2.5次元が世間に広がり始めてきた

——橋本さんが芥川龍之介、鳥越さんが中島敦を演じる映画『文豪ストレイドッグス BEAST』は「文スト」シリーズ初の実写映画となります。本作の映画化が決まったときの感想をお聞かせください。

橋本 舞台でたくさんのシリーズを演じさせていただいた『文豪ストレイドッグス』が、まさか舞台『文豪ストレイドッグス(以下「文ステ」)』のキャストのままで銀幕に行くなんて誰も想像していなくて。だから、最初聞いたときは驚きとともに、今までやってきたことは正しかったんだと、報われた気持ちになりました。みんなの気合も十分で、とにかくいいものを作るぞと思っていました。

鳥越 『BEAST』はアニメでも映像化されていない物語ということでプレッシャーもありましたが、逆にそのプレッシャーを活かそうと。それに、発表があったのが舞台『文豪ストレイドッグス 三社鼎立』の千秋楽で、お客さんのどよめきや反響がすごかったんです。だからこそより想いのこもった豊かな作品に仕上がったのかなとは思っています。

——2.5次元の舞台が実写化することが増えてきていますが、お二人はどのように感じていますか?

橋本 ありがたい時代になったと思っています。以前は舞台と映画は別物で、舞台は舞台の役者さん、映画は映画の役者さんが出演するというイメージがありました。その概念を覆すというか、最近はそれだけこの2.5次元が世に広まってきた証拠なのかなと。本作もきっと多くの人に見ていただけるので、下手なものは作れないというのは第一にあって。嬉しさと頑張るぞという気持ちが両方ありました。

鳥越 2.5次元の役者だけで映画をここまで大々的にできるようになったのは、やっぱり2.5次元が世間に広がり始めてきたということ。おかげで僕らもこうして映画の分野でも戦えるようになってきたのかなと感じるようになりました。

——映画では本来の「文豪ストレイドッグス」シリーズの主人公だった中島敦がポートマフィア、芥川龍之介が武装探偵社に所属するという真逆のif世界が描かれています。お二人から見たお互いの役の印象や魅力について教えてください。

橋本 「文ステ」では、武装探偵社に入った頃の中島敦くんというのはどこか自信もなくて、周りの人に支えられて成長していくんですが、この『BEAST』に関しては最初からめちゃくちゃ強いんですよ。周りの環境が違えば本人の強さももちろん変わっていくし、異能力についても映画ならではの白虎との戦い方があったりして、今回も強敵という印象でした。

鳥越 芥川は雰囲気も「文ステ」でまとっているものとあまり変わらない感じがしています。それが武装探偵社というマイペースな人々のなかに入るとどうなるのかという部分がファンとして楽しみでもありました。そして一番芥川と馬が合わなそうな堀之内(仁)の宮沢賢治とのシーンは本当にほっこりしますし、あの場面は小説で読んでいた時から楽しみにしていたんです。