ともに全国制覇を経験している強豪同士の激突
1月9日にノエビアスタジアム神戸で行なわれた第30回全日本高校女子サッカー選手権の決勝戦。兵庫の日ノ本学園は7大会ぶり4度目の優勝を、鹿児島の神村学園は16大会ぶり3度目の優勝を目指して決勝に進出。ともに全国制覇を経験している強豪同士の激突となった。


日ノ本学園のキャプテン・MF箕輪千慧(3年)と、神村学園のキャプテン・MF愛川陽菜(3年)は、揃ってINAC神戸レオネッサへの入団が内定、同じユニフォームを着る仲間となる2人。
神村学園のキックオフで始まった試合は、早々に日ノ本のキャプテン・箕輪が右サイドからシュートを試みる。神村もまた、前半3分にコーナーキックのチャンスを得たがゴールは奪えない。
7日間で5試合目というタフなスケジュールだが、両チームの選手の動きの良さは、これまでと変わらない。
客席では、ベンチに入れなかった両校の部員がピッチの選手たちを応援。2年前、この地での決勝戦で破れ去った神村学園のOGたちもスタンドに駆けつけ、熱い視線を注いでいた。
前半38分、神村にアクシデントが発生。守備陣をまとめてきたDF井手口怜央(2年)が左腕を負傷して交代。センターバックを1人欠く中、寺師有太監督は、右膝十字靭帯の重傷から復帰したばかりの攻撃的MF稲田雛(3年)を投入。
両チームにチャンスがあり、緊迫した攻防が繰り広げられるものの、両チーム無得点で前半終了。
後半戦がスタートし、互いにゴールに迫るチャンスが増えてきたところ、後半20分、途中出場の神村・稲田が、相手陣内の右タッチライン際でボールを奪うと、そのままゴールへ向かう。エリア右に入ったところから、得意の左足で強烈なシュートを放ち、ゴール左上隅の完璧なコースへと突き刺した。
さらに攻勢に出た神村は後半40分、MF川浪実歩(3年)のスルーパスを受けたキャプテン・愛川がゴール前に抜け出し、GKと1対1の状況で冷静にグラウンダーシュートを決めた。
優勝が見えてきた神村は、後半のアディショナルタイムにも、MF三冨りりか(1年)が4試合連続となるゴールを決めて、決定的な3点目を挙げた。
今大会、攻撃力ナンバーワンと評された神村学園が16年ぶり3回目の日本一に輝くとともに、チーム史上初めて、夏のインターハイと合わせて夏冬連覇の2冠を達成した。