サプライズで山崎育三郎がビデオメッセージで登場

3人のキャストによる撮影現場での思い出話に花が咲き、観客の期待と興奮は高まっていく。

谷口監督も、「出演者の皆さんが本当に素晴らしい芝居をスパークさせてくれました」と笑顔を浮かべて、本作の出来に手応えを感じた様子。そして、「僕はそのエネルギーをさらに押し上げるような舞台を用意しなければならない。賀茂川や大文字山など、ロケ地にはかなりこだわりました」と述べる。

その監督の言葉通りに、朔のピアノ演奏に合わせて凪が歌を披露する場面は、実際に賀茂川の中州に本物のピアノを設置して撮影が行われたという。ファンタジックでありつつ、朔と凪の絆を象徴した、本作の中でも特に印象深い名シーンだ。

谷口監督は「賀茂川をロケハンしていたら、ふと中州が目に付いたんです。『あそこにピアノを置きたい』と言った時、スタッフは目を白黒させていました」と懐かしむ。朔のピアノと凪の歌の結びつきを表現するには大胆なアプローチが必要とは言え、なんとも突拍子もない発想。しかし、予告編でも多くの人の心に残ったシーンであり、監督は「結果的に大正解だったと思います」と会心の笑みを浮かべる。

谷口正晃監督

井之脇は「実はあの演奏シーンはピアノの楽譜が用意されていなくて、監督に『アドリブで弾いてほしい』と言われて、戸惑いました」と裏話を明かす。しかし、「中州に立ってみると、そこから見える景色や松本さんの歌声が言葉にならないぐらい素晴らしくて、そういった現場の雰囲気に背中を押されて楽しんで演奏できました」と、エモーショナルな体験だったことを興奮気味に語る。

松本も「2人の可愛い空気が画面に映っていたらいいなと思います」と、満面の笑みを見せた。

撮影現場でのエピソードの数々に観客たちは早くも映画の世界に酔いしれる。さらにサプライズとして、舞台挨拶に参加できなかった山崎育三郎からのメッセージビデオがスクリーンに映し出されて、会場のボルテージが最高潮に達した。

山崎演じる貴志野大成は、新進気鋭の作曲家としてのカリスマ性と天才ゆえの翳りを併せ持つ孤高の存在。劇中で朔の前に大きな壁として立ち塞がり、物語に大きなうねりをもたらす。

実際に音大に通っていたという山崎は爽やかな笑顔で、「何と言っても井之脇海くんとのピアノを連弾するシーンはお互いの思いをぶつけ合ったので、自分でもグッときました」と、本作の見所を紹介。

山崎のメッセージを受けて、井之脇は山崎との連弾シーンについて、「互いにどのパートを弾くのか曖昧なまま撮影に入ったのですが、育三郎さんは『キッチリとパートを決めずに、ここはアドリブで弾いてみようよ』と優しく提案してくれました」と、お互い手探りの状態で臨んだからこそ、2人の自然な息遣いがスクリーンに収まっていることをアピール。

松本も「待ち時間の間、育三郎さんがピアノを弾き始めたのですけど、あまりにもカッコよすぎて、『カッコいい!』って思わず声を漏らしました。本当に爽やかすぎる方でした」と目を輝かさせた。川添も「私は恋人役でしたが、待ち時間の間にプライベートなお話までさせていただいて、本当に気さくで素敵な方でした」と、山崎の暖かい人柄を振り返る。

あっという間に楽しい時間は過ぎて、最後は井之脇の言葉で締めくくられた。「俳優業を16年間やらせていただいて、初主演作が上映される喜びを心から感じています。この映画は主人公の朔が音楽を通して様々な人々と心を通じ合い成長していく物語で、思うように人と会えない昨今、きっと心に響くものがあると思います」

主演の井之脇海をはじめ、出演者1人1人のエネルギーが音楽を通して詰め込まれた青春映画『ミュジコフィリア』は2021年11月12日(金)京都先行公開、11月19日(金)TOHPシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。

Information

『ミュジコフィリア』
2021年11月12日(金)京都先行公開、11月19日(金)TOHPシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

井之脇海 松本穂香
川添野愛 阿部進之介
縄田カノン 多井一晃 喜多乃愛 中島ボイル 佐藤都輝子
石丸幹二
辰巳琢郎 茂山逸平 大塚まさじ 杉本彩/きたやまおさむ 栗塚旭
濱田マリ 神野三鈴
山崎育三郎

原作:さそうあきら「ミュジコフィリア」(双葉社刊)
主題歌:松本穂香「小石のうた」(詞・曲:日食なつこ) 主題ピアノ曲:古後公隆「あかつき」「いのち」
脚本・プロデューサー:大野裕之
監督:谷口正晃
©2021 musicophilia film partners ©さそうあきら/双葉社

京都の芸術大学に入学した朔(さく)は、ひょんなことで「現代音楽研究会」に引き込まれる。クセの強い教授や学生たちが集まるそのサークルには、朔が憧れてきた幼なじみでバイオリニストの小夜(さよ)、そして若き天才作曲家として将来を期待される大成(たいせい)がいた。実は、大成は朔の異母兄で、朔は天性の音楽の才能を持ちながらも、父と兄へのコンプレックスから音楽を憎んできたのだ。だが同じように天性の音感と歌声を持ち朔に想いを寄せるピアノ科の凪(なぎ)が現われ、朔の秘めた才能が開花しはじめる――。

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Reporter Atsushi Imai,Photographer Keita Shibuya