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霜降り明星の出会いの場となった「ハイスクールマンザイ」

高校生の漫才コンテスト「ハイスクールマンザイ2021 ~H1 甲子園~」の決勝大会が開催。優勝者には「お笑い奨学金」として50万円が贈呈され、さらにNSC(吉本総合芸能学院)の入学金と授業料が全額免除となる。

「ハイスクールマンザイ」は2021年大会で19回目を数え、1,380人の高校生がエントリー。大会の累計総参加組数はついに10,000組を超えた。前回と同じく、コロナ禍に伴い予選から決勝まですべてリモートでの開催となった。

審査員はオール阪神、板尾創路、笑い飯・西田幸治と哲夫、マヂカルラブリー・野田クリスタルと村上。審査委員長はオール巨人。司会はタカアンドトシが務めるという豪華な布陣。

お笑いコンビ、霜降り明星も、かつて同大会に出場し、粗品とせいやの2人は別々の高校で参戦した3年生のときに、この場で出会った。

審査委員長のオール巨人は「僕らが優勝者にかけた言葉が一生心に残っている人もいるんです。「THE W」に出てたTEAM BANANAの2人もここで優勝してるんですよ。僕が言った言葉がずっと心に残ってて、『それが励みになってやっている』って。だから、いい加減なこと言うたらアカンで」と一同にクギを刺す。

TEAM BANANAの2人は2006年、当時「M-1甲子園」と呼ばれていたこの大会に出場し、優勝している。

オール巨人が「リモートで力を出せるような方法を考えた人が有利かもしれないね」と予測するなか、司会のトシが「新型コロナの拡散防止を考慮し、ネタは事前に収録しておりまして、その動画を見て審査いたします。持ち時間は3分。全組のネタが終了後、審査員の皆さんによって優勝者が決定します。ネタの披露の順番は、事前に抽選をおこなって決まりました」と説明。

実力派審査員をうならせる高校生たち

トップバッターは、関東エリア地区代表の「アリオス」。東京の高輪高校3年の小野雄太君と、国學院高校3年の蓼沼君のコンビ。

「将来の夢って考えたことある?」から始まり、これをお題にボケとツッコミを繰り返した。

3分のネタが終わると、コンビがリモートでの生出演となる構成。

2人に向けて、オール巨人は「ネタも言葉のチョイスもよかったし、センスがあると思いました。蓼沼君のツッコミもしっかりしてるし、大人の喋りみたいな感じがしましたね」と言いつつ、後半の展開が今ひとつと評価。

板尾は「リモートでお互いを画面で見ながらの漫才って難しいんやけど、もうちょっと友達同士らしく、自然な感じの会話のほうが面白くなるのかなと。ネタはいい感じでできたいただけにね」と評した。

2組目は近畿エリア地区代表の「レイジークラフト」。京都の洛星高校2年の安本悠人君と、鴨沂(おうき)高校2年の石山蓮也君のコンビ。

「消灯時間が終わった後、恋バナするのってめっちゃ恥ずかしくない?」から始まり、「おそろいのパジャマで寝る」など、修学旅行の話かと思いきや、途中で「刑務所」の話だと分かるという意外な展開が光った。

生出演の2人にオール阪神は、「リモートならではの間が空くことなく、だいぶ練習したのかなと思う。劇場の舞台でやったら、もっと動きを見せると思うけど、画面からハミ出てしまいそうになるところを工夫して頑張ってましたね」と高く評価。

笑い飯・哲夫は「恋バナから入って、相手を名前じゃなく番号で呼ぶという積み重ねから、実は刑務所だったと裏切る展開は理想的な漫才」と讃えた。

3組目は北海道・東北エリア地区代表の「サボタージュ」。ともに北海道の富良野高校3年の寺岡玲音君と、本田宗靖君のコンビ。

「好きな食べ物」をネタにして、ボケとツッコミの応酬を見せた。

板尾は「すごくテンポもネタもよかったんじゃないですかね。こっちに入ってきましたし、何をやりたいのかも伝わった」と褒めた。

笑い飯・西田は「2人ともおしゃべりが上手で、聞きやすかった。ツッコミの寺岡君のキャラもよかった」と評した。

4組目は九州・沖縄エリア地区代表の「せうたしゅんすけ」。福岡大学付属大濠高校3年の石田将大君と、2年の本多俊裕君。水泳部の先輩後輩のコンビ。

「子供の頃に食べていたもの」をネタにボケ、ツッコミを繰り返した。

オール巨人は「ネタを聞いていて、こっちが『待てよ』と頭を働かさないといけない部分がある」と、いくつかの固有名詞が引っかかったと指摘。「ツッコミもちょっとリキみ過ぎかな。でも、高校生の観客がいたら爆笑すると思う」とエールを送る。

マヂカル・野田は「将大君のお笑いへの熱がすごいと感じましたけど、ネタの内容に今は集中し過ぎてると思う。これからどんどん人前でやっていくと、めっちゃ面白くなっていくでしょうね」と、しゃべりの熟成に期待を寄せた。

