みんなで1つのものを作るのが楽しくて芝居を始める
――お二人の学生時代についてお聞きしたいのですが、渡辺さんはダウンタウンさんに憧れて、中学生の頃からお笑い芸人になりたかったそうです。
渡辺 なれたらいいな……ぐらいの気持ちでした。お笑いの番組はめちゃくちゃ見ていました。
――長谷川さんも学生時代からお笑い芸人に憧れがあったんですか?
長谷川 バラエティは好きで見ていましたけど、学生時代はお笑い芸人になろうなんて考えたこともなかったですね。お笑いをやろうと思ったのは二十歳を過ぎてからですし、まさか自分が人前で何かをやるなんて考えたこともなかったです。
――高校時代はどういう進路を考えていましたか?
長谷川 何も考えていなかったです。自分でもビックリなんですけど、将来何になりたいって夢すら一切なかったんです。
渡辺 生きるだけ?
長谷川 そうそう。夢も希望も本当になかった。親と将来何になりたいんだって相談したこともないし。それで高校卒業するときに、就職するといってもやりたい仕事はないし、大学に行こうにも大学に行く頭もない。僕は絵が好きだったので、趣味でマンガを描いていて、それで友達がデザインの専門学校に行くと言うので、「じゃあ俺も行こう」って専門学校に進学しました。でも本当に行きたかったところじゃなかったから半年で辞めてしまって。その後は、どうしていいか分からなくて、バイトを転々として、その中で将来やっていきたいと思う仕事にぶち当たったら、それをやろうと思っていました。
――渡辺さんは高校時代、アメフト部に入っていたそうですね。
渡辺 高校生になって、何か部活をやろうって考えていたときに、仲の良かった奴がやっていたので、とりあえず入部したみたいな。それでも3年間、辞めずに続けました。
――クラスではどういうタイプの生徒でしたか?
渡辺 高校のときは男子校で、不良でもなく、別に勉強ができる訳でもなく、率先して前に出るタイプでもなく、普通の生徒でした。大学の系列校に通っていたんですけど、とりあえず親も大学は行ってほしいみたいなことを言ってたので、卒業後は大学に進学しました。大学に行ったら時間に余裕ができて、お笑いもできるかなと。その頃には、お笑いをやりたい気持ちも強くなっていました。
――どんな大学生活でしたか?
渡辺 それなりに大学に行って単位は取っていましたけど、ずっと酒飲んでダラダラした生活をしていました。サークルにも入っていませんでした。まあコンパにはいっぱい行ってたし、「これが大学か!」と楽しかったけど、それにもちょっと飽きてきて。そもそも本気で大学に行く気もなかったし、受かったから行ったみたいな感じで。大学に行くのも面倒くさいなって思っていたときに、高校の同級生だった江波戸邦昌(※元オテンキ。現在は引退)も大学にあんまり行ってなくて。2人で「じゃあお笑いやるか」ってNSCに入りました。大学3年生の春だったんですけど、それを機に大学は辞めました。
――長谷川さんはバイト先を転々としていく生活の中で、お芝居に目覚めたそうですね。
長谷川 カプセルホテルのフロントのアルバイトで一緒に働いている人が、劇団の主催をやっていたんです。それまでお芝居は一度も見たことがなかったんですけど、「面白そうですね」って言ったら「長谷川君もやるかい?」って。それでやってみたら、みんなで1つのものを作るというのが初めての経験で面白かったんです。それから5年ぐらいお芝居をやっていました。