ノートにしてもYouTubeにしても一番の目的は続けられること
――YouTubeチャンネル「ロザンの楽屋」は、チャンネル登録者数が15万人を超えています。時事・テレビ番組・舞台・私生活などの話題を二人だけでトークするというスタイルですが、YouTubeのために、自分たちの興味の範囲を広げようみたいなことはありましたか?
菅 それはあると思います。でも、「こう切り取ってやろう」みたいなことを思ったことはないです。
宇治原 無理してやってないんですよ。今までのライフスタイルとは何も変えていない。そうでなければ続けられないですからね。
菅 先ほどお話に出たペンは1色に通じる話ですが、たくさんのペンを使って凝ったノートにするのもいいけど、「これを一生続けられますか?」と。ノートにしても、YouTubeにしても一番の目的は続けられることだと思うんです。
――どれぐらいのペースでYouTubeの撮影をしているんですか?
菅 だいたい週に2回のペースで、4本をまとめ撮りします。
――すごいペースですね。
宇治原 編集もしないし、テロップも入れないし、僕が空いている時間にスマホでサムネイルの文字を入れるぐらいなので全然できます。
――編集や撮影方法にこだわるYouTuberも多い中で珍しいですね。
菅 自分らは逆に行って、ブルーオーシャンを目指します(笑)。
宇治原 初期と変わったのはカメラの置き方が上手くなったぐらい。最近、初期の動画って見てる?
菅 見てない。
宇治原 ひどいで……。明るさの調整もできてなくて、なんでこのまま出そうと思ったのかと。
菅 雑音がひどかったり、カメラが真ん中じゃなくて、どっちかに偏ってたり(笑)。
宇治原 よう、あの頃から見てくれたな。ありがたい話や。
菅 登録者数も、むちゃむちゃコンスタントに伸びてるしな。
――毎日10分前後のトークを違うテーマで見せる技術はすごいです!
菅 みんなやったらいいのになと思うんですけどね。どれぐらいの頻度でできるかはコンビによるかもしれないですけど、芸人やったらみんなできると思いますよ。ただ僕は何かをやるときに、まず100回できるか、10回できるか、1回できるかを考えます。YouTubeをやるときも100回できるから、このスタイルにしたんですけど、僕らは100回できても、見る人が自分にはできないと思ったら、それは僕たちの勝ちなんです。それを人は才能、努力と言うんだと思います。
――再生回数を伸ばすだけではなく、いかに最後まで見られるかにこだわるという方法もありますが、その辺は意識されていますか?
菅 意識してないです。ただ後から気づいたんですけど、テロップを入れてないんで飛ばせないんですよ。話を聞かずに飛ばしても、おじさん2人がおるだけやから持続率が異常に高いみたいです(笑)。
――最後にティーンの読者にメッセージをお願いします。
宇治原 僕は高校時代、たまたま菅さんに出会って芸人になろうと誘われ、コンビの売りになるからと京大に入りました。たぶん、その誘いがなかったら、高校3年生の時点で進路は決まっていなくて、とりあえず大学に行ってたと思います。でも、それはそれでいいのかなと。大学卒業して就職したけど、40歳になって会社を辞めて、自分のやりたい仕事を始めて幸せに暮らしている人もいっぱいいます。だから、あまり高校時代から焦る必要はないんですよね。
――いくつになっても進路変更はできますからね。
宇治原 僕らの場合は、仕事が人生の中で一番時間を使うことなので、そこが楽しかったらいいという発想のもとに、一番楽しめることを仕事にしようということで芸人になりました。でも仕事が一番重要だという人生が正しい訳でもないので、とりあえず何でもいいからお金を稼げることを見つけて、他のことで人生を豊かにするという方法もあると思いますし、焦らず柔軟に考えればいいと思います。
菅 僕は根拠のない自信ってすごく大事やなと思っていて。何かを成し遂げたいってなった場合、根拠のない自信にすがるしかないと思うんですよ。そのときに「なぜそれができると思うの?」って人から言われたりすることもありますが、根拠がないので説明のしようがない。僕らも高校時代に漫才をやってた訳でもないのに大学からお笑いを始めました。でも今は芸人として長く活動しているので、周りの言葉に惑わされず自分を信じることって大事だなと思います。
Information
『京大 芸人 ノート』
出版社:宝島社
発売日:2021年11月27日
価格:1430円(税込)
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