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イラストレーターloundrawによる初監督映画

オリジナル短編アニメーション映画『サマーゴースト』の公開記念舞台挨拶が、11月14日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。

本作はイラストレーターのloundrawによる初監督映画で、脚本は安達寛高(乙一)が担当した40分作品。

花火をすると若い女性の幽霊が現れるという、都市伝説“サマーゴースト”。噂によると、外見は二十歳前後の女性で、髪が長くて黒い服を着ており、自殺したのだという。これに影響を受けた3人の高校生、杉崎友也、春川あおい、小林涼が、夏休みにこの幽霊を探すために集まった──。

映画の上映後に杉崎友也役の小林千晃、春川あおい役の島袋美由利、小林涼役の島崎信長、幽霊・佐藤絢音役の川栄李奈、そしてloundraw監督が登壇し、満場の拍手で迎えられた。

小林は「アフレコしたのが2、3カ月前で、公開まで短かったんですけど、今日という日を待ちわびていました」と感慨深げに挨拶。

島袋は「今日これだけの方に来ていただいて、『サマーゴースト』が着々といろんな方に届いているのだなぁというふうに感じられて大変嬉しいです」と笑顔で挨拶。

島崎は「小林涼役の島崎信長です。皆さん、どうでした?」と向けると、満員の観客席はスタンディングオベーションさながらの大きな拍手でアンサー。「ありがとうございます!」と返した島崎は、「アフレコ用に資料として台本とVTRをいただくんですけど、僕すごい好きなやつだと思ってわくわくしてアフレコに向かいました。できあがったのは、アニメーションで新しいことをもっとできるんじゃないかと思わせるような作品で、非常にテンションが上がっております」と、熱量たっぷりに語った。

川栄は「私、(キャストの)皆さんとお会いするのが今日が初めてで」と、コロナ禍もあってアフレコがそれぞれ個々で行われたことを伝え、「皆さんの声がよすぎて、さっきから聴き入ってました。短い時間ですが、楽しくお話しできればなと思います」と、客席を見渡して満悦の表情。

loundraw監督は緊張の面持ちで、「正直、やっと今日という日が来たなと思っています。今日という日は一日しかないので、こうして初めて映画を観てくださった方のお顔を見られたというのが僕は嬉しいです」と興奮を隠せない様子だ。

この作品に込めた気持ちについて、loundraw監督は「“生きている”ということに対して疑問を持っている子たちが、幽霊と会って、ひと夏でいろんなことを経験するというお話です。決して強いメッセージを押しつけたいわけではなくて、この映画を観て、何か一歩前に進むきっかけになったらいいなと思っています。4人のキャラクターの心の動きをすごく意識していて、観ている人が『これ私だな』『これ僕だな』と思える要素がどこかに入っているようにと気をつけて作りました」と説明した。

小林千晃の“イケボ”を推しまくる川栄李奈

印象に残っているシーンやセリフを問われると、小林は「いろいろあるんですけど、友也でいうなら終盤に涼に言ったセリフですね。いつか終わってしまうけれども、前向きに頑張っていける気がするみたいなセリフ。本当に一歩踏み出しただけなんですけど、ずっとやりたかったことができないとか後ろめたい気持ちでいた友也が、ようやくちょっと前進した。映画的なスケールでいうとそんなに劇的ではないんですけど、いろんな方に刺さるのかなと思えて、すごい好きなシーンです。僕はハッピーになれました」と言い、「美しい景色を描いた映像も素晴らしく、40分とは思えない濃密なカット数で、劇場映えする作品です」と付け加えた。

島袋は「涼君が、友也とあおいに話しかけてくれるシーンがすごく好きです。頑張れよとかシャキッとしろよとか、そういうのじゃなくて、寄り添ってくれる言葉で、涼君らしい後押しの仕方だなというのと同時に、心にスッと入ってくる優しい言葉だなと感じて、私はそのシーンとセリフがすごく好きです」と、想いを込めて語った。

涼役の島崎もこれにうなずき、「あのシーンいいですよね、フワッとしてるのがリアルで、ドラマチック過ぎなくて。この世界が本当にあって、そこでちゃんと生きてる人たちが描かれていて、生きているからこその細かい所作や感情の動きを随所で感じさせてくれる作品で」と語る。そして自身のお気に入りは、「『いつまでもガキみたいなことしてんじゃねぇぞ』ってセリフです。最後の『ぞ』がすごい好き。あんまり『ぞ』って言わないじゃないですか? ドラマ的というかアニメ的というか、芝居がかった言葉だけど、一生懸命何を言おうかなと考えていたからこそ、ああいう言い回しになった。そこまで本当に普通の言葉で喋ってるから、違和感あるけども、生きているからこそ出てくるリアリティだなと思って僕は好きなんですよね」と回答し、「まだまだあるんですけど、僕いつも長くなるんで、このへんで自重したいと思います、こちらからは以上です!」とまとめ、島崎のファンは大ウケ。

小林と島崎が挙げたシーンがやはり好きだと言う川栄が、「あおいちゃんの最後のシーンが本当に好きです。あおいちゃんってすごく応援したくなるキャラクターで、あそこで一歩を踏み出せたあおいちゃんを観ていてガンバレーッ!という気持ちになれました」と話すと、あおい役の島崎は「嬉しいです、このまま帰れそうです!」と満面の笑み。

幽霊の絢音を小林が「ミステリアスで茶目っ気もあって魅力的」と評すると、演じた川栄は「私は、友也君の声がもう(先にアフレコで)入ってて、めっちゃいい声って聴き入ってしまいました。さっき楽屋で打ち合わせしたときも、『はい』って返事を一言聞いただけで、うわッ!と思ってしまったくらい素敵だったので」と、自身の役の話は忘れて小林の“イケボ”をひたすら推す。

キャスト陣とloundraw監督の忘れられないひと夏の出会いとは?

