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エモーショナルな1曲『STUPiD』のフレーズで客席の心を突く

ステージ正面には、グループのロゴ「BiS」と描かれたフラッグが飾られている。定刻通りの15時に開演。ネオ・トゥリーズの「初めまして。BiSです! 学生のみんな、よろしくお願いします。行けますか? 行くぞ!」という煽りで勢いを付けたオープニングナンバーは『teacher teacher teacher』だった。

イトー・ムセンシティ部、チャントモンキー、ネオ、トギ−の4人は、曲中で両手を高く掲げる。食らいつく観客たちの手元ではサイリウムの光が輝き、ステージの動きとシンクロ。頭上のスポットライトがめまぐるしく切り替わり、場内のボルテージは1曲目で早くも高まる。

メッセージ性が強くエモーショナルなナンバー『STUPiD』は、メンバーの笑顔とは裏腹に<Yeah 人間なんて馬鹿ばっかでもLove,Love,loving you><ありきたりのマニュアルをも捨てて そしてクソみたいなうた歌うよ>と、力強いメロディと歌詞が心を突く。曲中ではチャントモンキーがロングトーンを響かせ、グループは真紅のスポットライトを浴びながら曲を締めくくった。

客席との一体感をさらに高めナンバー『LET’S GO どうも』では、腕を掲げたメンバーの動きと客席の動きがシンクロする。そこからにじむのは“WACKイズム”。スピード感あるギターリフが、心を躍らせてくれる。

MCの第一声を務めたのはトギー。「『BiSの学園天国に』にお越しのみなさん。初めまして、私たち」の掛け声を合図に、メンバー揃って「新生アイドル研究会“BiS”です」と挨拶。それぞれの自己紹介を済ませたグループは、マイクを離して地声で「よろしくお願いします!」と威勢よく叫んだ。

ステージから垣間見えたそれぞれのパフォーマンスにおけるコントラスト

縦横無尽にステージを使う『DESTROY』で、デスボイスを轟かせたのはイトー・ムセンシティ部。ネオ・トゥリーズはじめ、激しいサウンドに乗せてメンバーたちは客席に挑発的な視線を向ける。

けたたましいイントロで始まる『FUCKiNG OUT』の冒頭、雄叫びのようなシャウトを効かせたのはネオ・トゥリーズ。間奏では、チャントモンキーも力の限り声を張り上げる。曲中、生気を失ったかのような目線で客席を見つめて隣り合うトギ−とネオ・トゥリーズ、チャントモンキーとイトー・ムセンシティ部の姿が記憶に焼き付き、メンバーたちは顔が見えなくなるほどみずからの髪を振り乱す。

ヴォーカルと煽りのメリハリで観客に心が引き寄せられるのは『テレフォン』。トギーのロングトーンが要所要所で冴え渡り、グループの持つ狂気と熱気、パワフルさを存分に見せつける。

シックなイントロでスタートする『COLD CAKE』で、ここまでの激しさを忘れるかのように空気は一変。客席へ語りかけるように、ネオ・トゥリーズ、イトー・ムセンシティ部、チャントモンキー、トギ−がメロディを歌い継ぐ。サビでは、力強いギターサウンドに乗せてエモーショナルに。たがいの肩を組みながら飛び跳ねるメンバーたちに合わせて、客席の動きもシンクロする。

ヴォーカル入りのBGMを受けて披露したのは『thousand crickets』。いっさい口を開けずにラジオ体操を模した振り付けをするメンバーたちにつられて、観客たちの体も動く。ステージでは無言のパフォーマンスが続き、激しいヘッドバンキング、そして、楽曲終わりまで続くスクワットにも客席は食らいつく。

流れるようなピアノの音色で始まる『つよがりさん』では可憐に。心臓を震わすかのようなバスドラムの力強い音に併せて、胸元を強く叩きつけるメンバーたち。力を振り絞るかのように踊るチャントモンキー、優しく客席へ微笑むトギ−、しなやかに舞うネオ・トゥリーズ、感情を精一杯込めて歌い上げるイトー・ムセンシティ部と、それぞれのコントラストが垣間見えた。

学生限定ライブにちなみ「部活」トークで華を咲かせたメンバーたち

ネオ・トゥリーズの「キーンコーンカーンコーン」という第一声を合図に、MCのコーナーに。メンバーそれぞれ「休み時間だ!」と口にして、イトー・ムセンシティ部が「学生のみんな。こんにちは!」と元気よく挨拶。学生限定ライブならではの「部活」をテーマにしたトークで盛り上がる。

バレーボール部だったイトー・ムセンシティ部は「中学校で2年やって、途中で嫌になってやめちゃった」と告白。「好きだったけど、女子バレーボール部ってよくこじれるんだよね」と同意を求めるも、メンバーが「学校によりけり」とフォロー。

ソフトテニス部に所属していたネオ・トゥリーズは、同じ部活で今まさに汗を流していると手を上げてアピールした観客を見付けて興奮。メンバーから「テニスっぽい」と言われ「ちょっと日焼けしたりしてるよね」と語る。

