開始から4曲で全速力の盛り上がりを構築
記念すべき10周年、そして2018年に行われた「BULLET TRAIN Arena Tour 2018 GOLDEN EPOCH」以来のSSA公演ということもあり、客席は多くのファン(8号車)で埋め尽くされた。
開演前、リョウガによる恒例の場内アナウンスが流れると会場全体がその声に耳を傾ける。新型コロナウイルス感染症対策のため、今回のライブも以前のようなコール&レスポンスはできないのが現状だ。しかし、そういった状況でも今日という日を思いきり楽しもうという8号車の熱が伝わってくる。
開始時刻を過ぎると会場に発車ベルが鳴り、大型スクリーンにメンバーの2011年デビュー当初から現在までの写真が映し出される。そして最新アルバム『DANCE DANCE DANCE』収録の『Dance Dance Dancing!』で開幕すると、メインステージ中央にある円形のミラーボールから5人が登場。白シャツに黒ジャケットという衣装のメンバーが曲に合わせてきらびやかにライトアップされる。メンバーの後ろには33名のスターダストに所属しているキッズたちがバックダンサーとしてステージに上がり、メンバーとともにパフォーマンス。彼らが生み出すグルーヴに会場全体が飲み込まれていく。
ニューカレドニアをモチーフにしたポップス曲『Magnifique』では花道を通ってセンターステージに移動。ライブ初披露ながらそれを感じさせない5人の一体感はさすがの一言。さらにその勢いをたもったままハイテンポナンバー『超えてアバンチュール』へ。リョウガの「ヘドバンタイムですよー」の掛け声とともに8号車も大きく頭を揺さぶり、会場のボルテージを一気に上げていく。畳みかけるように人気曲『OVER DRIVE』が久々に披露され、カイの「8号車―!」という呼びかけに対し8号車もペンライトで応え、開始から4曲で全速力の盛り上がりを構築する。
その後メインステージに戻り、おなじみの自己紹介へ。リョウガは「本来なら笑いたいのに、死ぬ気で我慢している気持ちが手に伝わってきます」と8号車の気持ちを代弁。また、CSテレ朝チャンネルから生中継を視聴している8号車にも画面越しで呼びかけ、現地に来られないファンへの配慮も忘れない。
カイが「今日という一日を最高の日にしていきましょう!」と声を上げると、超特急流のスイングジャズ『Table Manners』でキュートかつコミカルなステージングを見せたかと思えば、ジャケットを脱ぎすて、『You Don’t Care』、『霖雨』と極上のバラードを紡いでいく。タカシの美しい歌声とダンサーたちによる隅々まで洗練された感情表現は、これぞ超特急、と改めて実感させてくれる。
『Добрый день(ドーブリジェン)』は、ダンサー4人メインのロシアンテイストの楽曲だ。こちらはボーカルとしてタカシの出番はないものの、終盤に4人の後ろで腕を頭上に上げ三角形を作り左右に揺れるという動きを無表情で披露。これには8号車からもつい笑い声がもれる。
そしてレーザーライトが飛び交うサイバー感あふれる演出の『Time Wave』から、超特急がこの地で黄金時代の幕開けを告げた『Time of GOLD』へ、ダンスを中心としたパフォーマンスが続く。