幼稚舎から大学院までずっと慶應
――小佐野さんは幼稚舎から大学院まで慶応義塾に通われたそうですが、よかったと思うことはなんでしょうか?
小佐野 普通の学校なら、僕のような家の子は「お金持ちだから」という理由で妬まれたり、ハブられたりすることがあると思うんです。でも、慶応の幼稚舎(小学校に相当)は、ほぼ全員がある程度のお金持ちだったので、特別視されることがあまりなかった。そこはよかったのかもしれません。
――慶應の幼稚舎では、小佐野さんが「特別」ではなかったのですね。
小佐野 お金持ちのほうではありましたけど、僕の学年には、我が家も含め日本の長者番付トップ10に入る方が4人いたので、僕だけが特別ではありませんでした。
――そういった環境で教育を受けることのメリット、デメリットはありましたか?
小佐野 慶応の幼稚舎は1年から6年まで、クラス替えもなければ担任も変わりません。だから家族のような強い絆が生まれます。また、1年単位ではなく6年という長い目で生徒を見てくれる。それは明確なメリットでした。ただ、人間関係がリセットできないから、合わない人にとっては辛いと思います。デメリットは、人間の多様性が少ないというか、似たような家庭の子が多いから世界が狭まってしまうこと。中学受験や高校受験でさまざまな家の子が入ってくるから、成長するにつれてほどよく混ざり合ってはいくんですけどね。
――いわゆる「一般の人」と関わることはあったのでしょうか?
小佐野 僕の場合はめちゃくちゃありました。むしろ、そこまでハチャメチャな、漫画に出てくるようなおぼっちゃま生活はしていません。慶應は公共交通機関で通学するので、車で送迎されることもありません。慶應のいわゆる「内部生」と言われる子たちは、成金というより代々お金持ちなケースが多くて、意外と金銭感覚が普通なんです。僕も友人も、学校帰りに寄るお店はファミレスやファーストフード店でした。