新たな世界観を提示して高得点を記録した「SEGA SAMMY LUX」
開幕戦で同率1位だった「KADOKAWA DREAMS」と「SEGA SAMMY LUX」によるオープニングパフォーマンスで幕を開けたROUND.2。
トップバッターは、「LIFULL ALT-RHYTHM」。初戦は11位と悔しい結果に終わり、雪辱を晴らすべく臨んだ今回のショウケース。「既存にはないダンスの動きを、みんなで探していく。同時多発的にいろいろなことが起こり、共時性ができて絵になっていく」というテーマを表現した。前半は黒いマスクをした6人のダンサーが、盲目と思われる男性を導き、美容師と思われる男性が彼のヘアや洋服をデザインしていく。椅子、鏡、白杖、ホウキなどの小道具を巧みに使いながら、流れるように踊り、後半は白い衣装に着替えした盲目の男性が、鮮やかに舞い、それを祝福するように他のダンサーがヘアスプレーを浴びせる。まるでアート作品を観ているような、立体感のある構成に、ジャッジの長谷川達也は「多様性を体現した作品。盲目の男性が自由を獲得していく様が感動的で、視覚的に面白かった」と評した。
©D.LEAGUE21-22
前回は10位と不本意な結果に終わった「dip BATTLES」は、その悔しさをバネに、闘志を剥き出しにした作品で勝負。ディレクターのSHUHOの他に、3人のアシスタントディレクターを擁するdip BATTLESだが、今回の作品を手掛けたのは数多くのダンス大会で優勝経験を持つWAPPERで、ウエストコーストのカルチャーを存分に詰め込んだ。プリミティブなメイクを施したダンサーたちは、ステージをストリートさながらの自由さで躍動し、緩急きいたダンスを展開。ジャッジのCHIHARUは「楽しめたし、グルーヴを感じられた」と評価しながらも、「1つの作品として良かったが、優勝するにはもっとメリハリや攻める箇所があるといい」とアドバイス。
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前回優勝の「KADOKAWA DREAMS」は、ブルーのベンチコートでカジュアルに登場。ベンチコートを颯爽と脱ぎ捨てると、赤と青を基調にしたスポーティーな衣装が現れ、アスリートさながらの戦闘態勢を感じさせる。「とにかく練りに練って、ゴリゴリに攻めていく!」というオープニング映像での言葉通り、多彩なフォーメーションを繰り広げながら、どこか不良っぽさを感じさせる不敵なダンスで突き進み、メンバーのHINATA.Mはダンクシュート以上に高いジャンプを華麗に決めて、68点という高得点をマークした。
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「FULLCAST RAISERZ」は、主役をKID TWIGGZに据えて、彼がKRUMPの世界大会で優勝したときの「Graviz」というKRUMPのスタイルを取り入れた作品で勝負。赤い手袋とキャップをポイントにして、いくつもの赤いキャップを階段のように駆け上がる斬新な技など、矢継ぎ早に大技が飛び出す立体的なパフォーマンスを展開。しかし得点は62点と伸び悩み、その要因をジャッジのUCHIKOは「前半に挑戦した技がしっかりと決まれば、もっと爆発したと思う」と分析した。
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「天使と堕天使の争い」をテーマに掲げた「Benefit one MONOLIZ」は、青とオレンジのボディコンシャスな衣装で色分けした4人ずつの2チームに分かれて登場。「ボール・ルーム」と呼ばれるヴォーギングの技を競い合うコンテストをモチーフにした作品で、2チームが覇権を争うかのごとく熱いバトルを繰り広げる。ステージ全体を使って青とオレンジが入り混じるカラフルな構成で、柔軟性を活かした軟体技が随所に飛び出した。その美しさにジャッジのテリー伊藤は「美と退廃が同居している」と絶賛した。
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前回優勝の「SEGA SAMMY LUX」は、オープニング映像でTAKIが「期待を超える作品を用意する!」と宣言。黒い布で全身を隠してステージに登場し、その布を取り払うと、同チームで初めての女性ダンサーとなるRAARA(らあら)が現れる。無数の突起物をあしらった赤いエナメルのボディスーツを着た彼女は、これまで不動の8人メンバーで闘ってきたSEGA SAMMY LUXが初めて投入するSPダンサーだ。7人の男性メンバーはRAARAと同じ衣装の黒バージョンを身にまとい、RAARAをセンターに据えながら、サイバー感のある、それでいてセクシーさも兼ね備えたパフォーマンスで魅了。ジャッジの向井地美音は「世界観にのめり込んだ」と語り、得点も75点と前回に引き続き70点台を記録してトップに躍り出た。
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