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ダンスをメジャー化、スポーツ化していくためのルール作り

そもそもD.LEAGUEはなぜ発足したのか。その大きな要因の一つに、2012年より義務教育でダンスが必修科されたことが挙げられる。それをきっかけに、若者や部活動も含めた学生のダンス層が急増した。

その流れを受けて、数多くのダンス事業を手掛け、長年にわたって日本のダンスシーンをリードし続けてきた神田勘太朗氏がダンスのプロリーグ化の構想を練り、EXILEのHIRO氏、「踊る経営者」で知られる平野岳史氏の協力を得たことで、実現に動き出した。

前例のないことだったため、ルール作りは難航。それまで行われてきた数々のダンスコンテストを基準に、それをメジャー化、スポーツ化していくにはどうすればいいのかという視点でルールを整えていった。

参加したチームはavex ROYALBRATS、Benefit one MONOLIZ、CyberAgent Legit、FULLCAST RAISERZ、KADOKAWA DREAMS、KOSÉ 8ROCKS、SEGA SAMMY LUX、SEPTENI RAPTURES、USEN-NEXT I’moonの9組。

どのチームも独自のカラーを持っていて、ダンスのジャンルは9者9様。その9チームが、どのような戦いを繰り広げるのか否応なしに期待は高まった。

1stシーズンは2021年1月10日に開幕。しかし記念すべきROUND.1から、新型コロナウイル感染症の感染拡大の懸念から、無観客での開催となった。元々オンラインでの配信を重視していたため、コロナ禍であってもスタートを切ることができた。以前、本サイトで神田勘太朗氏にインタビューした際、コロナ禍に始めるリスクについて以下のように語っていた。

「リモートなどでの在宅ワークが当たり前になってきて、当分はお客さんの目の前でやるのは難しくても、オンライン視聴という形式はD.LEAGUEにとってはチャンスだと思いました。僕はサッカーやF1も好きなんですけど、ほとんどネットを通して見ています。自分の見たいデバイスで、好きなものを見るコミュニティは世界中に広がっていますし、勝算はありました」(神田)

実際、視聴者層は十代、二十代と若者が中心だったが、オンライン視聴に加えて、テレビなどのメディアでも頻繁に取り上げられることで、普段はダンスへの関心が低い幅広い層にもD.LEAGUEの存在は知られていった。

対照的なジャッジとオーディエンスの評価

各方面から大きな注目を浴びる中で開催されたROUND.1では、SEGA SAMMY LUXがジャッジ(審査員)ポイント1位、オーディエンスポイント4位と、どちらも高い評価を獲得して優勝を飾った。KADOKAWA DREAMSはオーディエンスポイントこそ8位と苦戦したものの、ジャッジポイントが3位を大きく引き離す2位で、トータルでも2位となった。3位のFULLCAST RAISERZは、ジャッジポイント3位、オーディエンスポイント2位と、双方から高いポイントを得た。

3位までは順当な結果ともいえるが、4位のavex ROYALBRATESはオーディエンスポイントが1位ながらも、ジャッジポイントは9位と、激しく評価が分かれた。逆に5位のKOSÉ 8ROCKSは、ジャッジポイントは3位ながらも、オーディエンスポイントが9位と、こちらも対照的な評価が下された。

ジャッジとオーディエンスの評価が全く違うところは問題点とも捉えられるが、逆にいえばオーディエンスの声が結果に反映されるプロリーグは珍しく、D.LEAGUEの面白さである。専門家向けのテクニック面だけではなく、ダンスに詳しくない層に訴求するエンターテイメント性も求められる競技であることがROUND.1から明確になった。

ROUND.2は、avex ROYALBRATESが前回同様にオーディエンスポイントで1位、ジャッジポイントも3位で、トータルで優勝を飾った。2位のFULCAST RAISERZは、オーディエンス、ジャッジ共に2位と結果が一致。SEGA SAMMY LUXはジャッジポイントで2回連続1位となったものの、オーディエンスポイント4位で3位に甘んじた。

ROUND.3でトップ3に入ったチームは、さらにジャッジとオーディエンスの評価が近付く。avex ROYALBRATESはジャッジ1位、オーディエンス1位で文句なしの2連覇。2位のUSEN-NEXT I’moonもジャッジ、オーディエンス共に2位。3位のSEGA SAMMY LUXもジャッジ3位、オーディエンス2位タイ。4位以下も、ジャッジとオーディエンスの順位にそれほど大きな違いはなかったが、3回目ということで、D.LEAGUEを見る目も肥えてきたオーディエンスが、より細かい部分まで見た上で評価をくだした結果の表れかもしれない。

