ステージから垣間見えたそれぞれのパフォーマンスにおけるコントラスト
縦横無尽にステージを使う『DESTROY』で、デスボイスを轟かせたのはイトー・ムセンシティ部。ネオ・トゥリーズはじめ、激しいサウンドに乗せてメンバーたちは客席に挑発的な視線を向ける。
けたたましいイントロで始まる『FUCKiNG OUT』の冒頭、雄叫びのようなシャウトを効かせたのはネオ・トゥリーズ。間奏では、チャントモンキーも力の限り声を張り上げる。曲中、生気を失ったかのような目線で客席を見つめて隣り合うトギ−とネオ・トゥリーズ、チャントモンキーとイトー・ムセンシティ部の姿が記憶に焼き付き、メンバーたちは顔が見えなくなるほどみずからの髪を振り乱す。
ヴォーカルと煽りのメリハリで観客に心が引き寄せられるのは『テレフォン』。トギーのロングトーンが要所要所で冴え渡り、グループの持つ狂気と熱気、パワフルさを存分に見せつける。
シックなイントロでスタートする『COLD CAKE』で、ここまでの激しさを忘れるかのように空気は一変。客席へ語りかけるように、ネオ・トゥリーズ、イトー・ムセンシティ部、チャントモンキー、トギ−がメロディを歌い継ぐ。サビでは、力強いギターサウンドに乗せてエモーショナルに。たがいの肩を組みながら飛び跳ねるメンバーたちに合わせて、客席の動きもシンクロする。
ヴォーカル入りのBGMを受けて披露したのは『thousand crickets』。いっさい口を開けずにラジオ体操を模した振り付けをするメンバーたちにつられて、観客たちの体も動く。ステージでは無言のパフォーマンスが続き、激しいヘッドバンキング、そして、楽曲終わりまで続くスクワットにも客席は食らいつく。
流れるようなピアノの音色で始まる『つよがりさん』では可憐に。心臓を震わすかのようなバスドラムの力強い音に併せて、胸元を強く叩きつけるメンバーたち。力を振り絞るかのように踊るチャントモンキー、優しく客席へ微笑むトギ−、しなやかに舞うネオ・トゥリーズ、感情を精一杯込めて歌い上げるイトー・ムセンシティ部と、それぞれのコントラストが垣間見えた。