学校生活で心に残っている春の思い出
―新曲「春うらら」にちなんで、「春」の思い出やエピソードを教えてください。
西澤:中学3年生の1年間は、お仕事で学校に行けなかったことも多く、卒業が難しいかもしれない状況だったので、校長先生と面談がありました。面談の最後に校長先生から「お仕事を通して人間性が磨かれたんだね」と卒業を認めてくださりました。学校全体の卒業式には参加できなかったんですけど、一つの教室に学校の先生全員が集まってくださって、僕一人のために卒業式を開いてくれたんです。国歌は一人で歌ったので、少し恥ずかしかったですが(笑)。先生の優しさや温かさを実感しました。
小池:中学1、2年生は1クラス25名で過ごしたんですが、3年生になるタイミングで周辺の中学校5校が統合することになりました。そこから4クラスに分かれて、人数も一気に増えて、知らない人も多かったので不安もありました。でも、同じ市町村の学校同士だったので共通する部分もあって、すぐに仲良くなれましたし、そこで人との繋がり方が身に付きました。

西本:僕はクラス替えに全てを賭けていて、「仲の良い友達と同じクラスになれますように!」と運を天に任せながら一喜一憂していました。でも結局、時間が経つと、新しい友達もできて遊ぶようになるんですよね。―願った通りのクラス替えになったことはあるんですか?西本 一回だけ仲の良い子ばかりの、最強のメンツが集まったことがあります。めちゃめちゃ楽しかったんですけど、それだと学級崩壊してもおかしくないぐらいうるさくなっちゃうんですよね(笑)。
雨宮:僕もクラス替えなんですけど、新学期を迎えて、「ちょっと違うな」と感じた年があったんです。でも1年過ごしてみると、結果的には「このクラスで良かったな」と思うんですよね。
―新学期は自分から話しかけるほうですか?
雨宮:あまり自分からは話しかけないほうで、徐々に慣れてきてからですね。僕は五十音順だと最初のほうになるので、新学期は一番前の席になることが多いです。だいたい、後ろや横にいる子は、すぐに仲良くなります。ただ、五十音順で後ろの子は全く喋る機会がないので、時間をかけて仲良くなっていました。
宇井 私は毎学期、筆箱を新しくするんですよ。

―1年に3回替えるってことですか?
宇井 そうです。筆箱を替えると、気分も変わるじゃないですか。筆記用具が大好きで、ずっと文房具コーナーにいても飽きないです。毎学期、筆箱を替えて気分一新するんですが、新年度は特に新鮮です。
金谷 私は小学6年生から芸能のお仕事をしているんですが、お仕事に否定的な意見も多かったです。でも中学2年生あたりで、みんなが応援してくれるようになって、先輩までわざわざ教室まで来てくれて「CD買ったよ」「インスタ見たよ」と声をかけてくれました。中学3年生になると、仕事が忙しくなり、学校にほとんど行けなくなっていました。そんな時でも、合唱コンクールで優勝したら、先生がスマホでみんなからのメッセージを届けてくれたり、他にもメールなどを通して応援してくれたり。そういった中学時代の一つひとつの思い出が、高校生になって初めての新学期を迎えるにあたって、すごく励みになりました。
増子 僕はサッカー部だったんですけど、春先の大事な試合にありがたいことにレギュラーで出させてもらったんです。ところが当日、違うユニフォームを持って行ってしまって、試合が始まる直前に気付いたんです。監督は生徒指導もやっている怖い先生でした。覚悟を決めて、「先生、ユニフォームを忘れました」と言ったら一瞬、時が止まって、その数秒後に「バカヤロー!」と怒鳴られました。結局、ベンチにも入れず、遠くから試合を観て、ずっと泣いていました。しかも、その試合が負けちゃって責任を感じました。
―それは辛いですね。
増子 もうレギュラーは無理かもと落ち込みました。ところが翌朝、いつも監督は校門に立っているので、恐る恐る挨拶をしたら、「おい! 敦貴。今日は忘れ物をしてないか?」と優しく声をかけてくれたのでホッとしました。
西澤 いい先生!
―それぞれ印象的な春のエピソードをありがとうございます。今回の楽曲の話ですが、「春うらら」の歌詞は小池さんと西澤さんが、作詞家さんと一緒に共作しているんですよね。
小池 テレビアニメ『フルーツバスケット』The Finalのエンディングテーマに起用していただいたんですが、作品を見させていただいた上で、ストーリーや世界観を踏襲しつつ、GENICらしさも入れ込んで、春の麗しさを表現した楽曲になっています。
―編曲も小池さんが担当していますが、疾走感があるサウンドも春らしさを感じました。
小池 歌詞が前向きなので、サウンドでも背中を押すような爽やかな編曲にさせてもらいました。