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撮影から3年を経ての公開に感無量

EXILE NAOTOが長編映画単独初主演を飾った話題の映画『DANCING MARY ダンシング・マリー』。解体予定のダンスホールに棲みついたダンサー・マリー(坂東希)の霊から、「恋人のジョニー(吉村界人)を探してほしい」と頼まれた、しがない市役所職員の藤本研二(EXILE NAOTO)と霊能力を持つ女子高生の麻田雪子(山田愛奈)。2人の恋を成就させるために時空を超えて奮闘するストーリーだ。

脚本・編集もSABU監督が手掛けた本作は、スペインの「シッチェス・カタロニア国際映画祭2019」でワールドプレミア上映が行われた。その後、世界の数々の映画祭で上映されて賞にも輝き、撮影から3年を経て、ようやく日本での初上映にこぎつけた。

この日は会場となる東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で、EXILE NAOTO、共演の山田愛奈、石橋凌、SABU監督が完成披露上映前に登壇した。

本作のエグゼクティブプロデューサーでもあるEXILE NAOTOは、「この映画の情報が解禁されて公開に至るまで、かなりの時間が空いてしまいましたけど、やっとここにたどり着くことができました」と喜びを噛みしめ、「ありがたいことに、海外の映画祭に出品させてもらって、賞を受賞させていただいたり、皆さんの期待をあおるような情報はあったんですけど、やっと今日、初めて披露できるということで、長くお待たせいたしました」と挨拶。

山田は「3年という長い月日が経ったので、私も今こうしてこの場に立って、会場に来てくださった皆さん一人ひとりの顔を見て、やっと日本でも上映されるんだなという実感が徐々に湧いてきました」と声を弾ませると、EXILE NAOTOが「撮影当時19歳だった山田愛奈さんが23歳になりました。久々に会ったら大人になってました」と月日の流れを表す。

これを受けて石橋も「当時60……」と年齢から話に入りつつ言い淀み、客席の笑いを呼ぶと、すかさずEXILE NAOTOが、「石橋さん、お変わりないです!」とフォロー。

石橋はあらためて、「3年間という時間が過ぎましたけども、コロナ禍で悶々としてきた時期にポルトガルや、ブラジル、イタリアの映画祭で続いて受賞したことを聞きまして、それが非常に自分にとっても力強い励みになりました。SABU監督が映画の本質にこだわって、海外をいつも意識して物作りをされている賜物だと思います」と感慨深げに語った。

3年前の撮影で心に残っているエピソードについて、EXILE NAOTOは「初主演映画ということで緊張感と、しっかりと務めなきゃなという責任感など、いろんな思いが混じって撮影に入らせていただき、監督に身を委ねました。印象的だったのは、北九州で撮影が始まって2日目くらいですかね、けっこう長いセリフを喋るシーンがあったんです。それが終わった瞬間に、監督が『僕の思っていた役のイメージとぴったりだ』と言っていただいたことを糧に頑張れました」と、SABU監督に感謝を述べた。

CGやVFXでは表現できない映画の神様が降りてきた瞬間

撮影は2018年の2月に東京、北九州、台湾で行われた。

山田は「東京と北九州は極寒でしたね」と回想し、「北九州で、石橋さんの殺陣のシーンをNAOTOさんとモニターで拝見させていただいていたんですけど、石橋さんの白い息さえも美しかったです」と大先輩を称賛する。キラキラした瞳を向けられた石橋は照れ笑いを浮かべるばかり。そこでNAOTOが、「石橋さんは本番になると白い息を出さないように、寒い中、氷を口に含んでいたんですよ」と名優の苦労話を披露した。

幽霊でもあるヤクザを演じた石橋は、「私が組長宅に殴り込みに行くシーンで、(北九州の)小倉のでっかいお屋敷を借りて撮ったんですが、そこに、ちょうどそのシーンの撮影に合わせたかのように雪が降ってきたんです。CGだとかVFXじゃ表現できないような味わい深いシーンが撮れました。私は、映画の神様が降りてきた瞬間だと信じています」と話す。NAOTOと山田がうなずいて同意を示すと、SABU監督も「本当に何を着ても寒かったです。石橋さんはしかも入れ墨の入った裸でしたからね」とベテランの仕事を讃えた。

ここにいる俳優陣の第一印象を聞かれたSABU監督は、EXILE NAOTOについて「『ポストマン・ブルース』(SABU監督の97年作品)が大好きですと言ってくれて、すごくいい奴って思いました」と満面の笑み。

