出演者と監督が語るお気に入りシーンとは
ここからは、来場したお客さんに、事前に募った質問に答えるコーナー。
「一番好きなシーンは?」という質問を受け、毎熊は「(ひかりの)彼氏が病室で喜んでくれるところ」を挙げ、「演技を超えている気がしましたし、心を持っていかれました」と話すと、ムロも「僕も同じシーンを好きって言おうと思ってた!」と言い、お気に入りシーンが同じだと判明し、観客も拍手で同意を示した。
金井監督のお気に入りは「一男がクリスマスに説教するシーン」で、ムロのNGが集中したシーンだったとことを披露。「後から理由をムロさんに聞いて、リアルな一男の心情を出すためだったことがわかったんです。僕以上に芝居を考えてくださっていて、すごく感動しました」と振り返る。
奈緒は「どのシーンも江津子目線で見てしまって、すべて心に残っているんですけど、一男がイースターエッグを割ってしまうシーンは、一男のいろんな気持ちが伝わってきて、すごく好きです」と答えた。
「演じたキャラクターとの共通点は?」という質問に、ムロは「何か悲観的なことがあっても悲観しすぎないところ。一男って、どうにかして『できることはないか』を探すんですよ。そんないろんな状況を受け入れるスピードが僕と似ているかなと思いました。それと、ポスターにあるキャッチコピー『運命なんか認めない!』は、舞台をやる時に僕もよく言っているセリフです」と回答。
毎熊は、自分のことをクズだと思っていると自嘲混じりに言い、「何もない男であるヒロが唯一手に入れた幸せ──これだけは何とかして持って帰りたいという気持ちがあふれるシーン。あのときの彼の気持ちはわかるなと思いました」と答えると、観客の多くがうなずいた。
奈緒は「1人じゃなくて、何か守るものがあったほうが強くなれるっていうのは、すごく江津子さんと自分の通ずるところです。大切な存在ができたから、守るものができたから強くなれるというのは、演じていて共感できました」と答え、続けて「『クズ!』って叫ぶシーン。あれは私でも叫びたいなって思っていました。そんな機会はなかなかないですけど」と話すと、クズの当事者・毎熊は「スッキリした顔してましたもんね」とツッコむ。奈緒は「ふだんプロレス観戦に行くんですけど、そのときと同じスッキリとした感覚が味わえました」と笑顔を浮かべた。
最後に金井監督は「皆さんにあたたかく見守っていただけて、なおかつ満席の場に立たせてもらえて幸せです。あと、帰りのエレベーターは混んでしまうので、エレベーターとエスカレーターと階段を使ってお帰りいただけたらと思います。今日は本当にありがとうございました」と、元アルバイトとしてのトークも交えて盛大な拍手を浴びた。
続いて演者を代表し、ムロが「満席で映画を披露できる機会ができました。まだまだいろんなことに気をつけなければいけない時期が続くと思いますが、もしよかったらまた劇場で“追いダディ”してください。また、家族やいとこや、知り合いや、さらに知り合いかなこの人?ぐらいの人にまでこの映画をクチコミしてください。そして、今日この時間からも素敵な時間を過ごしてください。僕たちがテレビや映画や舞台などで、皆さんの娯楽のひとつになれたら嬉しいなと思います。本日は会いにきてくれて本当にありがとうございました!」と、念願叶った満席の舞台挨拶を締めくくった。
Information
『マイ・ダディ』
絶賛公開中!
[キャスト]
ムロツヨシ
奈緒 毎熊克哉 中田乃愛
臼田あさ美 徳井健太(平成ノブシコブシ) 永野宗典 光石研
[スタッフ]
監督:金井純一 脚本:及川真実 金井純一 音楽:岡出莉菜
主題歌:「それは愛なんだぜ!」カーリングシトーンズ(ドリーミュージック)
©2021「マイ・ダディ」製作委員会