刺身君がめっちゃウケたときはスベったりする

――「マイナビLaughter Night 第7回チャンピオンLIVE」でマイナビ賞を受賞しましたが、受賞直後は素直に喜ぶことができず、MCの山里亮太さんを始め、周囲が困惑していたのが印象的でした。

松本 山里さんがラジオで「そいつどいつの竹馬と刺身は共演NG」って言っていたんですけど(笑)。2020年はABCお笑いグランプリに2年連続で決勝に行ったけどダメ、2021年はキングオブコントの決勝に行ったけどダメと、立て続けに優勝を逃して、自分たちの中で1位になってトロフィーを持つみたいなイメージが湧かなくなってきたんです。でも「マイナビLaughter Night 第7回チャンピオンLIVE」は絶対に優勝したい!という意気込みで臨んで。めちゃくちゃ会場も温かかったし、ネタが終わった直後は「行ったんじゃない?」という感触もあったんですけど負けちゃって……。優勝発表の後に「続いてはマイナビさんが選ぶマイナビ賞の発表です。そいつどいつ!」と発表され、山里さんも「よかったねぇ」みたいなテンションで来たんですけど、「そうか、優勝じゃないか……」と。

市川 先にマイナビ賞をいただいていたら、「ああ、優勝はなかった」というショックはありつつも、喜んでいたと思うんです。でも優勝発表の後だったので喜びよりも悔しくて。

――実際に会場で見させていただきましたが、めちゃめちゃ面白かったです。披露したネタはどのように決めたのでしょうか?

松本 予選でやったネタは使えないので、自分たちが自信のあるネタで、なおかつラジオだけに、言葉だけで伝わるものをという基準で「森の精」というネタを選びました。

市川 でも僕らはビジュアルを重視したネタが多いんですよ。

松本 画(え)の力だけでいってるので。だからラジオ用のネタを1個作ってみて、それで予選に受かって、月間チャンピオンになれたので、今回も自分たちの中で強いネタの中から、ラジオでも伝わるような、言葉で笑えるようなネタをチョイスしたんです。ところが優勝した金の国のネタを聞いてみたら全くそんなことなかった!

市川 僕らも言葉のないサイレント系のネタもありますから。でもラジオでは絶対に伝わらない。

――ひたすら客席の笑い声だけが聞こえてくるという(笑)。

市川 それはそれで面白いかも(笑)。

松本 まあラジオのことを抜きにして、単純に自分たちの中でキングオブコントの決勝やメディアに出していないネタで、一番自信のある強いネタがあれだったんです。

――あのネタはどういう流れで考えたんですか?

松本 『ONE PIECE』でガイモンっていう宝箱に挟まっていた奴がいて、ルフィたちが森の中に入ろうとしたら「この森から出て行け」と言うんです。そのシーンに限らず、そういう設定自体はあるあるだと思ってたので、よそ者は森から出て行ったのに、ずっと森の精が「出ていったか?」と言ってたら面白いなと。そこから見せ方をどうするか考えていきました。

――設定ありきだったんですね。

松本 だいたい僕らは設定からですね。2021年のキングオブコントの準々決勝の前に、1年間かけてずっと調整していたネタがあったんですけど、全然ウケなくなってきて。それで1カ月前ぐらいに「そういえば昔の設定あったな」っていうので無理やり引っ張り出してきて、そこから「これ新ネタだけどキングオブコントの準々決勝までに叩いてみるか」と叩いてみたら、そのネタがどんどんどんどん伸びてきました。それで「森の精」を準々決勝でやったらめっちゃウケて、準決勝に進むことができました。

――昔のネタを叩き直すことは、よくあるのでしょうか?

松本 新ネタライブとかで追い詰められたときに、昔のノートを開いて、「あれ?これ良さそうだな」って引っ張ってくることはありますね。

――普段はどちらがネタのイニシアチブを取っているのでしょうか?

市川 100%竹馬です。

松本 結成当時は一から百まで台本に書いて刺身君に渡していたんですけど、全く笑わないんですよ!真顔で読んで「やろうか」っていう態度が、徐々に腹立つようになってきたんです。

市川 いやいや、真剣だからだよ!

松本 手書きのときもあったんですけど、その手書きの文字でも笑わない。文字がかわいそうだなと思って、言葉で説明するようになって、それでいいじゃんってなって台本に起こすようになりました。今は大まかな設定や流れを考えて、ネタ合わせで刺身君と会ったときに、「こういうのあるんだけど」と説明して、いいじゃんって言ったのを合わせてみて、やりながら後で台本にしています。

――刺身さんは、最初からダメと言うこともあるんですか?

市川 ダメとは言わないんですけど、意味がよく分からなかったりしたときは言います。

松本 刺身君がめっちゃウケたときはスベったりします。逆に刺身君が「このネタは点と点が線で繋がってないな」と言ったネタが、実は繋がっていてめっちゃウケたりします。

市川 たぶん僕ズレているんですよ。

松本 深夜ノリとかめっちゃ好きなんで、オナラが出てきたら絶対笑うんですよ。

市川 オナラ面白いですよ。30歳超えた今でもおもろいんだから、たぶん死ぬまでおもろいっすね。