山田から感じたのは、「霊能力を持っていそう」という雪子役とダブるもの。

そして、「石橋さんはね、高校時代に(石橋がボーカルを務める)ARBの大ファンだったので、友達に自慢できるなと思いました」と括った。

EXILE NAOTOは先のSABU監督の発言を受けて「本当に『ポストマン・ブルース』大好きです」と強調し、「映画は観る側としてすごく好きで、こうして役者活動をさせてもらっている中で、いつか主演ができればと思っていたんですけれども、それがまさか僕がずっと若い頃から観ていたSABU監督の作品で初めての主演だなんて、本当に夢のようで……。若い頃の自分に自慢したいようなありがたいチャンスだったので、緊張感はあったんですけど、夢が叶った瞬間を毎日実感できた撮影期間でした」と振り返る。

霊能力がありそうと監督に言われた山田は、幽霊が見えるエスパーの役を演じるにあたって、「実体験しがたい役柄だったので、最初は霊が見えたらどんな感じなんだろうとか考えていたんですけど、特殊能力以前に、雪子って普通に皆さんと変わらない感情を持っている女の子だなと思ったので、まずそこを忘れないように意識して演じていました」と役作りを明かす。

ARBの大ファンと言われて顔をほころばせた石橋が、「私はこの作品を、SABU監督が日本の昔のヤクザを扱った任侠映画に対するオマージュだととらえてます」と言うと、SABU監督もニヤリとうなずく。意図的に古き良き昭和の任侠映画のテイストを盛り込んだようだ。

SABU監督「今を大切に生きれば、きっといい未来が待っていると思います。そんな作品です。」

2019年10月に行われた「シッチェス・カタロニア国際映画祭」のワールドプレミア上映に、石橋、SABU監督と共に出席したEXILE NAOTO。現地の雰囲気や反響などを聞かれると、「僕は初めて国際映画祭に行かせていただいたんですが、街がお祭りのようでした。夜の10〜11時くらいに到着したんですが、監督とロビーでお会いして『これから映画を見に行こうぜ』と言われて、『はい行きます!』と行ったら、そんな時間なのに人が多くて、いろんな映画館が映画を上映していて、活気があってすごく楽しかったですし、SABU監督のファンが海外にも多いんだなと実感したんです。昔のSABU監督の映画のパンフレットを持ってきた人が『ここにサインしてくれ』と来て。映画が海を越えて、いろんな人たちに届いているのを目の当たりにした初めての経験でした」と興奮気味に語った。

石橋は「現地の人たちと一緒に(本作を)観たんです。最後のシーンは、まだここでは言えないんですけど、NAOTO君の素晴らしいアクションシーンがあって、そこですごい拍手が起きていました。それを今日、皆さんも体感してください」とアピール。

SABU監督は、「シッチェスは何度か行っているんですけど、実際に参加するのは初めてで、すごく温かく迎えていただいて、拍手だったりが起こって嬉しかったですね。近くの海がヌーディストビーチだというので行ってみたら、男の人ばかりでなんじゃこりゃと思いました」と会場を笑わせ、EXILE NAOTOも「うん、そうでしたね」と爆笑。

集合写真の撮影を終え、最後にEXILE NAOTOは、「この映画は、コメディ、ホラー、ヒューマンドラマといろんな要素が詰まっています。そんな中で、主人公が一歩を踏み出して成長をするという物語を暖かく見守っていただき、皆さんも日々の生活の中で何か一歩踏み出す、元気をもらうきっかけになっていただけたらなと思います。『ダンシング・マリー』を楽しんでください!」と挨拶し、拍手に包まれた。

山田は「この作品は、足がガタガタ震えるようなホラーというよりかは、かつて人が人を愛して、それがまた原動力につながって最大の奇跡を起こすようなヒューマンドラマになっています。なので、いろんな世界線を見て楽しんでいただけたらいいなと思っております」と、このあと鑑賞に臨む観客を盛り立てる。

石橋は「今の日本にあるいろんな問題、たとえば差別とか格差であるとかの要素を、SABU監督がこの映画の中に込められたと思います。そこを鑑賞しながら感じていただければと思います」とメッセージ。

最後にSABU監督が、「人との出会いは偶然じゃなく必然。すべてに意味があって、それをどう活かすかが人生のポイントだと思います。僕自身そんなふうには思っていなかったけど、NAOTOと出会って、その出会いがこういう名作になったと実感しています。今を大切に生きれば、きっといい未来が待っていると思います。そんな作品です」と締めた。

「最高に面白い作品なので、ぜひ劇場でご覧ください」とSABU監督が力説する、生死を超えた「愛」のパラレル・ホラーがついにベールを脱ぐ──。

Information


『DANCING MARYダンシング・マリー』
11月5日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

EXILE NAOTO(EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS)
山田愛奈 坂東 希 吉村界人 / 石橋 凌
監督・脚本・編集:SABU エグゼクティブプロデューサー:EXILE HIRO
「DANCING MARY」製作委員会 :LDH JAPAN ローソン
制作プロダクション:ディープサイド 配給・宣伝:株式会社キグー 製作:LDH JAPAN
©2021 映画「DANCING MARY」製作委員会

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