笑いの絶えない息の合ったトークセッション
トークセッションが始まり、司会の永野が「すでに満席の話になっちゃってますが、改めてどうですか?」と問うと、ムロは「こんなご時世でなくても満席にできなかった男だよ!1回、出演者よりも少ないお客さんの数で舞台をやった男だよ!16人の芝居で(客が)8人しかいなかった時があったんだから!」と興奮気味に笑顔を見せる。
毎熊はクズ男を演じたゆえに、「満席はほんと嬉しいと思いながら、(舞台挨拶中に)紙コップとかペットボトルが飛んでこないかなってドキドキしてます」と言って登壇者と観客の爆笑を呼び、「クズを演じるのはけっこう好きで、今回もどう見てもクズで絶対みんなに嫌われる役だなと思ったんですけど、そのぶん役を愛してあげるというか、楽しくやれました」と述べる。
ここで永野が「毎熊さんのベッドシーンがよかった」と言い始め、「肌が黒光りしてセクシーで」と絶賛。ムロは「毎熊さんのベッドシーンの褒め言葉を君から聞きたくないよ(笑)」と突き放し、「僕が好きなのはね、毎熊さんが、注文を聞いて『あいよ』と立つシーンの背中のカット」と言う。
金井監督は「毎熊さんは歌もうまくて、ピアノも自分で弾いているので、まずそこに触れてほしかったです。いきなりベッドシーンって」と苦笑し、「演奏シーンの終わりに、毎熊さんが『もう1回やりてぇなー』とつぶやいていて、それが、演技なのか毎熊さんの気持ちなのかわからなくて、カットをかけられなかった」と明かすと、毎熊は「言ってましたかね? もしかしたら無意識かもしれない」と回想。金井監督は「ヒロっぽく見えて、いい芝居だなと思った」と返す。「僕、あんまり監督にもう1回やらせてくださいと言わないタイプなんですけど、練習は暖かい部屋でやっていたのに、撮影の時は寒かったので、心の声が出ちゃったのかもしれない」と毎熊が説明。そこで奈緒が「でも、そういう自然な言葉と、演奏とのギャップに江津子は惹かれたのかも」と語り、金井監督と毎熊も納得の表情でうなずく。
ヒロのパフォーマンスを恋する瞳で見つめながらも、ムロ演じる一男と結婚することになる江津子を演じた奈緒について、永野は「いろんな表情が見られた」と讃え、「奈緒さんは愛されたい派ですか? 愛したい派ですか?」と尋ねる。これに対して奈緒は「どっちだろうなあ」と頭をひねり、「愛したいと思って生きているんですけど、最近は愛したいとか愛されたいじゃなくて、そこに愛があればいいのかなと思うようになりました」と回答。
この発言に「難しくてよくわかんないなー」と永野が言うと、奈緒の回答に感心した様子のムロはすかさず「この発言は深いよ!愛したい愛されたいっていうベクトルの問題じゃないのよ、矢印なんていらないって話を奈緒さんがされたんですよ」と解説。奈緒が「はい、矢印なんていらないっていう所にたどり着きたいなと思っています」と答えると、ムロが「そこに愛という存在があればいいってことだよね」と締めた。