逆境に立たされたときに真価が発揮されるタイプ

――新しいスタイルに挑戦する上で、参考にしたことはありますか?

Novel Core BMSG主催のオーディション「THE FIRST」が放送されていた期間に、参加者のみんながボイトレの先生や日高さんからディレクションを受けている様子を番組上で見ていて、それをとことん盗んでいったという感じです。

――視聴者として盗んでいたんですか(笑)。

Novel Core そうなんです(笑)。自分はボイトレ等はまだ完全未経験なので、番組をひたすら見て、巻き戻したりして「なるほど、ここからこう声を出すんだな」とか「こういう意識で声を出しているんだな」と勝手に盗んで、レコーディングした自分の声と何回も聴き比べて、自宅でトライアンドエラーを繰り返していました。「ここは巻き舌が少し入るといいな」「意外と自分はファルセットの音域が広いな」など、いろいろな発見がありました。

――『A GREAT FOOL』のコンセプトを教えてください。

Novel Core ちょうど20歳になったタイミングから制作がスタートして、21歳になるまでの1年間を切り取ったアルバムで。子どもから大人になっていく瞬間、その境目で制作したアルバムという感覚があります。絵空事で腹を抱えて笑えていた子どもの頃のまま生きていたい気持ちもあるし、大人としての協調性みたいなものが必要になる瞬間もあって…子どもと大人の狭間の感情を素直に描写しました。「A GREAT FOOL」というタイトルは「恐れを知らない大馬鹿者であれ」というコンセプトに基づいたものです。僕達人間って大人になっていくにつれ、少しずつ賢くなっていって、身の丈以上の夢は見ないように、自分らしさを押し殺すように、諦めて生きていくことに慣れていく。でも僕は、馬鹿を見てもいいから、常に根拠なき可能を掲げて生きていきたい。そして皆にもそうあってほしいという思いを表現した作品です。

――豪華なアーティストとコラボされていますが、どのような基準で選ばれたのでしょうか?

Novel Core 後にも先にも「1st」が付く作品はこれが最後です。何年か経って改めて聴き返したときに、一緒に作ったことに意味があったなと思える人たちとやっておきたいという気持ちから、SKY-HIさんやAK-69さん、SG(ソギョン)くんに声をかけさせてもらいました。

――先行シングル「PANIC! feat. SKY-HI」は、どういう経緯でコラボしたんですか?

Novel Core 『WCMTW』のときに日高さんと「Doze Off」という曲でご一緒させていただいて。そのときは先輩後輩という感じで、まだレーベルの話は出ていなかったので、お互いがお互いのインディペンデントな車に乗って、ブレーキを踏まずにレースをしている感覚でした。それから1年経って、今は共に人生を歩んでいく関係になり、2人で同じ車に乗っかって、いろんな感情を味わいながら生きている。それを改めて楽曲にしたかったんです。それで日高さんに「また1曲やりたいんですけど、どう思いますか?」と言ったら、二つ返事で「やろうやろう」とOKしていただきました。これも日高さんと僕の共通点の1つなんですが、痛み、苦しさ、焦りみたいな負の感情を、アトラクションとして楽しむ性質があるというか、逆境に立たされたときに真価が発揮されるタイプで。それを曲にしてみたという感じですね。

――AK-69さんはヒップホップ界のレジェンドの一人です。

Novel Core AKさんはまさにヒップホップシーンのキングという認識です。緊張感がありながらも、いつも優しく接してくださって。世代間のヒップホップに対する向き合い方の違いはありますが、お互いの世代に圧倒的なリスペクトがあるので、刺激が多くて楽しいコラボでした。

――ちなみにMCバトルに出ていた頃、先輩たちと戦うのはいかがでしたか?

Novel Core やっぱり、やりづらいですよ(笑)。バトルはエンタメというか、プロレス的な要素もあって。でもお客さんたちは本気で戦っているところを求める性質もあります。長い間MCバトルシーンにいると、仲良くなっちゃうんですよね。でも、いざステージで対面したときには、相手を迷いなく斬りにいく必要があって、、そこに最初は抵抗感もありました。ただMCバトルで強い先輩方、たとえば呂布カルマさんなんかを見ていると、迷いなく相手を斬っていくんですけど、そこにはリスペクトがあるんですよね。自分にない一面だったので、すごく刺激をもらいます。

――当時はCoreさんも迷いなく先輩方を斬っているように見えていました。

Novel Core バトルのときはできるだけスイッチを入れるようにしていました。ただ今年10月9日に日本武道館で開催された「戦極MCBATTLE 第24章」に出場して、それが2年ぶりのMCバトルだったんですけど、今の僕には「むずいな」と思いました(笑)。違うフィールドで音楽と向き合い続けた2年だったので、一対一で戦う難しさを感じました。