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成長期限定ならではの初々しさと純粋さが光るミモザーヌの公演

――まずは自己紹介として自身の特徴を一言で表していただきつつ、ミモザーヌの活動で得意なこと、苦手なことをお聞きしたいと思います。

きくた 私を一言で表すなら「ゆっくり」でしょうか。元々ガツガツ行けない人で、ミモザーヌでは年長者ということもあって、一歩下がって全体を見るのがクセになっています。得意なことはミュージカル。褒めていただくこともありますし、自分が一番好きだなって自信を持ってできています。苦手なことはヒップホップダンス。“ビートに乗る”のが上手くできず、いくらやってもカッコ悪くなってしまいます(苦笑)。

いわなみ 私を一言で表すと「焦り」。喋るとよく早口になってしまって、学校では「いつも焦っているよな」と言われます。今は気をつけていますが、いつ早口になるかが心配(笑)。

いわむら ゆうかは焦ったり困ったことがあると、必ず会話の間に「なんか」がついてくるんですよ。「なんか」がたくさん出てきたら「今困っているんやな」という証拠です(笑)。

いわなみ 先生に最近上手くなったと言われたのは、ウェーブ(※体を波打つように動かす技)。特にハンド・ウェーブが上手くなったと褒められました。苦手なことは「アイソレーション」(※身体の一つひとつを独立させて動かす動作)をしながらリズムを取ること。まこっちゃんと同じようにヒップホップは私も勉強中です。

いわむら 私を一言で表すと「ちょけたい」。この前もハロウィンでみんながチャイナ服のような可愛い恰好の中、私は大根の格好をしていました(笑)。

――プロフィールの特技が「変顔」とありますよね(笑)。

いわむら 私、シーンとする瞬間やピリピリした空気が苦手で、そういうときはネタに走りたくなってしまうんです。活動では最近ダンスで感情を表現することが楽しいなと感じています。特にジャズを踊るとき、表情もそうですけど動きで楽しさや怒りを表現するのがすごく好きです。逆にアクロバットが苦手。いつかバック転できるようになれたらいいなと思っています。

――ミモザーヌの活動内容を説明してもらっていいでしょうか?

いわなみ ミモザーヌは11歳から20歳までという年齢限定で活動している、女の子だけの歌劇団です。「歌劇団」と聞くと、宝塚歌劇団さんのような非常に華やかで大人なステージをきっと想像されるかと思います。私たちの公演ではダンスや歌に加え、曲の合間にセリフのやりとりを取り入れた劇風の展開があったり、アクロバットも披露したりしています。また楽曲も、ジャズやミュージカルの定番曲に加えて、サンバにロック、J-POPやK-POP風のダンス曲にアイドル風の曲と、幅広いジャンルの音楽を披露していて。懐かしさもありつつ新しさも感じられて、一つの公演でいろんなものに出会える、老若男女に楽しんでもらえるグループだと思います。

きくた 今は歌とダンスの披露が公演の軸になっていますが、ミュージカルのレッスンもしていますので、いつかは演劇もお見せできる日が来ると思います。

いわむら 全員による入れ替わり立ち替わりのパフォーマンスも魅力です。今年の夏公演では、昨年の公演で披露してきた楽曲を、メンバーと立ち位置をガラッと変えて演じたんです。私たちが見ても「演じる人でこんなに世界観が変わるんや!」とビックリしました。何より、披露するたびにみんなの成長も感じられるので、毎公演が見逃せないものになっていると思います。

きくた 10代という成長期ならではの初々しさ、この年代だからこそできるパフォーマンスや純粋さ、そういったものを私たちは公演を通して伝えられるんじゃないかなと、思っていて。応援してくださる方々には、私たちが限られた時間の中でどのように一つひとつの個性が花開いていくのか。その瞬間を、ミモザーヌという歌劇団の活動を通して楽しんでいただけると思っています。

ミモザーヌは成長に大切なことを全て教えてくれる“第二のホーム”

――みなさんは普段、どのようなレッスンをされていますか?

