個性的な髪型が災いして大学では友達ができなかった

――市川さんは、昔からお笑いが好きだったんですか?

市川 僕は小学生の頃からずっとお笑いやりたいなと思っていました。わりと学校でも人気者というか、目立ちたがり屋みたいなキャラクターでした。ただ家が厳しくて、自分にチャンネル権もなくて、みんなが見ていたようなお笑いの番組は見ることができなかったんです。中学生のときに、たまたま『爆笑オンエアバトル 』(NHK)で佐久間一行さんのネタを見て、お笑いっていいなと改めて思いました。高校を卒業してNSCに入ろうとも思ったんですけど、エスカレーター式の高校だったので、そのまま大学に進学しました。

――大学生活はいかがでしたか?

市川 高校から一緒に上がった友達はいましたけど、新しい友達は一人もできなかったんです。しかも辮髪っていうラーメンマンみたいな髪型だったんです。自分ではめっちゃかっこいいと思っていたんですが、髪型が変わっていたのと、宗教学科だったこともあり「教祖」って呼ばれていました。

――あだ名が教祖だと、なかなか周りは近付きにくいですね(笑)。

市川 僕が道を歩くと、みんな少しよけるんですよ。モーゼの十戒みたいな(笑)。大学って最初にコケると挽回が難しいので、めちゃくちゃ失敗しました。それで、お笑いの世界へ入ったら友達ができると思ったんです。NSCでも「変な奴だ」って言われていましたけどね。誰もコンビを組んでくれなくて、でもとりあえずやるしかないと思って、ネタ見せのときに辮髪のままでおじいちゃんのコントやったら、先生に「お笑いをなめるな」と言われました。

――お二人がコンビを組んだのはNSC入学から何年後ぐらいですか?

松本 3~4年目ですね。

市川 竹馬は僕と組む前に、4回くらいコンビ組んでるけど、相方は全員辞めてます。僕は1回だけ6歳上の子と組んだことがあるんですけど、もう二十代後半だから酸いも甘いも知っていて、タイムリミットがあるような状態だったんです。案の定、解散して1人でやってたら、竹馬が誘ってくれました。

――最後に、紆余曲折があっても、今までお笑いを続けてこられた理由を教えてください。

松本 この世界に入ってから、どんなことがあっても絶対10年はやろうと決めていたので、意思を貫く力ですかね。

市川 自分を客観的に見て、自分自身が見てらんねえな、笑えないなってなったら辞めようと思っているんですけど、そうならないために頑張るというのはあります。僕が唯一、自信があるのは諦めないで半べそかきながらでも頑張ってきたことです。あとコンビ間の関係性も大きいですね。コンビって、けっこうケンカするんです。たぶん相方も僕の嫌なところは100個ぐらいあると思うんですけど、そこで相方に文句を垂れて辞める人が多いんですよ。

――嫌な部分も含めて、お互いを認め合う姿勢が必要ということでしょうか。

松本 それがないとコンビは上手くいかないと思います。

市川 マイナスばっか見てもしょうがない。

松本 ぶつかることもありますけど、コントをやるなら、お互いに相方が一番いいんだろうなというのがあるから、解散まで行かなかったと思います。今解散しても、もう先がないというのもありますしね(笑)。

Information

『マイナビ Laughter Night』
TBSラジオ
毎週金曜24:00~25:00オンエア

公式サイト

そいつどいつ

芸人

NSC東京18期。2015年4月結成。「第40回ABCお笑いグランプリ」決勝進出。「キングオブコント2021」ファイナリスト。市川刺身(いちかわ さしみ): 1989年12月27日生まれ。東京都出身。東海大学卒業。松本竹馬(まつもと たけうま):福岡県出身。1989年8月31日生まれ。宮崎大学卒業。

Photographer:Yuta Kono,Interviewer:Takahiro Iguchi