これまでの3回で、やや上位陣が固定されていたかに思えたが、ROUND.4では1位がBenefit one MONLIZ、2位がKOSE 8ROCKS、3位がKADOKAWA DREAMSと、それまで思うような結果を残せなかったチームが台頭。ROUNDを重ねて研究を重ねていくことで、D.LEAGUEでどのようなショーを見せればいいのか方向性が定まり、各チームがオリジナリティーを発揮し始めたのだろう。

ROUND.5も、3位がavex ROYALBRATES、2位がFULCAST RAISERZとコンスタントに好成績を残してきた2チームが実力を発揮したが、それまでベスト3に入ることのできなかったSEPTENI RAPTURESが鮮やかにトップを勝ち取った。

前半戦ラストとなるROUND.6は初の有観客開催となり、Dリーガーたちの意気込みが十二分に伝わってくる熱い大会となり、FULCAST RAISERZが初優勝。2位はSEPTENI RAPTURES、3位はavex ROYALBRATESと、前回と同じチームがベスト3を独占した。

新方式を採用して透明性の高くなった後半戦

前半戦の反省点を踏まえて、後半戦に大きく変化したのがジャッジだった。前半戦は2名のレギュラージャッジ加えて、ゲストジャッジが2名招かれ、計4名で審査を行ってきた。それぞれの持ちポイントが20点の計80点に、オーディエンスポイントの20点が加わる方式だったが、ポイント差が拮抗してしまいため、1位から9位までが団子状になってしまう確率が高かった。また一人ひとりの得点がダイレクトに反映されるため、公平に審査をしているつもりでも、ジャッジの好みに左右される可能性もあった。

こうしたジャッジの問題点を解消するために、ROUND.7よりゲストジャッジは6名となり、レギュラージャッジ2名との計8名による審査となった。採点方式も変更され、より幅広い視点でパフォーマンスを評価できるようになった。ジャッジの審査項目ポイントも、パフォーマンス毎に公表されるようになり審査が透明化。シーズン中でありながら、すぐに問題点を改善するフットワークの軽さは、D.LEAGUEの自由さを感じさせた。

後半戦に勢いを増したのがKOSÉ 8ROCKS。世界に名を轟かせるブレイクダンサーのISSEIがディレクターを務めるKOSÉ 8ROCKSは、2024年開催のパリオリンピックから「ブレイキン」が正式種目に追加されることもあって、当初から注目度が高かった。惜しげもなく大技を連続で繰り出したROUND.7で3位、SP ダンサーにISSEIがリーダー務める九州男児新鮮組メンバーの SHUVAN と REN を迎えたROUND.10で悲願だった初優勝を飾るなど、尻上がりに調子を上げて行った。

後半戦もコンスタントに圧倒的な存在感を示したのがFULCAST RAISERZ。中でも強烈なインパクトを放ったのがROUND.8で、硬派なイメージのKRUMPにオタク対ヤンキーという不良マンガの図式を持ち込み、コミカルでありながら、しっかりとテクニックを見せる構成で2回目の優勝を果たした。

avex ROYALBRATSは後半戦でも、毎回、メンバーの一人が主人公を務めることで、全く違った印象のパフォーマンスを披露し、シーズンを通して好成績を残した。前半戦からオーディエンスポイントで高い評価を得てきたが、アプリ会員全員がオーディエンスジャッジに参加するという初の試みが行われたROUND.11では満点の20点を獲得。ジャッジポイントでも高い得点を叩き出し、ROUND.3以来の首位に輝いた。

中盤で好成績を残しながら、後半でポイントが伸び悩んだのがSEPTENI RAPTURESだった。ROUND.7で1位、ROUND.8で2位、ROUND.9で1位と、ここまで3度のトップに輝きながらも、その後の3 ROUNDでは思うような結果を残せず、シーズンを通してのトータルランキングで5位となり、シーズンチャンピオンを争う「CHAMPIONSHIP」進出を逃してしまった。全12 ROUNDをどう戦うかというトータルの戦術もD.LEAGUEには必要だと思わせる結果だった。

後半になって勢いがついたのはSEGA SAMMY LUX、「アメリカ旅行への憧れ」をテーマに掲げたROUND.10ではコンセプチュアルな構成が新鮮で2位。有観客での開催となったROUND.12ではマイケル・ジャクソンにリスペクトを捧げたパフォーマンスでオーディエンスポイント満点を獲得して、ROUND.1以来となる優勝を果たした。

こうしてKRUMPのFULLCAST RAISERZ(1位)、SWAGのavex ROYALBRATS(2位)、HIPHOPのSEGA SAMMY LUX (3位)、Breakin’のKOSÉ 8ROCKS(4位)の4チームが7月1日に東京ガーデンシアターで開催されたCHAMPIONSHIPに進出。各チームが持ち味を遺憾なく発揮する白熱したバトルを繰り広げ、avex ROYALBRATSが初代王者に輝いた。