きくた 今は主に基礎を積み重ねています。ダンスではアイソレーションをじっくり一日かけてやったり、歌も発声の仕方やミックスボイスの出し方を、時間をかけて練習したりと、本当に初歩的なことを日々積み重ねています。最初は正直、あまりにも地道な練習が続くので、私たちも「早く振り付けしたいな」と、少しつまらなく思う時期もあったんです(苦笑)。けど、いざ振り入れとなったとき、振りがすんなり入ってきたり「この部分を動かせばカッコ良くなるやろうな」と、自分でダンスを分析しながら踊れるようになったんです。

いわなみ ミモザーヌに入る前からダンスをやっていたのですが、その時は基礎をあまりやってなかったからか、ダンスがフラフラしていて全然グッとこなかったんです。それが加入から1年半以上基礎をしっかりやってきたから、最初の頃と比べ力強さやパワーがちゃんと出せてはっきり踊れるようになりました。

いわむら 広井さんから「基礎が大事」と言われたのですが、本当に地道な積み重ねが結果に繋がってくるんやなあと、レッスンを通じて改めて感じているところです。

――現在20名以上でこうして日々の積み重ねで成長自分だけでなくみんなの成長を実感できるのも楽しいですよね。

きくた そうですね。自分が成長して褒められるのも嬉しいですけど、周りのメンバーが……例えば高音が出ていなかったのに次の週になって、高音が「カーン!」って出るようになったら自分のことのように嬉しくなります。その嬉しさは私だけじゃなく、みんな一緒で、誰かが一つ成長すると全員で喜び合っているんです。すごく素敵な関係やなあって、思います。

――基礎練習以外にも、ミモザーヌならではのレッスンがあるそうで。

きくた はい、広井さんがメンバー一人ひとりに質問をバンバンしていって、私たちが答えていくというミーティングもあったりと、発想や気持ちの出し方などの心や人間性の部分を伸ばすことも学ばせてもらっています。舞台に立つ技術を学べるのはもちろん、同年代の同じ夢や目標を持った仲間と一緒に歩める嬉しさもありますし、学校生活で悩んでいることも相談しあえる環境で。まるで第二の居場所、もう一つのホームのような場所です。

――12月には大阪、1月は東京にて、冬公演『Winter Story』が開催されます。20歳を迎えると卒団という規定により、この公演をもってきくたさんが卒団の運びとなります。この公演にかける想いを聞かせてください。

きくた あと一月で卒団するという現実に、まだ実感が湧いていません。ただ、レッスンのたびに、「まこっちゃんとのレッスンが最後になっていく~!」って、泣き始める子もいて、本当のことなんだなって(笑)。こうして想ってくれているみんなとの限られた時間を、日々大切に過ごしていきたいなって思います。

いわなみ 夏公演が終わってから、次の公演でまこっちゃんとは最後なんだと思ってちょっと寂しかったんです。まこっちゃんは、私たちの面倒をいつも見てくれていて。これからは私も一期生としてみんなの面倒を見れるようになりたい。

いわむら 今もまこちゃんが卒団する実感がなくて……すごく寂しい。けど、まこちゃんが明るい気持ちで未来に旅立ってもらいたいし、このミモザーヌに入って活動できてよかったなって思ってもらえるようにしたいし。何より「この子たちがいたら歌劇団は大丈夫や!」と思ってもらえるように、まこちゃんが背中を見せてくれたように1期生としての自覚を持って、ミモザーヌを引っ張っていけるように頑張っていきたいですね。

きくた 二人の気持ちを聞いて、すごく安心しました(ニコニコ)。ミモザーヌのみんなはもう一つの「家族」。悪いことがあれば注意してくれるし、良いことがあったら自分のことのように喜んでくれる。つらいことも楽しいことも、同じ夢……「舞台に立って、歌やダンスでたくさんの人を幸せにしたい!」という目標を持ったみんなと共有できることがすごい嬉しい。この素敵な空間をみんなにはこれからも大切に育んでいってほしいですね。

私たちのステージがみなさんの勇気や希望になりますように

――皆さんはどういう夢や目標を抱いてこの世界、そしてミモザーヌに飛び込んだのでしょう?

いわむら 保育園の時にテレビで見たタップダンスに興味が湧いて、そこから家の近所のダンススクールに通うようになったんです。ある日ダンスの先生のご縁で舞台に出演する機会をいただいて、そこで初めてお芝居と歌に挑戦したんですよ。その舞台に携わっていたスタジオの方に、「もっと本格的にお芝居やってみない?」とお声かけしてもらって。その流れでミモザーヌのオーディションに巡り合いました。

いわなみ さっきも出ましたが、私は小1のころからダンスを始めました。最初は苦手というか、どちらかというと踊るのが嫌いで(笑)。それがだんだんと練習するたびに上手くなるのが面白くて、もっとダンスをやりたいと思った時にミモザーヌのオーディションを見つけました。一期生募集というところから面白そうだったし歌にも興味があったので、気になったということは受けた方がいいよねっていう流れです(笑)。

きくた 昔、子役としてミュージカルに出演していて、舞台女優さんになる夢を追っていました。ただ、学業の両立やオーディションのたびに上京したりと家計の問題で、一度諦めざるを得なくなったんです。ただ、お母さんは大変なのにいつも私の夢を応援してくれるので、その気持ちに応えないといけないなって思いながらも、何もできなくて。その中でミモザーヌのオーディション見つけたんです。もうここに懸けるしかない!という必死の想いで飛び込みました。

――学生生活と夢を追いかける活動の両立はいかがですか?