本作のテーマである「忘れられないひと夏の出会い」に掛けて、夏の思い出を尋ねられる一同。

川栄はこの作品に登場する線香花火が好きで、「ちっちゃい時にお父さんとお母さんと、ベランダで冬でも線香花火をやっていたんです。夏は花火大会に家族や友達と出かけました」と言い、loundraw監督に線香花火を選んだ理由を問う。loundraw監督は「夏に花火というのはみんなが経験しているわけではないだろうけど、僕にとって花火は特別なものなんです。夏は死者が帰ってくるというお盆もあるし、“サマーゴースト”との親和性もあると思ったので」と、自身の思い出を重ねて、3人が線香花火をするシーンが誕生したことを明かした。

島崎は「夏の思い出は『サマーゴースト』との出会いです!」と切り出し、今回のアフレコが「座って行われた」ことを客席に披露し、他のキャストも「そうだった」「びっくりした」とうなずく。「力を抜くために座って行うことになったんですけど、普通アニメはやらない。一番声を出しやすい立ち姿勢で両足を肩幅に開いてやるんですけど、既存のものにとらわれず表現したいものを追い求め、どういうやり方が一番いいんだろうというのを突き詰めてるんだ、いいなぁって僕はアフレコでテンションが上がった」と言うと、共演者も「楽しかった」と同感の様子。ここで年長者の島崎が、「でも僕は立ってたほうがリラックスできる身体になっちゃってたから、僕だけ立ってアフレコしたんですよね」と話すので、みんなは「えー!?」と返した。

さらに島崎は「途中であおいがテンション上がっていくところとか、好きなシーンがいっぱいあるんです」と、観客の同意を呼ぶ旺盛なサービス精神を発揮し、「画(え)の話とかもしたいんだけど、時間がないのでもうやめておこう、僕のひと夏の思い出でした!」と締め括った。

島袋が「小さな頃に線香花火をしていて、足に落としてしまったことが忘れられない。熱さがすごいんですよ。だから映画の中で友也君が顔の前あたりで花火してるのを見てチャレンジャーだねと思って、この思い出がよぎっちゃいました」と言うと、小林も花火を挙げ、「中学生ぐらいに近所の大きい公園で5、6人で花火をしてたんです。僕がはしゃいでやってたらやけどをしちゃって、1人だけ『大丈夫?』って心配してくれた子がいて、男の子ですけど友達として好きになっちゃいました。これがきっかけで、その子とは高校に行っても仲良くて、人生ふとした瞬間に大事な出会いがあるんだなと思いましたね」と回想する。

最後に、登壇者が挨拶とともにあらためて作品の魅力をアピールする。

島崎は「参加してる側の人間が楽しんで熱意を持ってやっているものって、作品に乗っかって皆さんにも伝わるんじゃないかなと思っています。この作品もそういう仕上がりになっているんだと最初の拍手を聞いて確信しました、満足です」と力強く語った。

島袋は「刺さる方にはとことん刺さる作品になっているのではと感じています。皆さんの心に残るものが1つでもあれば私もすごく嬉しいです」とメッセージ。

川栄は「40分の中に、主人公たちのひと夏の思い出がギュッと詰まっていて、画も繊細で奥行きが深くて綺麗なので、ぜひ映画館で観てほしいです」とプッシュ。

小林は「出会いが作品のテーマの1つでもあって、友也が出会いのおかげで人生観が変わったように、皆さんもこの作品と出会って、人生に何か変化が起きるようなことがあったらすごく嬉しいです。それくらいのパワーが秘められている作品だと思っています」と、思い入れの深さを語った。

loundraw監督は「初めての監督作品ということで、どんなお話にしようかと全員で考えて『サマーゴースト』が生まれたんです。イラストレーターだった僕がアニメーションを作るに当たり、なぜ自分はこの仕事をしているのか? という思いも込めました。死にまつわる話ではあるけれど、生のお話でもあります。皆さんの感想をぜひ聞かせてください。ありがとうございました」と締めた。

Information

『サマーゴースト』
絶賛全国ロードショー中!

【CAST】 
杉崎友也役:小林千晃、春川あおい役:島袋美由利、小林涼役:島﨑信長
佐藤絢音役:川栄李奈

【STAFF】 
原案/監督:loundraw
脚本:安達寛高(乙一)
キャラクター原案:loundraw
音楽:小瀬村晶、当真伊都子、Guiano、HIDEYA KOJIMA
企画:FLAGSHIP LINE
アニメーション制作:FLAT STUDIO

製作・配給:エイベックス・ピクチャーズ
Ⓒサマーゴースト

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Reporter:Takehiko Sawaki