トギーが「美術部」だったと打ち明けると「意外なんだけど」という周囲の声が。「ひたすら線をまっすぐ引く練習とかしてた」と振り返ると、メンバーからは「今度トギーの本気(の絵を)見てみたいよね」と声が上がり、トギーは「頑張ります!」と元気よく宣言する。

バドミントン部の経験があるチャントモンキーは「中学になかった」というメンバーの話を聞いて驚き。「経済的な話になっちゃうんだけどね。シャトルが高いんだよ。どんどん値上がりしてる」と、経験者ならではの“あるある”を披露した。

MCの時間を惜しみながらも、終盤戦のパフォーマンスへ。トギーの「猫ちゃんになる時間だよ」という掛け声を合図に始まったのは、ポップでエモーショナルなナンバー『LOVELY LOVELY』。たがいに腕を組み合うチャントモンキーとトギー、ネオ・トゥリーズとイトー・ムセンシティ部。曲中では、メンバーの顔に自然と笑顔が浮かぶ。

疾走感ある青春チューン『GOiNG ON』で、たがいにハイタッチするメンバーたち。鮮やかなスポットライトの光を浴びて左右に腕を振ると、客席の動きもシンクロしていく。その光景はさながらグループの“アンセム”のようで、会場全体の一体感を生み出す。

軽快なリズムながらメッセージ性の強いナンバー『BASKET BOX』では、トギ−のヴォーカルにイトー・ムセンシティ部のロングトーンが重なる。

メンバーの誰もが、真剣なまなざしで客席をまっすぐ見つめながら歌い上げたのは『I WANT TO DiE!!!!!』。続く『TOUCH ME』では可憐に力強く、スポットライトで水色に照らされた光景が目に焼き付く。

本編のラストを飾ったのは『BiS-どうやらゾンビのおでまし-』。繰り返される<行かなくちゃ 僕ら>のフレーズに併せてメンバーも観客も手を振り上げ、会場は一体感に包まれた。

中高生を前に学生時代を回想。夢について語りかけたトギ−

観客からの温かい拍手を受け、アンコールは幕を明けた。感謝を伝えながら、ステージに戻ってきたメンバーたち。客席を前にして、トギーはそっと語り始めた。

会場に向けて「若くて、元気なパワーを感じて。私たちまで元気になれました。ありがとうございます」と話すトギ−。「学生の頃って『夢は何ですか?』と聞かれると思うんですけど。今日来てくれたみんなは、将来の夢はありますか?」と問いかける。

各々に手を挙げる観客。それを見たトギーは「学生時代に、将来の夢がまったくなくて。将来『何になりたい?』と聞かれたら『アイス屋さんになる』とか『有名人になる』とか、その場のノリでコロコロ変わるぐらい何もなくて」と吐露。「中学生とか高校生だと将来の夢を絶対答えなきゃいけないときもあると思いますけど、そのたびに『夢がないことってダメなのかな』と焦ったり、コンプレックスに感じていることがありました」と回想する。

みずからの経験から「夢がないのは全然悲しいことじゃなくて。今から見つかるかもしれないワクワクとか、何にでもなれる可能性しかないから。それってすごく最高なことだと思います」と訴えるトギー。「夢がある人はそれに向かって突き進めばいいし、夢がないうちに好きなことであったり趣味をめちゃくちゃ楽しむのも最高だなって思います」と観客の背中を押す。

そして、この日のパフォーマンスは残り2曲に。「今日来てくれたあなたに歌います」とトギーが語りかけた『LOVE』では、笑顔を浮かべるメンバーたちが全員でハートを形作る。

最後を飾った『CURTAiN CALL』は、タイトルのとおりライブの締めくくりをそのまま表現したナンバー。限られた時間を惜しむなるのは、メンバーも観客も同様。歌い終えたグループは「ありがとう」「見えてるよ」と連呼し、深々と客席へお辞儀してステージをあとにした。

Information

<CD>
カバーアルバム『BiS DiVE into ROCKS』
発売日:2021年12月1日(水)

THE MICHELLE GUN ELEPHANT『スモーキン・ビリ−』やBlankey Jet City『赤いタンバリン』など、メンバーたちが往年の名曲をカバーした1枚。

【初回生産限定盤】
CD+Blu-ray+ポストカード全10種ランダム3枚+イベント参加券
価格:¥6,500(税込)
【通常盤】
価格: \3,300(税込)

<LIVE>
柏木由紀なりのWACK EXHiBiTiON and SELECT 7
日時:2021年12月27日(月) 開場・17:00/開演・18:00
会場:TOKYO DOME CITY HALL(東京)

AKB48・柏木由紀とWACK所属グループ(ASP/BiS/BiSH/EMPiRE/GO TO THE BEDS/PARADISES/豆柴の大群)が共演

公式サイト

BiS

アイドル

2010年に結成後、解散と再結成を繰り返し、2019年6月に現在のメンバーで再々始動。グループにとって第3期にあたり、令和BiSとも呼ばれる。同年8月14日、フルアルバム「Brand-new idol Society」でデビュー。2021年12月1日にカバーAL「BiS DiVE into ROCKS」をリリース予定。

Photographer:Toshimasa Takeda, Keita Shibuya, Text:Shuhei Kaneko