いわむら 大変かどうかと聞かれると、大変だとは思います。私の周りはすごく勉強ができるので、その子たちに追いつくには練習もしながら勉強も頑張らないといけなくて。でも、学校生活と歌劇団での生活、どっちが楽しいかとなると、歌劇団の方が絶対に楽しい(笑)。私たちの活動は学業優先で、今レッスンは土日祝日のみで。平日は歌劇団のみんなに会えない、練習できないっていう時間があるからこそ、みんなに会える日がすごい重要。今の私はミモザーヌでの活動があるから、普段の生活も楽しく過ごせているんです。

いわなみ 確かに「大変だな」と思う日もあります。でもお客さんの前に立って、私たちの舞台を見て喜んでくれる顔を見る時が本当に嬉しくて。その景色が忘れられないし、その景色をもう一度見たいから「もっと頑張ろう!」と思えます。

きくた 夏公演に中学校の頃の友だちが観に来てくれて、「すごい勇気をもらったよ」という声をもらえたんですね。20歳を迎えた私の周りでは就職活動中の子もいれば、同じようにダンスで頑張ろうと努力し続けている子と、自分の夢の道に進むために頑張る子がたくさん。ミモザーヌでの私の姿が、未来へと進む友だちの力になったということが本当に嬉しい。この一言でもっと、もっと、たくさんの人の希望になれたらいいなと思いました。

――冬公演という大きな舞台の後、ミモザーヌ、そしてきくたさんはそれぞれの夢を追いかけていくことになります。この先、みなさんはどんな目標へと走っていきたいですか?

いわなみ 2021年は少女歌劇団ミモザーヌとして、初めてお客さんの前に出る事ができて、その瞬間やっと第一歩を踏み出せました。2022年はもっとたくさんの人……日本のいろんな方々に私たちのパフォーマンスで笑顔と幸せな気持ちを届けられたらいいなと思っていて。本当に何度も言いますが、ミモザーヌの公演は音楽好きな方、劇好きな方から、いろんな方に幅広く楽しんでいただける公演だと思っているので、是非たくさんの人に見て知ってもらえたらいいなと思います。

いわむら 見る人に「楽しい!」という気持ちだけでなく、私たちが考えていること、思っていること……のような、素直な気持ちすべてを伝えられるステージを作れるような人を目指したい。

きくた 卒団後は、憧れの芸能界・舞台の世界へ踏み出していきます。一人、という不安はもちろんありますが、今まで自分もたくさんの舞台女優さんに夢をもらい憧れを抱いてここまで来たように、ミモザーヌでの学びをたくさん活かしながら、多くの方たちに夢を与え憧れになるような存在になれるようこれからも頑張っていきます。

Information

少女歌劇団ミモザーヌ冬公演
「Winter Story ~きくたまこと卒団公演~」

・大阪公演:堺市立東文化会館
12月28日(火)
① 開場 11:30- 開演12:30-
② 開場 15:30- 開演16:30-

・東京公演:草月ホール
2022年1月9日(日)
① 開場 11:30- 開演12:30-
② 開場 15:30- 開演16:30-

公式さいと

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『サクラ大戦』シリーズなどを送り出した総合クリエイター・広井王子氏が総合演出を手掛ける、吉本興業発の歌劇団。『和』の文化を背負い、“世界でも活躍できる”少女たちの成長を見守り、応援していく新しい形のライブ・エンタテインメントとして、昨年11月にお披露目。現在12歳から20歳の少女たちで結成され、1期生を始め、現在は2期、3期生と研究生を合わせた26名が所属。
きくた・まこと 2001年10月1日生まれ。大阪府出身
いわむら・ゆきね 2005年11月27日生まれ。大阪府出身。
いわなみ・ゆうか 2007年4月25日生まれ。兵庫県出身。

Photographer:Hirokazu Nishimura,Interviewer:Syunsuke Taguchi