リモートの特性を活かしたネタが勝負のカギ

5組目は中国・四国エリア地区代表の「うるをぼえ」。ともに岡山県の矢掛高校3年生の佐藤大地君と、山縣健明君のコンビ。

岡山弁を武器に、去年の敗退の屈辱を晴らすべくラストチャンスに挑む2人。ネタはリモートを活かしたもので、面接官と志願者による「リモート面接」だ。冒頭から大ボケ炸裂で、3分間を駆け抜けた。

オール阪神は「去年はリモートで苦労したから、リモート面接のネタを考えたんやね。なかなかよかった」と感心。

マヂカル・野田は「めっちゃ面白かったです。“つかみ”が早いし、グッと入り込めた」と高く評価した。

6組目は「レイジークラフト」と同じ近畿エリア地区代表の「サンジュウシ」。大阪教育大学付属高校3年の田中力君、徳留寛翔君、廣瀬楓馬君による、今回唯一のトリオ。

3人が並ぶ画面でのネタは、天使と悪魔のささやきだ。真ん中のツッコミ担当・廣瀬君が「道で財布を拾って、交番に届けるかどうか悩んでいる」からスタートし、右上の田中君が彼を善導する天使となり、左上の徳留君がネコババを勧める悪魔となり、好テンポで会話を展開させた。

板尾は「トリオの使い方がうまい。天使と悪魔という絵ヅラが正解で、ネタもわかりやすくてすごく見やすかった」と、リモートを活かしきったことを高く評価。彼らも「この画角になることを前提にネタを作りました」と回答した。

笑い飯・哲夫は「本当に見やすかったし、3人とも技術が高い。廣瀬君のツッコミもハキハキとして間合いもいい」と絶賛し、「これのロングバージョンも見たい」と締めた。

7組目は東海・北陸・甲信越エリア代表の「アンリミテッド」。三重県の皇學館高校3年の田中裕樹君と、津工業高校の3年の鈴木大暉君のコンビ。

ファミレスを舞台に、店員といろんな客が掛け合いを見せ、壮大なボケを連発させた。

オール巨人は「ボケをしょうもないなと思ったけど、つまらないネタ振りだと見せて、後で回収できてて、なるほどと思わせた」と褒めつつ、リモートならではのぎこちなさを残念な点に挙げた。

笑い飯・西田は「登場人物が増えると、2人でやるリモート漫才は難しいなと感じたけど、ネタはすごかったです」と評した。

最後となる8組目は、「アリオス」と同じ関東エリア地区代表の「タイフーン」。3年生の高野(こうの)朝慶君(高校非公表)と、慶応義塾高校3年の藤岡源君のコンビ。

ネタは、「行けなかった修学旅行」をシミュレーションしつつボケまくるという、高校生らしいもの。

オール阪神は、行きの飛行機の機長までが旅行に参加しているというナンセンスさを褒めつつ、「だからもっと機長を前面に出して、また機長かい!と畳みかけたらよかった」と、ベテラン漫才師らしい指南。

マジカル・村上は「流れに淀みがなく、次々と場面が来るのに、こっちは置いていかれることなく気持ちよく見れました。面白かったし楽しかったし」と称賛した。

ここから、優勝者を決める審査に入る。その間、ゲストとして登場したカベポスターと銀シャリの2組が漫才を披露。その後、各人が8組のファイナリストのレベルの高さに感心し、彼らにエールを送った。

7票中6票を獲得した優勝者は?

いよいよ結果発表。優勝は近畿エリア地区代表のトリオ・サンジュウシ(田中力、徳留寛翔、廣瀬楓馬)で、出場673組の頂点に立った。

審査委員長のオール巨人が「7票中6票入っていた」とほぼ満場一致だったことを明かす。技術の高さと、やはり「オンラインの特性を活かした」ことが評価された。

ネタづくりを担当している廣瀬君は「最初に、僕がハイスクールマンザイで優勝したいと言って徳留を誘いました。もともとコンビだったのですが、リモートに決まって、3人のほうが、ボリュームがあるんじゃないかなと思って田中を誘いました。周りの応援もあったから、優勝せなあかんなと思って取り組んできました」と言い、「リモートで行われると発表されたときからネタを考え、2カ月くらい、なるべくZoomで練習していました」と振り返った。

今後の目標について、徳留君はマジカル・村上に「次はM-1」と背中を押されたことを受け、「今までは夢だったんですけど、M-1優勝が自分の中で目標に変わりました」と語った。

廣瀬君も「M-1を見て漫才を好きになりました。今年も出たんですけど、1回戦で落ちちゃって。今回、優勝したんで、力をつけてM-1で優勝したい」と意気込む。

田中君は「M-1に出るのは想像できないんですけど、憧れはあります。高校生日本一になったので、大学に進学できたら次は大学日本一になれたらいいなと思います」と当面の目標を挙げた。

この日の8組は、673組の頂点候補だけあって、劇場の舞台で観たいと思わせる実力者揃いだった。いつの日か、今回の出場者の誰かが「M-1」の決勝で活躍する姿を目撃するかもしれない。

「ハイスクールマンザイ2021 ~H1 甲子園~」決勝大会

開催日:2021年12月18日(土)
出演者:決勝進出高校生8組(各地区代表)
MC;タカアンドトシ
審査委員長:オール巨人
審査員:オール阪神、板尾創路、笑い飯、マヂカルラブリー

公式サイト

Reporter:Takehiko Sawaki