるキレイな発色のアイテムを取り入れてほしい

――今船橋さんが着ているGジャンもアメカジの範疇に入りますか?

船橋 そうですね。今季の〈サカイ〉のものですが、ちょっとドレッシーなボウタイがついているタイプです。シャツは〈カルネボレンテ〉。ニューヨーク発の独特な刺繍に定評があるブランドです。パンツは〈バーシスブルック〉。オランダ語で“ベーシックパンツ”の意味があるベルギーのブランドです。靴は〈ランチキ〉のオリジナルブランドの〈ロカリナ〉です。骨折した人向けの医療靴を皮靴やバッグに変えているんです。メガネは〈ミスタージェントルマン〉、ヘアバンドは〈ワイズ〉です。

――今注目しているブランドはありますか?

船橋 〈SAINT M××××××(セントマイケル)〉です。セレクトショップで見つけたのですが、〈レディメイド〉のデザイナーの方が手がけている日本のブランドだと思います。パロディやダメージが入ったちょっとビンテージなTシャツなどがあって、ボディーも肉厚。アメリカンなんだけど、どこかデザインはヨーロッパっぽい。すごくかっこいいのでおすすめです。

――若い世代がアメカジをおしゃれに着こなすためのアドバイスをお願いします。

船橋 スウェットは色で遊ぶのが楽しいと思います。グレー、黒、白とかシンプルな色を取り入れるというのがこれまでのアメカジっぽかったんですけど、今回の〈フリークスストア〉のレディースでも使ったような、黄色とか緑とか赤とか、すごくキレイな発色のアイテムを取り入れて欲しいですね。若いですし、着るだけでおしゃれだし、華やかに見えると思います。最近では多くのブランドから出ているし、古着屋さんでもカラースウェットはいっぱいありますよ。

――サイズ感はやはり大きめでしょうか?

船橋 大きいほうが楽というのもありますが、まだまだビッグサイズがトレンドですね。あと、トップスが大きいほうが、日本人の体型なら全体のバランスが取れると思いますよ。

船橋翔大

スタイリスト

1985年12月14日生まれ。東京都出身。高校在学中からファッションスタイリストを志すようになり、モデルをしていた姉からの紹介で卒業後にスタイリストアシスタントをスタート。24歳で独立。ファッション雑誌やブランドのカタログ、広告、タレントなど幅広く手がけている。メンズ、レディースをどちらもカバーする幅広いスタイリングセンスに定評がある。2021年3月からアクセサリーブランド〈mimi33〉のメンズライン〈MR.mimi33〉のディレクターも務めている。

Photographer:Tsutomu Yabuuchi(TAKIBI),Interviewer:Ritsu Ohsoi