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4人の懐の深さを感じさせる多彩なパフォーマンス

アメフラっシにとって今回のワンマンライブ「Amefurasshi 2.28 Zepp Haneda『Wings andWinds』」は過去最大規模になる。

この日は朝から強風に豪雨と悪天候だったが、ロックの歴史を紐解くと、豪雨の中でライブを敢行して伝説に残っているアーティストは少なくない。フジロックフェスティバルも初回は豪雨の中で開催された。アメフラっシがZepp Hanedaでどんなパフォーマンスを見せてくれるのか否応なしに期待は高まる。

そもそも、このライブは2月28日に行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の期間延長を受けて、3月21日になった。約3週間、開催が延期されたことで開演前からファンのテンションは高まっていた。

いよいよ開演時間を迎えて、第1部『Wings』が開幕。ステージが青い光に包まれて荘厳な雰囲気を漂わせる中、青いレーザービームが飛びかい、メンバーが一人ずつ登場。ステージ上に4人が揃って仁王立ちすると、客席から自然と手拍子が沸き起こり、「STATEMENT」で幕を開ける。ヘッドセットマイクによって両手が使えるパフォーマンスで、1曲目から体力温存なんて頭になく、激しくパフォーマンス。「人生は一度きり。このまま終わるもんか」と強いメッセージを投げかける。

ステージが情熱的な真紅のライトに切り替わると、ハードロック路線の「Rain Makers!!」に突入。激しさの中にアイドルらしいキュートな動きも交えつつ、4人は全身全霊でパフォーマンスする。全力で歌うメンバーにエールを送るかのように、客席はオレンジのペンライトで埋め尽くされ、光が熱い気持ちを代弁するかのように狂喜乱舞する。 続く「BAD GIRL」では、一転してクールなR&Bサウンドに乗せて、セクシーな立ち居振る舞いで観る者を挑発。ネオソウルの要素を大胆に取り入れた「MICHI」でも、妖しいビートに乗せて、艶めかしいボーカルを響かせ、大人なアメフラっシをこれでもかと見せつける。

以前のアメフラっシはロック魂を炸裂させたようなエモーショナルなライブが持ち味だったが、この日は序盤から硬軟織り交ぜて懐の深さを感じさせた。MCを挟んでの「ミクロコスモス・マクロコスモス」でもスピーディーかつ複雑なリズムを物ともせずに、言葉を一つずつ区切ったテクニカルなマイクリレーをスムーズに繰り広げ、「月並みファンタジー」では、スペイシーなサウンドに身をゆだねるようにウィスパーボイスで浮遊感のあるラップを決める。

かと思えばドラマティックなイントロからノイジーなギターが咆哮するゴリゴリのロック・ナンバー「Dark Face」では、キレキレのダンスに優雅さすら感じさせるしなやかな動きを巧みに取り込む。

高揚感のあるサウンドをバックに、じっくりと歌を聴かせる「メタモルフォーズ」、市川優月、小島はな、鈴木萌花の3人が、競い合うように情感豊かな歌声を響かせるバラード「フロムレター」、愛来の伸びやかでスケール感のある歌声が炸裂する「Over the rainbow」、メロディアスなサウンドに4人の清らかな歌声がマッチする「雑踏の中で」と、中盤はアメフラっシの歌心を存分に堪能できるパートとなった。

後半は軽快なロック・ナンバー「グロウアップ・マイ・ハート」から始まり、ファンと一緒に拳を振り上げて一体感を演出する「轟音」、力強いユニゾンがメンバーの絆を感じさせる「勇気のシルエット」、ファンと一緒に同じ振りをすることで一体感を演出する「Staring at You」と、ポジティブな曲で暖かな空間を作り上げた。

序盤からファンを煽りまくって全力疾走

『Winds』と題された第2部は、「グロウアップ・マイ・ハート」でスタート。「波を揺らす風のように」「雨を降らす虎のように」と、この日の天候を表現したかのような歌詞が印象的で、「雨を降らせ!」とシャウトしながら、ファンの手拍子を煽る4人の雄姿はロックスターさながら。

続く「MICHI」では、めまぐるしく変化するフォーメーションダンスを披露しながら、ドスのきいた愛来のボーカルがソウルフルに響き渡り、「メタモルフォーズ」ではファンと一緒にジャンプする演出を取り入れる。さらに「轟音」ではタオルを振り回したり、ペンライトの動きに合わせてビシビシとラップを決めたりとステージ中を躍動。第1部の前半では多彩な表現力を見せつけたが、第2部は序盤からファンを煽りまくって攻撃的な姿勢を際立たせる。