AWARD SHOWでISSEIが2冠を達成

7月8日には、1stシーズンを締めくくる「D.LEAGUE 20-21 AWARD SHOW」が開催され、レギュラーシーズンで活躍したディレクターやダンサーを表彰した。

オーディエンスから一番多くのFAVを得た「MOST FAV DANCER」にノミネートされたのはavex ROYALBRATSのKAITA、KOSÉ 8ROCKSのISSEI、SEGA SAMMY LUXのHINATA、同じくSEGA SAMMY LUXのTAKI、USEN-NEXT I’moonのAIRIの5人で、ISSEIが受賞。

「MOST FAV TEAM」には、1stシーズンの覇者avex ROYALBRATSが選ばれた。

シーズンを通じて最もクリエイティブだったディレクターを表彰する「MOST CREATIVE DIRECTOR」は、SEPTENI RAPTURESのakihic☆彡が受賞。

全Dリーガーから最優秀ダンサーに贈られる「MVD OF THE YEAR」には、avex ROYAL-BRATSのKAITA、CyberAgent LegitのTAKUMI、KOSÉ 8ROCKSのISSEI、SEGA SAMMY LUXのCANDOO、SEPTENI RAPTURESのMiYUの5名がノミネートされ、ここでもISSEIが受賞して2冠を達成。ディレクターでありながら全ROUNDに出場する気概を見せたISSEIだけに、誰もが納得する結果となった。

2ndシーズンからの新たな取り組み

10月19日、「D.LEAGUE 21-22」プレスカンファレンスが行われ、その模様はオンライン配信もされた。イベントには、株式会社Dリーグの平野岳史代表取締役CEO、神田勘太朗COO、チーフクリエイティブアドバイザー、EXILE HIRO氏が登壇。1stシーズンを総括し、2ndシーズンへの展望を語った。

セカンドシーズンからの新たな取り組みや新ルールなどについても発表された。

Dリーガーにナンバー制度が導入される。Dリーガーそれぞれにナンバーを設定することで、個々の認知度をアップさせる狙いだ。

使用楽曲は全試合でオリジナル楽曲に変更。実際に使用した楽曲は音楽配信サービスにて配信される。

さらにカメラの視点を選んで視聴できる配信方法や、プロダンサーや解説者による同時解説と解説のオンオフ、無料会員にもオーディエンスジャッジを開放するなど、新しい視聴体験を提供。それに伴い、配信プラットフォームも「LINE LIVE」「WOWOW」の2社が加わり、全10社が配信を行う。

そして新ルールの導入。レギュラーシーズンのジャッジポイント1位とオーディエンスポイント1位をワイルドカードとし、CHAMPIONSHIPにはレギュラーシーズン上位4チームとワイルドカード2チームが進出。計6チームがCHAMPIONSHIPを争う。

ジャッジの構成も変わり、ダンサージャッジを毎回ローテーション制にして、エンタメジャッジはラウンド毎に異なる4名が参加することになった。これによって、事前に審査員の傾向に合わせたチーム戦略を練ることができる。

ファーストシーズン覇者で、今シーズンからディレクターもメンバーも一新した「avex ROYALBRATS」。色とりどりの衣装でステージを躍動した「KADOKAWA DREAMS」。アクロバティックなブレイキンを個人技、チーム技それぞれで見せつけた「KOSÉ 8ROCKS」。短い時間で、めまぐるしく情景を変化させた「CyberAgent Legit」。サイバーな衣装で宇宙遊泳のような世界観を作り上げた「SEGA SAMMY LUX」。ファンキーなダンスで瑞々しさを演出した「SEPTENI RAPTURES」。黒ずくめの衣装でクールに決めた「dip BATTLES」。キャップを効果的に使いながら力強いKRUMPで場を圧倒した「FULLCAST RAISERZ」。赤い衣装で妖しくセクシーに舞った「Benefit one MONOLIZ」。自在にフォーメーションを変化させながらも抜群の統率力を見せた「USEN-NEXT I’moon」。ピースフルでドラマ性を感じさせるダンスが鮮烈な「LIFULL ALT-RHYTHM」。

イベントでは、全11チームが、それぞれの持ち味を生かしたパフォーマンスを繰り広げ、セカンドシーズンの期待感を盛り上げた。

2ndシーズンは東京ガーデンシアターで全ROUNDが開催される。今シーズンは観客の前でDリーガーたちがファーストシーズン以上に熱い戦いを繰り広げることが期待される。

©D.LEAGUE 20-21
©「D.LEAGUE」プレスカンファレンス

Information

明日、開幕する「第一生命 D.LEAGUE 21-22」の模様は11月14日(日)18時からD LEAGUE公式アプリなどで無料で生配信!視聴方法、詳細は公式サイト、アプリ、SNSをチェック!

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