文筆との距離を岩井にとらえ直してほしい
岩井 又吉さんのおかげで、短かったですけど濃い時間を過ごすことができました。
又吉 岩井が僕のことを傲慢な奴と思ってることが明らかになっただけでも有意義でした。もっと優しくしかほうがええんかな。
岩井 いやいや、俺にはすごく優しいんですよ。そんなに僕がフィーチャーされてなかったときから、すごく声をかけてくれたし。ほんとにありがとうございました。
又吉 本当に(新刊が)面白かったので、また岩井とどこかで話したいですし、もっと書いてもらいたいですね。これ、笑えるエッセイになってるやん?お笑いの10種競技の中にあってもいいぐらいだよね。
岩井 エッセイがですか?
又吉 うん。一発ギャグのほうが不思議じゃない?漫才あってコントあって大喜利とかいろいろある中で、一発ギャグって、すっごい競技じゃない?
岩井 自分らは5分から15分くらいの漫才をずっと作ってるんですけど、エッセイを書くのはすごい時間がかかりますよね。で、一番短いのが一発ギャグ。
又吉 一発でキメなアカンから取り返しがつかへん。あの恐ろしさたるや。で、僕らはエッセイがお笑い10種競技に入ってない世界に生まれた。もし含まれてたら、芸人がエッセイを書くのは普通なんやっていうのも想像できるんやけどな。トークとエッセイの距離ってかなり近いから。
岩井 はい(納得)。
又吉 岩井は、これはお笑いじゃないからとエッセイと距離を取ろうとしてる。
岩井 たしかに。
又吉 俺は近づけようとしてるんや。文筆との距離を岩井にとらえ直してほしいな。このことについてめちゃくちゃ考えたことを、エッセイにしてください。
Information
『どうやら僕の日常生活はまちがっている』
好評発売中!
著者:岩井勇気
判型:四六変小(208ぺージ)
定価:1,375円(税込)
出版社:新潮社
Reporter:Takehiko Sawaki