一匹狼だった時期が長かった
――メジャーデビューから約1年が経過しました。どんな1年でしたか?
Novel Core 昨年10月にBMSG(※SKY-HIが立ち上げたマネジメント/レーベル)が設立されて、最初は日高さん(日高光啓=SKY-HI)と僕の2人からスタートしました。この1年間でBE:FIRST、Aile The Shota、トレーニーの皆…と仲間が増えて、めまぐるしく環境が変わりました。仲間が増えたことによって感じる刺激もありますし、いろいろな取り組みが枝分かれしていって吸収することが多い1年でした。
――以前、本誌でSKY-HIさんをインタビューした際、Coreさんについて「自分に似た境遇を感じるアーティスト」と仰っていました。それはCoreさん自身も感じることですか?
Novel Core きっとお互いに孤独と向き合う時間が多いタイプなんじゃないかなと思います。以前、日高さんがインタビューで「胸を張って仲間だと言い切れる人は、決して多くはなかった」みたいな話をされていましたが、僕も同じで。友人は沢山いても、色々な感情を分かち合いながら歩いていく 〝仲間〟 という存在は今までほとんどいませんでした。一匹狼だった時期が非常に長かったので、そこは似ているかもしれません。
――インディーズからメジャーに変わることで意識の変化はありましたか?
Novel Core いろいろなフィールドを経験させていただく中で、メジャーレーベルだから、インディーズだからというよりは、一人の人間として、チームのスタッフさんたち一人一人の目を見て向き合うようにしていて。そこはメジャーデビュー後も変わらず意識し続けていることなので、インディーズとメジャーを行き来している中で自分のスタンスとして大きなズレはないですね。
――MCバトルに積極的に参加していた頃は、メジャーな仕事をすることについて相手からディスられることも多かったと思います。当時はどういう心境だったのでしょうか?
Novel Core 当時はかなり気にしていました。それこそまだ十代半ばで、単純に身体と心の成長が追いついていなかった時期だし。あまり心のバランスも良くなかったので、言われたことに対して深く傷ついたり、逆に噛みついたりしていました。今は自分のスタンスとして、自分がやりたいことを一生懸命やっていくという明確な意思を軸にしながら、自分と同じように周りの人たちにも守るべきものな譲れないものがある訳だから、それもリスペクトしたいと考えるようになりました。だから、最近は何を言われても、「1曲作れるやん」ぐらいに済ませられるようになりました(笑)。
――ラップのスタイルやリリックも大きく変化している印象です。
Novel Core MCバトルに出ていた時期は、スカしているかっこよさみたいなものに憧れていたし、人前で涙を流すことも避けていました。MCバトルから離れたくらいのタイミングから、自分に素直に生きるほうが、長い目でキャリアを見たとき、絶対に健康的だなと思い直して。僕が素直になったら、周囲の人たちも壁を作らずに接してくれるようになって、気持ちの変化と共に音楽のスタンスも大きく変わりました。自分から変に壁を作っていたことを後悔して、素直に思ったことや感じたことを歌うようになりました。
――楽曲もヒップホップという枠にとらわれず、いろんな方向性にチャレンジされています。
Novel Core BMSGに入ってからは、常に日高さんが近くにいるのが大きいと思います。日高さん自身がいろんなジャンルをオールラウンドにこなす方だし、どの側面も 〝圧倒的にプロ〟 なので、日高さんが近くにいると、今の自分に慢心することは絶対になくなる。必然的にクオリティーを上げることや、ボーカルの種類を増やすことなど、課題を見つけてチャレンジしていくようになりました。
――もともとはどのような音楽を聴いていたんですか?
Novel Core ロックもクラシックもJ-POPもK-POPも、オールジャンルです。昔からめちゃめちゃ音楽が好きでした。でも、その数のインプットに対し、アウトプットする機会が少なかったので。BMSGに入ってからはその機会を増やしていただいているので、いろいろ試してみています。
――メジャーになってから歌モノも増えています。
Novel Core 自分で聴いていても、今回のアルバム『A GREAT FOOL』と、インディーズで自主制作した前回のアルバム『WCMTW』とでは明確に差が出たと思っていますし、クオリティー面に関しての意識が圧倒的に上がりました。歌詞の聴き取りやすさやピッチの安定感など、根本的な部分を含めて、大きく成長できました。この1年で少しずつ色んなスキルがついて、できることが増えたので、その喜びは大きいです。