コロナ禍に文化庁の助成金を使って制作

――どういう経緯で、『truth〜姦しき弔いの果て〜』の制作は始まったのでしょうか?

広山 コロナウイルスが流行し始めた2020年12月にドラマ「やすらぎの郷」(テレビ朝日系)の撮影中でした。2021年2月末まで撮影があって、無事に撮り終えて3月末までオンエアされた直後に全テレビ局のドラマ撮影がストップしました。堤幸彦監督の撮影も入っていたんですけど、「中止になりました」という連絡が来て、さらに控えていた主演の舞台もストップ。モチベーションという意味では本当にやることがなくなって、ずっとお酒を飲んでいました(笑)。一人暮らしなので、人に会えない日々が続く中でZOOM飲みなどをしていて、「これじゃいけない、この状態を生きていると言わないだろう」と思ったんです。表現をすることや、作品を作ることが、自分が生きる上で核になっているから、何かをしようと思い立って。脚本家の三浦有為子さんと一緒に「リモート女子ドラマ♥ナイト用」というZOOMドラマを4月末に作りました。その後文化庁の助成金を見つけて今度は映画作りをしようと思い立ち、もともと交流のあった2人に声をかけたのが、そもそものスタートでした。

広山詞葉

――福宮さんと河野さんは緊急事態宣言が出たときに、どんな日々を過ごしていましたか?

福宮 私は息子がいるのですが、通っていた保育園も休みになって親子3人で家で軟禁状態でした。当時、息子は保育園の年長でしたが、今までのリズムを崩さずにストレス発散させる方法を考えていました。声優のお仕事も全部ストップしましたし、私が主催をしている朗読劇もキャンセルになって意気消沈していましたが、それよりも家庭のほうが心配で、近所の公園でピクニックをするなど、いろいろな工夫をして過ごしていました。

福宮あやの

河野 私は2021年1月から海外ドラマの撮影があったんですけど、1月末にはアメリカのクルーが日本から帰国しなきゃいけなくなって。その海外ドラマの撮影で、1年スパンでスケジュールをおさえていたので、予定が何もなくなりました。ただ私は普段、会社勤めをしていることもあって、英語の勉強会をやったり、会社に行ったりしていたので、そこまでサイクルは変わらなかったです。

河野知美

――助成金というのは、どのような仕組みなんですか?

広山 私たちが申請した文化芸術支援事業は、1人150万円の枠があって、団体で申請することによって最大1500万円まで助成してくださるシステムでした。私たち3人の他に、今回の映画に参加してくれたスチールの子や助監督さんにも協力してもらって、みんなで申請をしました。私が2人に声をかけたのは9月29日だったんですけど、締め切りは30日でしかも10月中に作品を作らなきゃいけないというスケジュールだったんです。普通に考えたら、映画を1ヶ月で作れる訳ないじゃないですか。だからこの期間じゃ無理だよねって話してたんですが制作期間が12月6日まで延長になったのでやろうと決めました。

福宮 その時点で決まっていたのは3人が主演するということだけで、監督はもちろん、どんな話にするかも決まっていなかったんですよね。

――福宮さんと河野さんは、面識があったんですか?

河野 なかったです。

福宮 3人でやることが決まって、ずっとZOOMでやりとりをしていたんですけど、堤監督と初めてお会いするときに、河野とも初めて会って。でもZOOMで何度も打ち合わせをしていたので、「久しぶり」みたいな感じでした。

――リハーサルもリモートですか?

河野 本読みはZOOMでやっていましたけど、堤監督とのリハーサルは稽古場を借りてやりました。

――リモートならではの利点はありましたか?

福宮 いっぱいありました。

広山 それぞれ生活リズムが全然違うので、リアルな場所に集まるとなると、調整が難しいんです。ZOOMで打ち合わせや本読みをできたのはありがたかったです。

福宮 私は子どもがいるので、寝かしつけた後だったら時間が取れますけど、家を出ることは難しかったので、ZOOMで助かりました。