自分を好きになってくれる人がいるのか不安だった
――「ドラ恋(恋愛ドラマな恋がしたい~Kissing the tears away~)」の反響はいかがですか?
中村 朝ドラ(※中村は2020年にNHK連続テレビ小説『エール』に出演)と同じくらいありました(笑)。普段は友達から映画やドラマを見たよって言われることは少ないんですけど、「ドラ恋」はたくさん連絡が来ました。女優の検索ランキングでも上位になって、たくさんの方が興味を持ってくれたんだなと実感しました。「ドラ恋」では、ドラマも撮れてないですし、恋愛も上手くいってなかったですが、気にしてもらえて嬉しかったです。視聴者の方のTwitterを見たら、みなさん自分のことのように、怒ってくれたり悲しんでくれたりするんです。撮影当時は本当に辛かったんですけど、そういうコメントを見ると今になって救われている感じがして、ありがたいなって思います。
――カメラの回っているところでの恋愛は気恥ずかしい部分もありましたか?
中村 20時間くらいカメラが回っているという状況は今までなかったので恥ずかしかったです。しかも私は自分の恋愛について友達にも話さないタイプなので、日本中の方が見てくださっているのかと思うと、余計に恥ずかしかったです。
――「ドラ恋」のオーディションを受けようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?
中村 映画でも共演した江野沢愛美ちゃんが過去シーズンに出ていて、全部さらけ出して本気でぶつかる姿がかっこいいなと思ったんです。それが心に刺さって、自分も挑戦したいなと思い、受けさせていただきました。
――撮影に向けてどのような準備をされましたか?
中村 過去のシリーズをすべて見返して、演技指導をしてくださる澤田育子先生のアドバイスを復習しました。普段は撮影前に監督や共演者の方について調べるんですけど、今回は事前に誰が来るか分からないので、心構えだけしていきました。過去シリーズを見ると、私のように演技経験がある方のほうが苦戦していたのを見てきたので、自分もが怖さがありました。
――初めて撮影現場に入ったときの印象はいかがでしたか?
中村 美男美女ばかりなので、そんな中で果たして自分を好きになってくれる人がいるのだろうかと不安でした。約3週間で全6話のドラマを撮影するんですけど、6話すべて違うキャラクターでやりたいなと思って撮影に臨んだんです。ところが最初にオーディションに合格してドラマを撮影した2人の様子を見ていたときに、これは役作りとかそういうことじゃない、自分自身でいかないとダメだと思いました。そもそも「ドラ恋」に出演した理由の一つとして、本物の演技というか、演技に見えない演技というものを探しにいったのもあったので、そこは2話から意識しだしました。
――これまでのお芝居とは全く違いましたか?
中村 全く違いました。今までたくさんのオーディションを受けてきましたが、すべて「個」の戦いでした。極端なことを言うと、相手役の人がセリフを全部忘れていても、こっちは勝負しなきゃいけない。でも今回はペアなので、自分だけじゃない、相手がいるというプレッシャーもありました。「個」の戦いだったら「次に頑張ろう」と切り替えられるんですけど、ペアなので責任が重くて追い詰められました。