迷宮に迷い込んだようなシアトリカルなパフォーマンスに目を奪われる「月並みファンタジー」。メンバー同士で抱き合うなど、狂おしいダンスが刺激的な「Dark Face」。オーロラを感じさせる幻想的なライトをバックに、メンバー一人ひとりが壮大に歌い上げる「STATEMENT」と、前半から中盤にかけてはドラマティックな構成によって、1曲1曲のパフォーマンスが心に刻まれていく。

「フロムレター」では、鈴木が切なさ、小島が透明感、市川が力強さと、それぞれ個性の違う歌声を響かせ、それに呼応するようにファンはペンライトを揺らす。

「Over the rainbow」は前半、愛来だけがステージに立って、ソウルシンガーさながらの奥行きのあるボーカルを縦横無尽に響かせ、途中で3人も加わって感動的なシーンを演出。

後半はレーザービームが交差する中、「RainMakers!!」でスタート。エネルギッシュなロックサウンドに合わせて、メンバーとファンが呼吸を合わせて同じ振りを踊る光景は壮観の一言。市川が激烈なデスボイスを爆発させるヘビメタ曲「ハイ・カラー・ラッシュ」でテンションを高め、ラストはポジティブなメッセージがギュッと詰まった「明後日の方向へ走れ」を、ステージ中を駆け回りながら熱唱した。

アンコールはTシャツにジーンズとラフな格好で再登場。かつてセックス・ピストルズのシド・ヴィシャスもカバーした名曲「My Way」をカッコよく歌った後、一転してアイドル性を全開にした「バカップルになりたい!」を可愛くパフォーマンス。そして「Staring at You」でファンと一緒にジャンプして会場のボルテージは最高潮に達した。

ライブが終わったばかりのアメフラっシに直撃

―2部公演を終えて興奮冷めやらぬ雰囲気の4人に直撃インタビューを敢行した。どんな気持ちで今日のライブに臨みましたか?

小島 私たちにとって過去最大規模となるZepp Hanedaは大きな挑戦でしたし、すごく不安もありました。お客さんが声を出せない状況で、この会場をどう使うのか、どうやったらみなさんに楽しんでもらえるか4人で必死に考えました。でも3月21日が近付くにつれて、不安よりも楽しみな気持ちが上回っていって、ワクワクした状態でライブに臨めました。

愛来 メンバーで支え合って、がむしゃらに練習をしてきて、この日を迎えることができて。最高の時間を届けたい一心でステージに立ちました。

市川 「最大キャパ」と言葉で言うのは簡単でしたが、実際にZepp Hanedaの会場内を目の当たりにすると圧倒されました。でもお客さんが声を出せない状況の中、いつも以上に私たちが先導しなきゃいけないので、4人で気持ちを合わせてライブに臨みました。

鈴木 メンバーはもちろん、スタッフさん、家族にも助けてもらいながら今日を迎えて。不安と同時にすごく楽しみな気持ちもありましたし、Zepp Hanedaにアメフラっシだけで立てる喜びを噛みしめながら本番を迎えました。

―会場入りしたとき、Zepp Hanedaにどんな印象を持ちましたか?

市川 でかい! 広い! 天井が高い!

愛来 楽屋もめっちゃキレイで、ソファもふわふわでした(笑)。

―最後に新年度を迎えて、改めてアメフラっシの目標を聞かせてください。

鈴木 ずっと言ってるんですが、やっぱりメジャーデビューです!待ってくださっている方がたくさんいるので、ワンマンライブでファンの皆さんの前でメジャーデビューを発表して、笑顔で泣きながら一緒に喜びを分かち合いたいです。

披露した曲はほぼ同じながらも、構成を変えることで、全く違った印象のワンマンライブを見せたアメフラっシ。ますます表現力とパフォーマンス力が磨かれた4人が、メジャーデビューする日は、そう遠くないはずだ。

アメフラっシ

アイドル

2018年11月結成。スターダストプラネット所属の4人組アイドルグループ。メンバーは、愛来、市川優月、小島はな、鈴木萌花。2021年2月28日リリース「BAD GIRL」各種ストリーミングサービスで好評配信中。
詳細はオフィシャルサイトをCHECK!!

Photographer: Atsushi Furuya
Interviewer: Takahiro Iguchi