ゆかりの地で撮影できる喜びがあった
――主演を務めるドラマ「#居酒屋新幹線」のオファーがあったときは、どう思いましたか?
眞島 時間を持て余しがちな新幹線の中で、仕事から解放されて一人になれる自由な時間を、どれだけ充実させるか。そういうことを一生懸命やっている主人公に魅力を感じて、面白いなと思いました。
――第1話では青森、第2話では仙台と、現地のお店などでロケーションを行っていますが、実際に訪れていかがでしたか?
眞島 東北新幹線で北関東から東北の街に行くのですが、実在するお店や商品が出てきます。僕は山形県出身なので、知っている商品などもありましたが、全く知らないお店や初めて食べるおつまみが多くて、新たな発見が多かったです。仙台には親戚が多く住んでいますが、それでも初めて食べるものばかりでした。
――撮影中も旅行気分を味わえそうですね。
眞島 自分が旅をしているような感覚で臨んだ方がいいのかなと考えて、旅行気分を味わいながら撮影していました。それがこの作品にはプラスになっていると思います。
――東北人として、東北を舞台にしたドラマは感慨深いものもあったのではないでしょうか。
眞島 そうですね。うまく説明できないんですけど、この歳になったからこそ、ゆかりの地で撮影できる喜びみたいなものはあります。
――臨場感のあるシーンが多いですが、ロケはどのように行われたのでしょうか?
眞島 駅ビルのお土産屋さんは営業時間外で撮影させていただきましたが、営業時間中の撮影も多かったです。
――ドラマの大半は、眞島さん演じる高宮進のモノローグで進行します。普段の演技と違いはありますか?
眞島 モノローグがたくさんあると、撮影中のリアクションだけで勝負しなくてもいいんですよね。モノローグのテンションを状況によって変えるなど、振り幅が広げられて遊びが入れられるので、個人的には大好きです。
――新幹線の席を居酒屋に見立てて、一人で飲み食いするシーンが続きますが、表情やリアクションのバリエーションが豊富でした。いろいろ研究されたのでしょうか?
眞島 それが特にしてないんですよ(笑)。一つひとつの料理を味わって、素直に「美味いなぁ」って思いながら撮影しています。
――車内の撮影はどこで行われたんですか?
眞島 実際の車両と同じ作りになっているセットです。業界用語で「うちトラ(※身内のエキストラの略)」と言うんですけど、身内のスタッフや関係各所の同僚の方が協力してくださいました。本業の役者の方ではなく、このドラマのプロデューサーも出てます(笑)。みなさん実際にパソコンを持ってきて仕事をしながら、エキストラもやっていただいたので大変助かりました。
――高宮進のどういうところに共感しましたか?
眞島 東京までの時間を逆算して、「今日はどういう献立にするのか、どういうコース仕立てにするのか」を自分で考える。そして、主は自分一人、客も自分一人と居酒屋の設定にとことんこだわるところが好きです。進さんは家族もいて、家族思いですが、たまに一人になりたい気持ちになる部分は分かる気がします。なかなか自分一人で楽しめる時間って無いんですよね。新幹線の時間を充実させて、それを人生の大きな楽しみにしている進さんは愛すべきキャラクターだなと。
――眞島さんご自身は、普段どのように新幹線での時間を過ごされますか?
眞島 今までは特別なことはしていなかったのですが、このドラマの撮影が終わってから、かなり影響を受けまして。せっかくそういう時間があるなら、なるべく乗車する前に地酒やつまみを吟味するようになりました。最近は各地でその土地のお酒を選ぶのも楽しいです。
――改めてドラマの見どころをお願いします。
眞島 まだティーンの方はお酒を飲めないですけど、「いつか飲んでみたいな」なんて思ってくれてもいいし(笑)。それぞれの土地で実際にあるお店や商品が出てきますが、それを販売しているスタッフさんがいるし、それを作っている板前や職人さんもいるし、宣伝する部署の人もいます。一つの食べ物やお酒に、たくさんの職業の人が関わっているんだな、なんていう見方も面白いのではないでしょうか。