映画初出演・初主演を経験して演技に貪欲になった

――『味噌カレー牛乳ラーメンってめぇ〜の?』は仲本さんにとって映画初出演、しかも初主演です。お話をいただいたときの感想を教えてください。

仲本 マネージャーさんに電話でサラッと言われたんですよ。最初は聞き間違いかなと思ったぐらい(笑)。驚きが一番で、ワクワクもありましたけど、プレッシャーが押し寄せてきました。ほとんど演技経験もなかったですし、1枚以上の台本をもらうことも初めてで、映画のお話が決まってから、演技レッスンを本格的に始めました。

――いつ頃から演技に興味を持ち始めたのでしょうか?

仲本 高校2年生のときに、このお仕事を始めたんですけど、その夏にMV撮影があって、映像のすごさを目の当たりにしました。高校3年生になったときにYouTubeも始めて、自分で編集もやっていくうちに、「自分が出る側になりたい」と思いました。

――『味噌カレー牛乳ラーメンってめぇ〜の?』は青森でロケが行われたそうですね。

仲本 1週間ぐらい青森に行って撮ったんですけど、青森に行くこと自体が初めての経験でした。私が演じる主人公・うつつは、おばあちゃんとかお母さんがイタコ業をやっているイタコの家系に生まれた子です。だから舞台が青森なんです。

――うつつはどういうキャラクターなんですか?

仲本 オタク気質で好きな子の影響で1980年台から2000年代ぐらいの音楽やアニメ、マンガなどのサブカルにハマるんですけど、ハマった大きな理由はイタコを継ぎたくないから。コメディー映画なので、かなりはっちゃけた演技をしています。

――イタコについてはご存じでしたか?

仲本 ほとんど知識はなかったです。実際のイタコさんにはお会いできていないんですが、映像で拝見して、神秘的な存在だなと思いました。

――うつつに共感する部分はありましたか?

仲本 内弁慶というか、家庭の中ですごく強くなったりするところです。友達の前だと絶対に言わないけど、親の前だと「これは嫌だ」とかハッキリ言うタイプで、そこはうつつにそっくりです。

――役作りはどのようにされましたか?

仲本 なるべく他の役者さんが演じる役を意識しないようにして、うつつの気持ちを優先して台本を読むようにしました。うつつの気持ちが分からないときは、すぐに監督に聞いて、細かい雰囲気やしぐさを考えていきました。うつつの話を聞いているようで聞いてないみたいな挙動は、周りの友達の癖や変だなと思う部分を取り入れたんです。その甲斐あって、現場では「すごくうつつに似ているね」と言ってもらえました。撮影が終わった後も、しばらくは「うつつだったらこういう風に言うな」と考えてしまうことが多くて、しばらく役が抜けなかったです。

――キャリアのある役者さんもいらっしゃる現場で、主演を務めていかがでしたか?

仲本 初日は緊張で胸が張り裂けそうでした。いきなり長ゼリフのシーンだったので、今思い出しただけでも胸が苦しくなるぐらい。でも、そこにワクワクもありましたし、初日の夜には次の日の撮影を考えるぐらい落ち着いていて、2日目にはうつつをバン!と出せるようになりました。

――2日目に早くも演じる楽しさが分かってきたんですね。

仲本 初日も「楽しい!」が勝ってはいたんですけど、焦って頭の中が真っ白になることもありました。でも現場が温かかったので、ミスしても大丈夫という雰囲気もあって救われました。根性で生きているタイプなので、何か失敗しても、あまり引きずらないタイプというのもあります。

――片山監督の演出はいかがでしたか?

仲本 私が映画初出演ということもあって、事前の打ち合わせでも丁寧に、こと細かく教えていただきました。うつつの考え方について、疑問がたくさんあったところを一つひとつ解決してくださって本当にやりやすかったです。

――映画に初出演したことで、演技に対する意識も変わりましたか?

仲本 もっともっと演技のお仕事をやりたい、いろんな役をやってみたいと心の底から思いました。

――そこまで役に入り込んだということは、撮影が終わった後はかなり寂しかったのではないでしょうか?

仲本 アットホームな現場ということもあって、撮影が終わった後は心にぽっかり穴が空いたような感覚がありました。